実習入れ替わり
どのくらいの時間が経っただろうか。
何人もの高等部の生徒が、十数メートル先の的に向けて魔力弾を打っては入れ替わり、打っては入れ替わり、それを何回も繰り返していた。
何回もローテーションを繰り返しているようで、先程打った生徒がもう一度打つ、なんてこともあった。監督しているエルフィーも、それを特に咎める様子もなく、ただ時折生徒にアドバイスを入れていた。
その光景も、不思議と見てて飽きが来なかった。一方、隣にいたミノトは、早々に飽きたらしく、ペルセが気づいたときには、ダリスと共に組み手に戻っていったようだ。
すると、組手の様子を静かに見ていたラウラが、組手をしている小学部の生徒達の元へと近づいてきた。
「さて、皆さん。そろそろ皆さんの番です。ご準備を」
ラウラの一言で、クラスメイト達は勢いよく顔を上げ、ラウラの方へと視線を向けた。そして、組手を切り上げ、ぞろぞろと集まってきた。
その顔は、明らかにワクワクしたような表情になっていた。余程、楽しみなのだろう。
「おい、ほんじゃ小学部と交代!準備ばするばい!ほら、動け動けぃ!」
エルフィーは高等部の生徒を相手に、指示を飛ばしている。その指示に対し、高等部の生徒達は、疲労感を隠しきれない様子でありながらも、ちゃんと片付けをしている。
そして、高等部の生徒が使っていた的は外され、もっと大きな的が取り付けられている。さらには、高等部の生徒達が打ってた場所に、的が近づけられている。
ーーー高等部の使っていた的よりは、当てやすそうだ。
そんなことを思いながら眺めていると、あっという間に準備が終わったらしく、高等部の生徒が引っ込み、何かを記録し続けているエルフィーの元へと戻っていった。
「先生、終わりました」
「お疲れ様さん!いやー皆ありがとう、助かったばい!小学部の実習の間は、休んでくれて良かけん!初心を思い出すためにも、見ててよかけん!!」
生徒に声をかけられたエルフィーは、ニカッと笑いながらお礼を言っている。何だか、職員室で会った時よりよりも大分フランクな印象だ。
エルフィーは一通り生徒を労うと、ラウラの方へと顔を向けた。
「ラウラ先生、そっちの準備は良かかね?」
「えぇ、ありがとうございます」
エルフィーの言葉に、ラウラは素直にお礼を言った。そして、ゆっくりと小学部の生徒達の方を一瞥し、静かに歩き出した。
「さて、次は皆さんの番です。高等部同様、出席番号順に五人ずついきましょう」
「はーい!!」
ラウラが指示を飛ばしてくると、小学部の生徒たちは、鼓膜が破れるかと思うほどの大きな声をあげた。
皆、よほど嬉しいのだろうか。ミノトを含めた他の生徒達はソワソワしながら、的の前へと向かっていった。




