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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第四章 魔術学校・エストラでの暮らし

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ミノトの実習

 小学部の生徒達が、的の前に立っている。

 高等部の生徒達が、まるで銃弾でも撃つかのような構えで打ち出していたのに対し、クラスメイトの構えはただ手を突き出すだけの、単純な構えだった。


 高等部の生徒と比べると威力が絞られていないようで、魔力弾の発射時、そして的への命中時には大きな爆発音がした。


「うぎー!全然当たらない!!」


 クラスメイトの一人が、不満げに地団駄を踏んでいる。見てみると、大きな的の外側に魔力弾の衝突痕があった。

 そんな生徒を見ても、ラウラはまるで動じていなかった。


「落ち着いてください。狙いを定める時間が流石に短すぎます」

「でも!!すぐに打たないと!!」

「別にそんな時間がカツカツなわけではありません。周りを気にせず、自分のペースでゆっくり狙いを定めなさい」

「うー…」


 ラウラにそう言われ、複数のクラスメイトは唸りながらも、冷静さを取り戻している。やはり、ラウラはこのクラスの対応に慣れているようだ。


 すると、ミノトが的の前に立った。どうやら、出番が回ってきたらしい。


「んー…!」


 ミノトは他のクラスメイトと同様、手を突き出す構えで的の真ん中を狙っているようだ。だが、その手は震えており、さらにじっとしていられないのか、体も揺れていた。


 そんなミノトの手に、魔力が集まっていく。だが、その量は他のクラスメイトと比べると、明らかに多い。


 ーーーあれは、打って大丈夫なのだろうか。


 そう思いながら見ていると、ラウラがため息をつきながらミノトの背後へと近寄る。だが、ミノトを止める気はなさそうで、ミノトに触れることはなかった。


「えーーいっ!!」


 ミノトはそんな掛け声とともに、自身の魔力弾を放った。反動でミノトは後ろへのけぞったが、ラウラが受け止めていた。


 こうなることが、予想できていたようだ。


 ミノトの放った魔力弾は、ミノトの顔よりも大分大きい。だが、その大きさに反して、スピードは遅く、しかも勢いもない。


 魔力弾はゆっくりと数十センチ程度進んだ後に、的へ届く前に地面へ着弾した。


 一際、大きな破裂音がした。周りの皆が、実習を一時停止し、ミノトの方を見たほどだ。だが、小学部の生徒達は、すぐにいつものことだと言わんばかりに視線を外した。


「うー…的が遠いよぉ…」

「射出地点から的までは3メートルほどです。出力を絞らないと、魔力弾そのものの重さで前に飛びませんよ」


 ぐずりそうなミノト相手に、ラウラは優しく声をかける。


 確かに的へ目を向けると、先程高等部がやっていた時より何倍も近くにあった。実際、他の生徒達は的に当てることこそ稀だが、的の近辺には届かせることができていた。

 故に、的が遠いということはないのではないだろうか。


「全く…お前学習しねぇな」

「だって!やっぱり大量の魔力でドーン!ってしたいじゃん!!」

「今回のはそういう実習じゃないだろ」


 ラウラに寄りかかったままのミノトに、ダリスが呆れた様子で声をかける。ダリスは尻尾を下げながら、ミノトの鼻をつまんで、引っ張り上げた。


「痛い痛い!」

「だからお前はいつまで経ってもバカなんだ」

「バカじゃないもん!!」


 憤慨するミノトを尻目に、ダリスは自分の番が回ってきたことを察し、的の前へと移動した。

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