↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第四章 魔術学校・エストラでの暮らし

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
221/248

ヴァーレアの着眼点

 昼休み。

 エストラの職員室に、実習を終えたラウラ達が戻ってきた。


 少し早いが、実習を早々に切り上げ、生徒達を教室へ返した。幸い、あの時点でペルセ以外は全員実習課題も終えていたので、特に大きく揉めることなく締めることができた。


 だが、デスクに戻るエルフィーとラウラの表情は、どこか不可解そうなものだった。


「…さて、ヴァーレア。詳しく聞かせていただきましょうか」


 ラウラが自身のデスクの上にある鏡に向けて、声をかける。背後から、その鏡をエルフィーが覗き見ている。


 しばらくは二人の顔を写していた鏡だったが、少しするとすぐに、ヴァーレアが姿を現した。その顔色は、未だに青いままだった。


「…今までも、留学生のヘンテコな質の魔力を見たことはあった。ばってん、今回のはあまりにおかしか」

「えぇ…。極小の魔力量で、高レベルの魔力壁を完全に機能停止に追い込むなど、通常の魔力運用では、説明がつきません」


 エルフィーとラウラは、純粋に思うことをヴァーレアにぶつけてみた。


 おかしな魔力そのものは、今までもあった。魔力を出すだけで、同時に悪臭を漂わせてきたり、なぜだか魔力に体液が混ざっていたりなどだ。だが、それらは使用者本人のクセのようなもので、魔力自体はラウラ達の知る運用理論から外れていなかった。


 だが、ペルセの魔力は、その運用理論から大きく外れた位置の挙動を示させている。魔界でも高い階級にいるヴァーレアの魔力ですら外すことのない運用理論から外れている理由。そこが、まるで分からないのだ。


「正直、ボクも驚いたんだよ。白い魔力の時点で、引っ掛かるものはあった」

「…えぇ。白い魔力ですら、理論上の存在でしかない、というのに…」


 白い魔力は、純度の高い魔力として『理論上存在している可能性は否定できない』と、ずっと魔力運用を研究する学者の間では提唱されていた。だが、それを生で見れるとは予想だにしていなかった。


 だが、ヴァーレアの驚いたポイントは、少し違っていたようだ。


「何であの子、見てくれは完全にお母さんなのに、魔力についてはお父さんを受け継いでるんだよぅ…」

「お父さん、ですか?」


 ペルセの両親は、魔界の最高幹部である、としか聞いていない。その片割れの要素を、強く受け継いでる、ということなのか。


 一体、魔界の最高幹部とは、何者なのか。


「ランちゃんには軽く話してるけど、ペルセ様は魔界のNo.2であるクロニオス様と、No.4であるデメナ様の間のご息女なんだよ。血統だけで見れば、ボクよりもVIPだよ」

「うわ…そら、スゴか名家のお嬢さんが来たもんや…」


 エルフィーにとっては初耳だったのか、口をあんぐりと開けている。


 確かに、血筋としては魔界最強かもしれない。だが、それがあの魔力の異質さにどうつながるというのか。


「見た目はホントに、母親であるデメナ様そっくりなんだよ。髪の色も同じだし、顔つきも鏡写しかと思うほど似てるし…」

「さっさと本題に入りなさい」


 この悪魔は、こういうところがある。

 見た目が母親そっくりだから、何だというのだ。今はそのような話をしていないと言うのに。


 ラウラが言葉と視線で、ヴァーレアに圧力をかけると、ヴァーレアは渋々口を開いた。


「…ペルセ様のあの魔力は、クロニオス様由来の…『魔王の資質』、とでも言うべきものだよ」


 その瞬間、ラウラとエルフィーは同時に思考が止まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。