↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第四章 魔術学校・エストラでの暮らし

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
208/247

自己紹介

 教壇の上に、ラウラが立っている。教室の中にいる子供達はラウラを見ているが、何だかチラチラとこちらを見てきている気がする。


 居心地の悪さを感じながらも、ペルセもラウラの方へと視線を向けた。


「皆さん、おはようございます」

「おはようございます!!」


 ラウラの挨拶に、ミノトを含めた全員が、大きな声で挨拶を返す。ペルセは驚きながら周りを見るが、ラウラは特に動じている様子を見せることなく、教室の中を見渡していた。


「…さて、皆さんお気づきでしょうが」


 ラウラは静かに口を開いた。その言葉とともに、ラウラの視線がこちらに向いた。


 ーーー気まずい。


 助けを求めるように、ペルセは隣に座るミノトへ視線を向けた。だが、ミノトはその視線に気づいても、ニコニコしながらこちらを見ているだけだった。


「以前からお話していた留学生が、今日から三週間、皆さんと過ごすことになりました。…ペルセさん、こちらへ来てください」


 教壇へ上がるように指示されたペルセは、おずおずとラウラの方へと向かう。その間、座っている子どもたちから視線を向けられていた。


 たかが数メートルの、短い距離。その距離が、何だかいやに長く感じる。気のせいかもしれないが、冷や汗が止まらない。

 ざわついている子どもたちの声が、いやに大きく聞こえてくる。


「はい、静かにしてくださいね」


 ペルセが教壇に上がるのとほぼ同時に、ラウラがそう言った。すると、ざわついていた子供達が、皆一瞬でラウラの方を見た。


 ーーーよほど、訓練されているのだろうか。

 明らかに見当違いであることは分かっていたが、ペルセは思わずそう考えてしまった。


「魔界から来た悪魔である、ペルセさんです。自己紹介、お願いできますか?」


 ラウラは優しく声をかけてくる。

 何とか必死に応えようとするが、口がうまく動かない。だが、ペルセはそれでも必死に言葉を紡ごうとした。


 皆が見てくる。あまり注目されたことのないペルセにとって、それは初めての経験だった。


 思わず、ミノトに視線を向ける。

 ミノトは変わらない表情を浮かべているが、ペルセの視線に気づくと、自身の顔の隣で、笑顔でサムズアップをした。


 ーーー頑張って。

 そう、言われた気がした。


「…ぺ、ペルセっていいます。これから三週間、よろしくお願いします」


 口が震えている。それでも、何とかそれだけ絞り出すことができた。

 だが、それだけで十分だった。ラウラは隣で、満足げに微笑んでいた。


「皆さん、短期間ですが仲良くしてあげてくださいね。ペルセさん、席に戻ってくれて大丈夫ですよ」


 ラウラは教室内を見回している。


 ペルセも教壇から降りながら、生徒達の様子を観察していた。

 生徒たちの反応は、様々だった。留学生が来たことにはしゃぐ者、興味深そうな目をこちらに向けてくる者、特に大きな反応をしない者。

 ーーーそして、悪魔という種族に反応する者。


 それぞれの視線を受けながら、ペルセは席へと戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。