↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第四章 魔術学校・エストラでの暮らし

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
213/256

下校

 午後の授業も、午前中と同じように進んでいった。


 午前とは少し異なり、魔術の歴史や理論の話などが中心であった。

 特に歴史については、ペルセも知らないことだらけで、何だか新鮮で、面白い話のように聞こえた。


 休み時間になれば、あいも変わらずミノトがペルセに絡んできた。だが、午前中と比べると、ミノトを通じて、ペルセに近寄ってくる生徒が少し多くなっていた気がした。


 そして、日が傾き始める時間帯となった。


 授業が全て完了し、さすがのミノトもかなり疲弊しているようだ。


「うぇ〜…今日も疲れた〜…」

「そりゃお前、朝からあのテンションだったしな…」


 ミノトは机に突っ伏している。

 だが、当然と言えば当然だろう。朝からペルセにハイテンションで絡んできたかと思えば、一日中そのテンションのままで過ごし続けたのだから。


 後ろに座るダリスも同じ事を思ったのか、呆れたように尻尾を垂らしている。


「さて、皆さん」


 すると、ラウラが教壇に立った。その瞬間、皆の視線がラウラの方へと向いた。自然と、ペルセの視線もそちらへと向く。


「今日は留学生が来たということで、大きな動きがあった一日でしたね。あと20日程度ありますので、皆さん仲良くしてあげてください。それでは皆さん」


 ラウラはそこまで言い切ると、ゆっくりと全体を見回した。


 一体何を言う気なのか。戦々恐々としながら、ペルセはラウラの一言を待っていた。


「…さようなら」

「先生さようなら!!」


 ラウラの挨拶とともに、生徒が元気よく叫んだ。そして、それと同時に、荷物を抱えた周りの生徒が、ラウラに挨拶をしつつ、続々と教室から出て行き始めた。。


 どうやら、これで帰宅ということになるらしい。


「ペルセちゃんはどうするの?もし何もないなら、私達と一緒に帰る?」

「おい待て。何で俺まで巻き添えなんだ」


 隣で突っ伏していたミノトが、ようやく顔を上げる。その隣で、ダリスが不満を隠そうともせずにミノトへ文句を言っていた。


 ペルセはそんな二人を眺めていた。そうしていると、少し気になったことが出てきた。


「二人って、一緒に帰ってるの?」


 先程の生徒達の動きを見た感じでは、各自で帰っているようだった。だが、ダリスは文句を言いつつも、ミノトを置いていこうとはしていない。


 ミノトは少し唸りながら、少し声を詰まらせつつ口を開いた。


「いつもじゃないよ?今日は特に何もないから、一緒に帰るだけー」

「一緒に帰るっつーか、お前が引っ付いてくるっつーか」

「どうせ方向は同じじゃん!!」


 ーーーやっぱり、この二人は仲良しだ。

 マールとハイーラは同性だったが、異性でここまで仲の良い二人は、夫婦である自分の両親以外では見たことがない。


 だが、ペルセの今の保護者はラウラだ。ラウラの指示なしに動くわけにはいかなかった。


「うーん…でも私は…」

「ペルセさん」


 どう言えばよいか迷っていると、後ろからラウラに声をかけられた。振り向くと、荷物をまとめ終わったラウラが立っていた。


「ミノトさん、ダリスさん。先に帰って大丈夫ですよ」

「え…?ラウラ先生…」

「何の因果か、この子の人間界での保護者、私になったので」

「えぇ〜!?それを早く言ってくださいよぉ!!」


 ミノトはラウラに対し、抗議の声を上げた。だが、すぐに切り替えたようで、隣にいたダリスの腕を軽く引っ張っている。


「んじゃ、ペルセちゃん!また明日ね〜!!ダリス、帰ろ!!」

「分かった、分かったから引っ張るんじゃない。つか毛を掴むな、抜ける」


 ダリスはミノトに引っ張られながら、ミノトと共に教室を後にした。


 しばしの静寂。

 これからラウラと一緒に帰ることになる。


 だが、ペルセには一つ懸念があった。


「ラウラさん、職員室でのお仕事が…」

「あぁ、それですか」


 ラウラは何か思いついたように言うと、鞄の中から無数の紙の束を取り出した。

 具体的には分からない。だが、明らかに学校でやらなければならない仕事なのは明らかだった。


 そんなものを出して、一体何なのか。不思議に思っていると、ラウラは口を開いた。


「あなたが留学している期間、一部業務を家に持ち帰って進める許可を、学長からいただいています。ですので、心配はいりませんよ」


 ラウラはそう言うと、取り出した紙の束をカバンへ乱雑に戻した。

 そして、何の迷いもなく教室の外へと向かって歩き出した。


「…帰りましょうか、ペルセさん」

「え、あ、は、はいっ!!」


 ペルセは慌てて荷物をまとめると、ラウラの後を追いかけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。