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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第二章 人間界との交流準備

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留学先への想い

 魔界、アスティアノの町。


 帰宅したペルセは、ハイーラ達と共に、アモディエナからもらった学校のパンフレットを読んでいた。


 小綺麗な校舎で、楽しそうな様子の子供達。

 ペルセにとっては、まさに未知の領域だった。


「…そういえば、ハイーラさん達も、学校には行ってたの?」

「ん?そりゃまぁ、ね。魔界の中の学校には行ってたわ」

「へー」


 ふと気になった、素朴な疑問をぶつけてみた。ハイーラは穏やかな表情のまま、パンフレットから視線を外し、ペルセの様子を見ていた。


「…どんなところだったの?」

「そうね…大体は勉強を教わるところなんだけど、同じ世代の子達と、色々ことやったりしてたわね」


 ハイーラはそう言いながら、少し物憂げな表情でマールの方を見ていた。マールは不思議そうに首を傾げるだけで、何も言ってこない。


 ハイーラとマールは小さい頃からの付き合いだと前々から聞いていた。もしかして、学校も同じだったのだろうか。


「こっちを見られても〜…私、途中から学校に満足に行けてないからね〜」

「私、何も言ってないんだけど?」

「ハイーラは知ってるでしょ〜?」

「…あんたのお家事情は、イレギュラー過ぎるのよ。それに、もうあの家は潰したでしょ?」

「そうだね〜」


 マールは静かにクスクス笑っている。だが、その奥には、重いものが眠っているように見える。

 ハイーラも、それに気付いているようだ。しかし、すでに解決しているようだし、あまり気にしなくてもよさそうだ。


 ペルセは再び、パンフレットに視線を向ける。

 写真に写る子供達は、似たような服を着ている。これには、何か意味があるのだろうか。


 そう思っていると、マールが口を開いた。


「それにしても〜…このエストラって学校の制服、学ランとセーラー服なんだね〜」

「そうみたいね。短期留学だと、着れるかどうかは向こうの考え次第だけど」

「セーラーは私も経験ないからね〜、ちょっと憧れるな〜」

「…あんたにそんな美的センスがあるの…?」

「ひど〜い。可愛い制服に憧れてたっていいじゃ〜ん」


 ペルセは二人のやりとりを聞き、改めて女子生徒の服装に注目してみた。

 確かに、可愛らしい服装である。以前着たことのあるスーツと比べても、可愛げのある印象だ。


 さらにパンフレットをめくると、制服に身を包んだ子供達が、教室で授業を受けてる写真が載っている。


 先生らしき人物が前に立ち、話しているように見える。生徒達は手元にあるノートを広げて、必死に何かを書いてるようだ。


「…ちゃんと、授業もあるみたいね」

「一対一じゃないんだ…」

「まぁ…学校は基本、何もなければそういうものね」


 アモディエナやデメナが勉強を教えてくれることもあるが、その時は付きっきりで教えてくれていた。だが、学校ではそうでもないのか。


 そこも、ペルセにとっては新鮮に見えた。


「どういう授業がされるの?」

「…そこまでは、さすがに分からないわ。私達も人間界の学校は経験ないし、そこは学校によりけりなところも大きいからね」


 学校によって、内容がバラバラなのか。ましてやエストラが人間界であるなら、魔界とも違ってても変ではないかもしれない。


「…楽しそう…」


 素直な感想が、口をついて出てきた。


 勉強は好きではない。だが、それを抜きにしても、パンフレットの中にいる子供達は、皆充実していそうだった。


 もちろん、全部が事実であるとは思っていない。しかし、それを抜きにしても、楽しそうに見えた。


「…行ってみたい?」

「うん」


 だからこそ、ハイーラからの問いを否定することはできなかった。

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