↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第六章 人間界の休日

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
238/248

ウサギとの邂逅

「ほわぁ…」


 施設の中は、自然が溢れている。

 高い木等は茂っていないが、広い草原が広がっている。


 そして、自分たちと同じように入園した客の足元に、それぞれ数匹のウサギがおり、一部のウサギは撫でられたり、抱っこされたりしている。


 ーーー魔界のウサギだと、あんなことをしようものなら、下手をすると指を噛み千切られる。だが、人間達の反応を見てる限り、そんな心配は全くなさそうだ。


「こっちこっちー!!」

「わわっ…!?」


 だが、ミノトがそんな悠長に眺める時間を、与えてくれるはずもなかった。さらにペルセの手を引き、ウサギが数匹集まっているところへと連れて行かれる。


 だが、ウサギの反応は、大人しいものだった。

 急に近づかれて、驚いてはいる。しかし、その場から逃げ出したり、ましてや反撃しようとしてくる個体は、一羽たりともいなかった。


「かーわーいーいー!!」


 そんなウサギを見て、ミノトは目を輝かせながら、屈んで一羽のウサギの体に触れている。ウサギの方も、特に抵抗することなく、普通に触られている。


 ミノトの反応を見て、ウサギを観察してみる。


 ーーー言われてみると、確かに可愛い。こんなにウサギをじっくりと眺めたことなんてなかったが、人間界のウサギはこんなにも愛らしいのか。


「ペルセちゃん、どうしたの?」


 そんな事を考えてると、ウサギを膝に乗せたミノトが声をかけてくる。だが、立ち上がる気はないらしく、ウサギも大人しくミノトの膝の上でじっとミノトに撫でられていた。


「いや…私の知ってるウサギとは、大分違うなぁ、って…」

「魔界にもウサギっているの?」

「うん、いる。でも…」


 ペルセはミノトの隣に腰かける。すると、一羽のウサギが、ペルセの方に近寄ってきた。

 初めて見る悪魔だからなのか、少し興味を持ってるようにも見える。


 そのウサギは、ペルセが地面に置いている手の指先に、鼻をひくひく動かしながら、まるで匂いを嗅いでるかのように鼻先を近づけていた。


「…こんなに、大人しくはないかな。それに、人懐っこくもない」

「へー」


 ペルセはそんなウサギを眺めながら、独り言のように呟いた。だが、質問を投げておきながら、ミノトは完全に生返事で、ウサギの方に視線が向いていた。


 ペルセも、自身に近寄ってきたウサギの方へと視線を向ける。相変わらず、自身の指先の匂いを嗅いでいる。何だか、鼻先の毛が指に当たって、少しくすぐったい。


「…そんなに嗅いでも、何もないよ」


 ペルセは優しく、そう語りかける。しかし、ウサギは変わらず、ペルセの指先に鼻を当て続けている。


 満足するまで嗅がせるか。そう思い始めたところで、その様子を見たミノトが口を開いた。


「ペルセちゃん、その子触ってみたら?」

「…触る?」


 ミノトに言われ、思わず間の抜けた声が出てしまった。だが、ミノトは特に気にする様子もなく言葉を続けた。


「その子、今なら触れそうだよ?」

「…私が触っていいの?」

「もちろん!そういうふれ合いをするための場所だからね、ここ!」


 ミノトは自身の膝に乗せてるウサギの背中を優しく撫でている。撫でられてるウサギは、どこか心地よさそうに見える。


 あんなふうに撫でれば良いのだろうか。ペルセは恐る恐る、自分の手元にいるウサギに手を伸ばした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。