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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二章 上位の町・アスティアノ
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食欲暴走ー初めての、美味しい食事ー

 気づいた時には、目の前にある肉にかぶりついていた。

 熱さが、手から伝わってくる。しかし、その熱さも気にならない。今はとにかく、口に何かを入れたい。


 口の中の肉を噛む。中から汁が溢れ出てきた。


 ーーー美味しい。


 ダスノムでも肉を食べたことはあるが、まるで違う。味もそうだが、こんな柔らかくはなかった。


 もっと。

 もっと。

 もっと食べたい。


 次から次へと、ペルセは手を伸ばし、掴み、口に運ぶ。とにかく今は、目の前の美味しいものを、たくさん食べたかった。


「ちょ、ちょっと、フォークを…」


 ハイーラが戸惑うように声をかけてきたが、もはや耳に入らない。今はそれどころではない。


 口の中に入っている肉を噛み切りもしないまま、ペルセは米の入っている縦縞の容器に手を伸ばした。そして、中に入ってるものを、手ですくい、口に押し込んだ。


 ーーー温かい。


 米も、ダスノムで食べたものとはまるで違っていた。

 肉と米が混ざり、口の中は大変なことになっている。しかし、そんなことは気にもならない。


 まだ。

 まだ。

 食べたい!!


 肉と米で喉が詰まりそうになるのも気にせず、ペルセは次々に、食べ物を口へと運んでいく。


「…すごい食べっぷりだね〜」


 隣で、肉の塊を切りながら、ゆっくり食べてるマールに、何か言われてる気がする。しかし、そんなことを気にしてる余裕もない。


「…お腹すかせてるとは聞いてたけど、これほどとはね…」

「私もちょっと、予想外だね〜」

「…今まで、あんまり美味しいご飯食べれてなかったのかしらね…」

「かもね〜」


 ハイーラの声も追加で聞こえてきた。しかし、何を言っているかは分からない。


 ペルセの目は、野菜の方に向いた。手が黄色い液体で汚れることも気にならず、そのまま手で掴み、口の中に運ぶ。

 肉や米とは違う、少し刺激のある味だ。しかし、不思議と野菜に合っている。


 食べたい。

 食べたい。


 もっと。

 もっと。


 まだ、足りない!!


 もはや、手を止められなかった。ペルセの手は、勝手に食べ物を次々に掴み、口の中へと押し込んでいく。


 ペルセ自身、段々何を食べているかが分からなくなってきた。


「…マール、後で掃除を手伝いなさい」

「え〜」

「この子はあんたが連れてきたのよ。その面倒を私に投げるのは、筋が通らないわよ」

「…分かったよ〜。しょうがないなぁ〜…」


 またハイーラ達がなにか言っている。しかし、何を言われようと、ペルセにも自分の手を止めることはできなかった。


美味しいものを、たくさん食べても叱られない。

そんな当たり前のことが、ペルセにとってはたまらなく嬉しかったーーー。

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