三人での放課後
あっという間に放課後となった。
緊急でラウラの仕事が追加されてしまったらしく、ペルセが先に一人で帰ることになってしまった。
ラウラの家までの道を、さすがに完全には覚えていない。だが、人間界での地図の見方も、よく分からなかった。だが、ラウラはそこも分かってたようで、ミノトに指示を出していた。
「ラウラ先生のお家!?私が行っていいんですか!?」
「勘違いしないでくださいね。ペルセさんの送迎だけですよ。住所はこちらですので」
ラウラはそう言いながら、はしゃぐミノトにメモ帳の切れ端を渡している。そこには、何か地名や数字が書かれている。
ミノトはそれを受け取り、雑にポケットにしまおうとした。だが、その直前に、ひょいとダリスが紙を取り上げた。
「あ!ちょっとダリス!」
「こんなん絶対なくすだろお前!?」
「そんなことないもん!!」
「この前親に買ってもらったぬいぐるみを三日でなくして泣いてただろうが!!」
「アレは違うもん!!」
ペルセの目の前で、どうでもいい喧嘩が始まってしまった。この二日間で、何回もあった、下らない言い合いだ。
ペルセがオロオロしていると、ラウラは呆れた様子で間に入った。
「はいはい、喧嘩は他所でやってください。ペルセさんの送迎、お二人に任せますよ」
ラウラの言葉に、ダリスもミノトも言い合いを止めた。だが、なおも不満げなミノトの様子に、ラウラは小さくため息をついた。
「…ミノト。道に迷わないように」
「ラウラ先生!?ちょっとは信じて任せてよぉ!!」
「遠足で迷子になってたじゃないですか…」
「うぅ…あれは…」
ラウラに言われて、ミノトはうなだれてしまった。
元々、ラウラはペルセの送迎をダリスに頼むつもりで、ダリスと話をしていた。だが、それをミノトが聞き付けて割り込んだ。その結果がこれなのだ。こんな呆れた反応になるのも、無理はないだろう。
「ったく…勝手に割り込んできやがって…」
「だって!ペルセちゃんと帰れるチャンスだよ!?逃したくないじゃん!!」
ーーーミノトの動機が清々しいほどにシンプルだ。あまりにシンプル過ぎて、ダリスも何も言えなくなったらしく、小さくため息をついた。
「では、頼みますよ。何かあったら、私に連絡ください」
「分かりましたー!!」
ラウラの言葉に、ミノトは元気な声で応えた。ペルセは思わず、耳を塞いでしまった。
ラウラはその返事を聞くと、そのまま足早に教室を出ていってしまった。余程、急ぎの仕事があるのだろう。
「よし、じゃあペルセちゃん!私にドーンと任せて、一緒に帰ろ!!」
「…コイツの言う事はあてにしなくていいぞ」
「ちょっと!?」
胸を張るミノトに対し、ダリスは無慈悲なほどにバッサリと切り捨てた。
「…さっさと行くぞ。遅くなったらまずいからな」
抗議の声を上げるミノトを無視し、ダリスは教室の外へ歩き出した。それに気付いたペルセは、ダリスの後を追いかけた。
「わわ、待って置いていかないでー!!」
少ししてミノトも気付いたらしく、慌ててカバンを持って追いかけてきた。




