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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第四章 魔術学校・エストラでの暮らし

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朝の支度

 翌朝。人間界での夜明けが訪れていた。


「ふぁぁ…」


 欠伸をしながら、ペルセはペタペタと廊下を歩いていた。髪もボサボサで、頭もぼーっとしている。


 ーーー眩しい。魔界では見られない、明るい朝だ。窓から漏れ出る光に、ペルセは思わず目を細めた。


 リビングに出ると、そこにはすでに、準備万端の様子でコーヒーをすするラウラの姿があった。


「おはようございます」

「…んぇ…?」


 ラウラが視線をこちらに向けてくる。あまりに準備バッチリなその様子を見て、ペルセは思わず不安になる。


 もしや、寝坊したか。そう思い、時計を見た。

 しかし、初回登校時刻まで、まだ二時間以上余裕がある。支度するには十分すぎるほどに時間がある。


 ーーーハイーラですら、こんなに早く起きてきてなかったのに。そう思わざるを得なかった。


「とりあえず、シャワーを浴びて、髪を整えてください。その後で、ご飯にしましょう」


 ラウラはそう言いながら立ち上がり、ペルセを浴室へと引っ張っていった。


 引っ張られてはいたが、その力は極めて弱いものだった。ペルセはそれにすら逆らわず、素直についていく。


「浴室から出たら、制服に着替えてください。下着などの替えは、すでにそちらの棚に入れてあります。洗濯物は、こちらの洗濯機に入れておいてください」


 ラウラはそう言いながら、昨日ペルセがもらったエストラの制服を差し出しつつ、様々な場所を指示している。


 ーーーいつの間に、ここまで整えたのか。自分が寝ている間に、ここまで準備されているとは。

 ペルセが脱衣場で呆然としていると、ラウラが静かにその扉を閉める音が聞こえた。


「…着替え…」


 ペルセは訝しみながらも、引き出しを開けた。

 その中には、自分が昨日持ってきたものとは別の、女児用のパジャマや下着の替えなどが入っていた。


 わざわざ、買ったのだろうか。三週間しかいない自分のために。


 もはや、驚きを通り越して、感心してしまう。


「…っとと、あまり時間をかけてられないや」


 だが、驚いてばかりもいられない。

 まだ時間的な余裕があるとはいえ、無限ではない。早々に支度を済ませるとしよう。


 ペルセは着ていた服を脱いで、洗濯機の中に入れる。魔界にも洗濯機はあるが、魔界で暮らしてたときとはかなり違う、何だかゴテゴテしてて機械的な代物だ。


 人間界は魔界とは違い、魔力の扱いよりも科学という分野が発達しているとも聞いている。この洗濯機も、科学というもので作られているのだろうか。


「…やっぱり、違う世界なんだなぁ…」


 ペルセはそのことをしみじみと実感しながらも、シャワールームへと入っていった。

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