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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第二部 第二章 人間界との交流準備

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保護者の心配

 ペルセはアモディエナが置いていったパンフレットを開く。


 その中には、学長と書かれた人物の写真と、長々とした学校の理念が書かれていた。いろいろと小難しい話が記されており、ペルセにはよく分からなかった。


 そこからさらにページをめくると、生徒達が実際に魔術学校内で授業を受けてる写真や、実技として魔力を放ったりして、鍛錬をしてるように見える写真が掲載されていた。


「ペルセちゃん。行きたいの?」

「…分かんない。でも、興味はある」


 行きたいかどうか、それはまだ分からない。だが、興味を惹かれてるのも事実だ。それゆえ、ハイーラへの返事も、曖昧なものになってしまった。


 人間界。

 自分がそこへ行くチャンスがあるのか。


 どんなところなのか。人伝いではなく、自分の目で、耳で、肌で確かめることができる。


「ま〜…今すぐ決めろって話じゃなかったっぽいから、今この場で結論を出さなくてもいいんじゃな〜い?」


 マールは眠そうな様子で、おにぎりの最後の一欠片を口に運んでいた。相変わらずのマイペースぶりで、ハイーラも思わず頭を抱えてるようだった。


「そうなんだけどさ…あんた、もう少し深刻に捉えてよ?留学が何日間だとか、そのへんはこれからなんでしょうけど…」


 ハイーラはマールの額を軽く小突いた。マールは額を抑えながら、少し不満そうにハイーラを見つめている。


 もし留学に行くとなったら、この二人の軽快なやりとりをしばらく見れなくなるのか。一日や二日ならまだしも、何日間も会えないとなると、それは、かなり寂しい。


「…どうしよっかなぁ…」


 ペルセはポツリと呟いた。すると、その独り言を聞き取ったのか、マールがペルセの頭にそっと手を置いてきた。


「ゆっくり、考えれば良いよ〜。私達にも経験はないから判断はできないけど〜…でも、ペルセがどういう決断をしても、私達は否定しないよ〜」

「マール!?勝手に何を…!」

「え〜?否定しちゃうの〜?」


 マールの言葉に、ハイーラは言葉をつぐんでしまった。言い返すことができないらしい。


 普段はマールに小言をいうハイーラでも、時折マールに勝てないことがある。それも、この10年の付き合いで分かってきたことだ。何だかんだで、マールもハイーラの性格や扱い方を熟知しているらしい。


 でも、二人とも自分を心配してくれてるのは分かった。


「…とりあえず、ご飯食べよっか〜。ここでああだこうだ言ってても、仕方ないし〜。パンフレットは、家でゆっくり見よう〜」


 マールのその言葉に、はっとさせられる。

 ペルセの手元の弁当箱には、まだご飯がのこっているし、ハイーラの手元にも食べかけのおにぎりがあった。食べ終わっていたのは、マールだけだった。


 ペルセはハイーラお手製の弁当を味わいながら、ゆっくりと食べ切ったのだった。


 ーーー今日も、美味しかった。

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