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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第六章 人間界の休日

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子供のお出かけ準備

 ペルセが留学に来てから一週間が経った。


 初めての、学校が休みの日。それにもかかわらず、ペルセは家の中で出かける支度をしていた。


 初めての、ミノトとのお出かけ。


 今までも、ハイーラやマール、もしくは実の両親と一緒お出かけすることはあった。

 だが、子供同士で遊ぶ、ましてや出かけた経験はない。


 しかもミノトは、「案内する」と言っていた。それがより、ペルセの心を躍らせていた。


「ペルセさん」

「はい?」


 ウキウキしながら準備をしているペルセに、リビングでコーヒーを飲んでいるラウラが静かに声をかける。

 それに反応したペルセは、荷物をポーチに詰めながら、そちらを勢い良く向いた。


「この間も言いましたが、何かトラブルがあったら、私に連絡してください。魔力通話の繋げ方は、以前教えた通りです。あと、8時より遅くなる場合は必ず連絡を」

「はーい」


 以前もされたことのある注意喚起。だが、ペルセはそれを無視する気はなかった。


 トロールの件以降、ラウラが若干心配性になってしまった気がしなくもない。だが、それ自体はハイーラにも似たような傾向があったので、特に気に留めてもいなかった。


「ランちゃん、心配性だなぁ…。まぁ、気持ちは分かるけど」

「黙っててください。強制的に引っ込めますよ」

「ボクには厳しくない!?」


 いつものように、窓枠に姿を現したヴァーレアに対しても、塩対応であった。とはいえ、普段も淡々とした対応をしているためか、いつもと然程変わらない気もする。


 ヴァーレアは若干むくれたような表情で、ラウラを見つめている。しかし、ラウラは本を読み始めており、ヴァーレアの方を見向きもしていない。


「も〜…ランちゃん、せっかくの休みなのに、相変わらずお硬いんだから…」

「どう過ごそうと私の自由です。それに、今日はペルセさんからの連絡をいつでも受けられる状態にしておきたいので」

「…それ言われると返す言葉がないけどさぁ。仕事に集中しちゃうと、何でもかんでも後回しにしちゃうし」


 ここ一週間で一度だけ、ラウラが本気の研究モードに入った瞬間を見たことがあった。その際には、ペルセが声をかけても、ヴァーレアが何か言ってもほとんど生返事で、目の前の研究素材に夢中になっているようだった。


 確かに、あの状態になってしまっては、連絡したところで、まともに答えてはくれないだろう。


「あぁ、あとお小遣いはあまり使い過ぎないように。多めには渡していますが、無駄遣いはしないようにしてください」

「…ランちゃん、ペルセ様はまだ、人間界の金銭感覚わかってないと思う…」

「だから五千も渡したんですよ」


 ペルセはそう言われ、自身の服のポケットに入ってる財布を見た。中にはきちんと、ラウラからのお小遣い、五千SC(エスコイン)が入っていた。


 少し多目に渡した、ということらしいが、これがどのくらいなのか、ペルセにはよく分からない。

 適当に生返事を返し、準備をゆっくりしていた。


「…急いだ方が良いのでは?時間が迫ってますよ」

「え?…あ、ヤバ!!」


 だが、ラウラにそう言われて時間を見ると、すでに出発時間を過ぎそうになっている。


 ペルセは慌てて荷物を詰め込み、準備を超特急で終わらせた。そして勢いのまま、玄関へと向かった。


「じゃ、行ってきまーす!!」

「…行ってらっしゃい」


 玄関からペルセは元気に声をかけた。ラウラはそれに対し、席を立つことこそなかったが、本から視線を外し、ちゃんとペルセを見ながら、言葉を返してくれた。


 ラウラの穏やかそうな表情を確認し、ペルセは家を出発した。

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