↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第五章 放課後の大事件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
226/251

魔獣制圧

 魔獣は、周囲の建物を破壊しながら暴れている。その大きさは、その辺の熊よりも大分大きい。

 四足歩行のようだが、明らかに異常に大きい。かなりアンバランスな体の魔獣だ。


「グオォォオオォ!!」


 魔獣は雄叫びをあげた。その雄叫びは大きく、周囲の空気をビリビリと震わせて、周囲の砂埃を吹き飛ばした。あまりの大きさに、ペルセ達も思わず耳を塞いでしまった。


「うわ!!何だよこいつ!!」

「逃げろ逃げろ!!潰されるぞ!!」


 周りの人々がパニックに陥り、逃げ惑っている。誰も、こちらへは目も向けてくれない。


「くそっ…!」

「だ、ダリスぅ…」


 ダリスは顔を歪ませながら周囲を睨んでいる。そんなダリスの後ろで、ミノトが情けない声をあげた。


 ーーー完全な、涙声。しかも、ミノトはダリスの後ろで、完全に腰を抜かしてしまってるようで、立ち上がれなくなっている。


「オォオオオォォ!!」


 再び、魔獣が咆哮する。その鳴き声に、ミノトはより大きく肩を震わせる。ダリスはミノトに駆け寄り、その肩に手を置いている。だが、ダリスの手も、同じくらいに震えていた。


 ーーーだが、そんな二人とは対照的に、ペルセは驚くほどに冷静でいられた。


「…動かないでね、二人とも」

「は?…お、おいペルセ!!」


 ペルセはそれだけ言うと、ダリス達を置いて、暴れる魔獣の方へと向かった。


 ダリスが自分を呼ぶ声が聞こえてくる。だが、ミノトの元から動くことができないようで、追いかけてくることはなかった。


 ペルセが何か言葉を発する前に、魔獣がペルセの方を向いた。その瞳は、完全に捕食者側のそれだった。


 この魔獣。

 姿形は、以前魔界で見たものとは大分違う。だが、この気配、この獣臭、そして独特な体型。まず、間違いない。


「…魔獣・トロール…」


 ペルセは小さく呟いた。

 トロール。知能は低いが力が強く、魔界でも度々町に被害を及ぼす魔獣の一体だ。知能が低いゆえ、欲望を抑える理性がない。


 魔界にも現れる魔獣であるためか、アモディエナから教わったことがあった。


「グァァアァァァァッ!!」


 ペルセを認識したトロールは、獲物を見つけたと言わんばかりに、よだれをまき散らす。


 ーーー汚い。とても下品だ。

 ペルセは軽く身をひねり、よだれが体にかからないようにかわした。


 いくら咆哮をされても、あまり怖くない。正直、鍛錬の中で魔力を吹き出した父や母の方が、よっぽど怖い相手だった。


 とはいえ、いつまでも悠長に構えてる気もない。ペルセは自身の中で、魔力を練り上げる。相手を消し飛ばさない程度に抑え、かつ無力化できる威力を保持した魔力を、その手に宿した。


 自身の手に、慣れ親しんだ白い魔力が現れる。父由来の、白い魔力だ。


「ガァァァァァッ!!」


 ペルセが目を向けると、トロールは何の迷いもなく、ペルセへと襲いかかってきた。


 それに対しペルセは、トロールの眼前に、魔力を宿した手を突き出した。


「…ちょっと静かにしててね」


 ペルセはそのまま、トロールの顔面に自身の魔力をぶつけ、トロールを吹き飛ばした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。