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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第二章 人間界との交流準備

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合格通知

 ペルセはハイーラとマール、そしてクロニオスとデメナそれぞれに相談し、留学に申し込むことにした。


 書類を出しにアモディエナの元へ行った時には、面と向かって「やはり、お前は来たか」と言われた。何だか、見透かされてるような気がして、少し冷や汗が出てきた。


 そんなことがあって、およそ一ヶ月後。


 アスティアノのハイーラの家に、書類が届いていた。


「ペルセちゃーん。あなた宛にお届けものよー」

「きたの!?」


 玄関で書類を受け取ったハイーラが、リビングでのんびりしていたペルセの元に、封筒を持ってきた。


 ペルセは勢いよく起き上がり、そちらへ視線を向ける。


 子供である自分を名指しした郵便物なんて、今までほとんどない。心当たりがあるとしたら、留学の書類だけだった。


「早くちょうだい!」

「そう焦らないの」


 ペルセは必死に手を伸ばし、封筒を受け取ろうとする。ハイーラはそれを優しく制し、机の上に封筒を置いた。


 ペルセはその封筒を、勢いよく開ける。雑に開けたため、破れた紙の欠片が床にひらひらと落ちた。


 封筒の中には、数枚の紙が入っていた。そこに書かれていたのは、留学時期やそれに伴う準備物のことだった。


 そして、一際目立つ赤い文字で、『留学決定!』と書かれている紙があった。


「通った!!」


 それを見て、ペルセは思わず大きな声をあげた。そして、思わず側にいたハイーラに抱きついた。


 勢いが強かったのか、ハイーラは息を漏らしながら、ギリギリでペルセの体を受け止めた。


「やった!!やったよハイーラさん!!」

「うんうん、よかったわね」


 ハイーラはそんなペルセの頭を、優しく撫でていた。


 すると、家の奥の方からマールが姿を現した。


「も〜…騒がしいな〜…どうしたの〜…?」


 目を擦っているし、髪もボサボサだ。

 こんな昼間まで、ずっと寝ていたようだ。相変わらず、マイペースな人物だ。


「机の上を見なさい、この寝坊助」


 ハイーラは若干つっけんどんにそう言うと、自身の顎で机を指した。マールは気怠そうにしつつも、素直にそちらへ視線を向けた。


 マールの視界にも、留学決定の文字が入ったようで、静かに吐息を漏らした。


「お〜…通ったんだ〜…」


 マールらしい、のんびりした反応だ。だが、その反応も、これが夢ではないことを認識させてくれた。


 マールは机に近寄ると、封筒の中に入ってる書類を漁り始めた。

 紙の擦れる音が、わずかにペルセの耳に入る。


「だったら〜…ちゃんと、確認すること確認しなきゃ、じゃないかな〜?」


 マールはそう言いながら、数枚の書類を見せてきた。エストラでの暮らし方、集合予定、準備物、それぞれが書かれた書類だ。


「…はーい」


 現実を見せられ、一気にペルセの感情は落ち着きを取り戻し、ハイーラの腕の中から離れた。


「言うタイミングあるでしょうよ、マール…」

「普段『物事後回しにするな』って言ってるのは誰だっけ〜」

「…るっさい」


 確かに、ハイーラはいつもそんなことを言っている。まさか、それをマールから言われるとは思わなかった。

 ハイーラも同じだったようで、気まずそうに目を逸らした。


 確認しなければならないことがたくさんある。ペルセは、ハイーラやマールと共に、書類を確認し始めた。


 留学の足音が、少しずつ近づいてきていたーーー。

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