↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第二章 人間界との交流準備

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
187/270

人間界への旅立ち

 そこから、あっという間に一ヶ月ほどの月日が流れた。


 ペルセは、家族全員と一緒に、大きな荷物を持ってサトゥニアの町にある、魔王城の前に来ていた。

 数日分の着替えと、ハイーラたちと共に用意した日用品のセット。そして、ちょっとした玩具。それらが全て、スーツケースに詰まっていた。


「アモディエナさーん」


 ペルセは門の前で、手帳を眺めていた待っていたアモディエナに声をかけた。アモディエナはそれを受け、手帳から視線を外し、ペルセの方に目を向けた。


「…思ったよりも早かったな、ペルセ」

「えへへ。楽しみで早く来ちゃった」

「それでいいさ。それにしても…」


 アモディエナはそう言うと、気恥ずかしそうに笑っているペルセの背後へと視線を向けてきた。


 そこには、クロニオスとデメナ、そしてマールとハイーラが勢揃いしている。


「随分と賑やかなお見送りだな」

「皆来るって言って、聞かなくって…」


 アモディエナの言葉に、ペルセも自身の背後を見ながら、ポツリと呟いた。

 皆して、今日だけは無理矢理スケジュールを空けてでもペルセを見送りたい、と言って譲ってくれなかったのだ。ペルセにとっては嬉しい反面、かなり気恥ずかしかった。


 アモディエナは静かに笑っていた。


「…まぁいい。この先に、人間界…エストラの校門へと向かう転送陣を用意している。最初は俺が付き添うが、向こうに着いたら、向こうの先生の言うことに従うんだぞ」

「分かりました!!」


 ペルセはそう言うと、思わず敬礼のポーズをとった。


 すると、後ろからクロニオス達が声をかけてきた。


「ペルセ。何かあったら、いつでも連絡してこい。俺らでも、ハイーラたちでも構わん。…俺らはずっと、お前の味方だ」

「人間界、楽しんできてくださいね。土産話、期待してますよ」


 父と母からの、温かい言葉。その言葉に、ペルセは胸が熱くなった。


 立て続けに、ハイーラ達が口を開いた。


「ちゃんと寝なさいよ?健康第一、ちゃんと規則正しい生活を…」

「こんな時に、そんな小言はないでしょ〜?…エストラでの学校生活を楽しんでくれればいいよ〜」


 真面目なハイーラらしい言葉を、マールが遮っている。こんな場ですら、この二人はまるで変わらなかった。


 ペルセは四人の言葉を受けて、力強く頷いた。


「皆、ありがとう!!行ってきます!!」


 ペルセはそう言うと、大きく手を振った。それに対し、デメナとマールは手を振り返してくれた。クロニオスとハイーラは、何も言わずにペルセをじっと見ているだけではあった。だが、その表情は、きわめて穏やかだった。


「…今生の別れでもあるまいに。行くぞ、ペルセ」

「はい!」


 アモディエナはそう言いながら、歩き始めた。ペルセもその後をついていく。


 アモディエナの歩くペースは、大荷物を抱えてるペルセに合わせてくれているのか、とてもゆっくりだった。


 しばらく歩くと、青く光る転送陣が見えてきた。


「…これに入れば、人間界に行ける。離れるなよ」

「うん…分かっています」


 ペルセは素直に、アモディエナの服の裾を掴み、転送陣の中へと入った。


 ーーーいよいよだ。


 アモディエナが何か呟くと、転送陣が青く光り輝き、ペルセの視界を真っ白に包みこんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。