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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第一部 最終章 最底辺の悪魔は世界を見る

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愛されてる子供

 ペルセは目的地に向かい、アスティアノの町中を歩いている。


 町のあちこちにある、魔力で点灯しているランタン。

 その明かりのもとで、魔導具や日用品を売ってる店。

 それらの店を出入りし、悪魔達が会話しながら、道を行き交う。


 昔から新鮮で興奮していた。だが、もうすっかり見慣れた光景だ。


「あれ、ペルセちゃん?今日は一人?」


 名前を呼ばれて、ペルセは振り返る。そこには、白い鉢巻きを巻いた、ちょっと暑苦しそうな精肉店のおじさんがいた。このおじさんは、ペルセのことを何かと気にかけていて、たまに飴玉もくれるいいおじさんだ。


 いつもはハイーラたちと一緒だから、一人でいる姿が珍しいのかもしれない。


「うん、そうなの。ちょっと出かけたいところがあって」

「そうか。まぁ気を付けろよ」


 おじさんはそれだけ声をかけると、店の奥へと引っ込んでしまった。忙しいのだろうか。

 まぁ、気にしても仕方がない。ペルセはそう切り替え、歩みを進めていった。


 数分歩いていると、目的地が見えてくる。

 大きくて目立つ建物なので、遠くからでもすぐに分かる。


「あれが噂の…」


 ペルセは目的地の建物をしばらく眺めている。

 この数年でできた、大きな施設だと聞いている。だが、ペルセもそこへ行くのは初めてだった。


「あら、ペルセちゃん?」


 すると、再び声をかけられる。今度は、女性の声だ。


 声のした方へ視線を向けると、魔道具や雑貨品の販売店のおばさんがいた。このおばさんも、近い年頃の息子がいるらしく、故に何かとお節介を焼いてくるいい悪魔だ。


「一人でお出かけなの?えらいわねぇ〜」

「そう?」


 おばさんは感心したようにペルセを見つめている。


 何だか、褒められてるような気がして、嬉しくなった。自然と、ほおが緩む。

 すると、おばさんはため息をついた。


「あなたはこんなにもいい子なのに…ウチの息子ときたら…」

「あ、あはは…私、もう行くね」

「あらそう?」

「また今度!」


 おばさんの、息子への愚痴が始まろうとしている。こうなると、かなり長時間愚痴を聞かされるハメになる。

 普段はハイーラが愚痴の聞き役になってくれるが、今回はそれができない。ペルセは早々に、おばさんの元を離れ、目的地に向かうことにした。

 おばさんは少し残念そうにしていたが、こればかりは仕方ない。


 ーーー思えば、こんな風に地域の皆から声をかけてもらえることなど、全く想像もしていなかった。


 そう思うと、ペルセの頬が自然と緩んでいた。


 その後も、時折店の人や近所の顔見知りからも声をかけられつつ、ペルセは目的地へと歩みを進めていった。


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