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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第一部 第五章 ダスノム改善とその歪み
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ゴエティフス家の詫び

 翌日。


 玉座の間で、魔王サトゥニアの号令のもと、魔界を統べる幹部悪魔が勢揃いしていた。


 机の上には、誰が見ても分かるほどに豪勢な食事が用意されている。しかも、机を埋め尽くすほどに大量だ。


「…どういう、状況…?」


 玉座の間に呼ばれて来たハイーラ達は、目の前の光景を見て唖然としている。

 ペルセやマールも状況が掴めず、ハイーラのその質問に答えることができなかった。


 その間も、玉座の間をシェフらしき悪魔達が盛んに行き来し、どんどんと食事や飲み物が用意されていく。


「…来ましたわね」


 そんな三人のもとに、イアノが近寄ってきた。

 イアノはその場でしゃがみ、ペルセの頭に優しく手をおいた。


「イアノお姉ちゃん…」

「ペルセちゃん。よく寝れましたか?」

「うん…。けど、これって…」


 ペルセは再度、辺りを見回した。自分の顔よりも大きな肉の塊、明らかに高い物だと分かる果物の盛り合わせ、そして自分の好みに合わせて仕組まれたかのような、甘い香りの漂うジュース。


 今までも、鍛錬後にサトゥニアで食事をしたことはあった。だが、こんなに派手なことはなかった。


「…今回の件は、私の所属するゴエティフス家の幹部が起こした反乱ですの」

「反乱…?」


 イアノはせわしなく動き回るシェフ達を眺めながら、静かに口を開いた。


 反乱。

 もしや、父や母への不満があったのだろうか。考えてみても、ペルセにはよく分からない。


「だから、今回お詫びも兼ねて、会食を行うことにしましたのよ。私のいるゴエティフス家の専属シェフを、フル動員しておりますわ」

「ゴエティフス家の、専属…!?」


 ペルセの背後で、ハイーラが今にも倒れそうな浅い呼吸をしている。


 イアノはそんなハイーラの様子にも構わず、少し先へと歩き出し、こちらを案内してきた。


「こちらの席へおかけになって、お待ちくださいまし」


 少し離れたところにある三つの椅子を後ろに下げ、座るように促してきた。


「イアノお姉ちゃんは一緒に座らないの?」


 一足先に椅子へ腰かけながら、ペルセは尋ねた。

 椅子が高く、座ると足が地面に届かず、足をプラプラさせた。


「私はまだ準備がございますので。後でいっぱいお話しましょうね」

「…分かった…」


 イアノにそう言われてしまっては、ペルセもあまり強くワガママを言うことができず、口をつぐんだ。少し不満ではあったが、ペルセは我慢した。


 そんなペルセの隣に、ハイーラとマールが腰かけた。だが、二人は座ってても落ち着かないようで、忙しなく辺りを見回していた。


「…私達、場違いじゃないかしら…?」

「こんな豪勢な会食なんて、生まれて初めてだよ〜…」

「さすが、アスティアノ筆頭名家のゴエティフス家ね…」


 ハイーラとマールは、ペルセの隣でヒソヒソ話をしている。


 確かに、ペルセにとっても、この雰囲気は落ち着くものではない。だが、大人であるハイーラ達にとっては、子供の自分と比べると違う見え方をしてるのかもしれない。


 しばらくの間、机の上に増え続ける食事を見て、三人は呆然としていた。

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