表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第一部 第五章 ダスノム改善とその歪み
PR
136/147

戦果報告

「…そうか。ご苦労だった」


 玉座の間で、キマエは魔王サトゥニアの前で跪き、戦果を報告した。

 サブリナによる完全制圧、そして総大将であるリドンの捕縛成功も、そして回収した名簿の譲渡も、全て。


 本来であれば、現場で徹頭徹尾暴れ続けたサブリナの役目だろう。だが、あの方がこんな堅苦しい業務を好むわけがない。

 帰る途中で自分へ役目を早々に押し付け、さっさといなくなってしまった。


 ーーー相変わらず自分勝手な方だとは思った。だが、それを言うのも今更だろう。


 アモディエナが、先程渡した名簿の中身を眺めている。自分も、中身を詳しくは見ていないが、かなりの数の名前が乗っていたはずだ。


「…これだけの量があれば、調査の手間がかなり省けるな。キマエ、助かった」

「お褒めの言葉、ありがとうございます。私にできることをしたまでです」


 アモディエナからの言葉に、キマエは会釈して返す。すると、それに続けるように、サトゥニアの横に座るクロニオスが口を開いた。


「急な依頼だったにも関わらず、娘を助けてくれたこと、あの子の父親として感謝する」

「いえいえ。娘さんが無事で、何よりです」


 確かに、急な依頼だった。ゆえに、初動が少し遅れ、ペルセやその保護者達を傷付けてしまった。結果的に大事には至らなかったが、もしクロニオスの判断が遅かったら、どうなっていたか。


 ふと、辺りを見回す。もう一人の幹部が、不在であることに気付いた。


「ところで…デメナ様は?」


 ペルセの一件で最も怒っていたであろう、母・デメナの姿がない。あの時、応接間で会った後、どこに行ったのだろうか。


「デメナなら、イアノと共に尋問室へ向かった。イアノが同じゴエティフス家の悪魔として、リドンと話し合いをしたいそうでな。その仲介に向かった」


 キマエの疑問に、クロニオスが答えた。

 ーーーなるほど。確かに、昔からの知り合いで、同じ家の所属である、というイアノの立場なら、リドンと話をしたいのも当然の感情だろう。


 だが、先程連れてこられたばかりのリドンが、果たしてまともに話をできるのだろうか。サブリナがいなければまた、強気に出られるのだろうか。


「…クロニオス様。イアノはどちらに?」


 念のため、自分も向かったほうがよさそうだ。そう判断し、同席を願い出ることにした。

 一瞬、クロニオスは面食らったような表情を浮かべた。しかし、すぐにそれも元通りとなった。


「第一尋問室だ。行くなら好きにしろ」


 クロニオスはぶっきらぼうに言い放つ。だが、何となくその言葉尻からは、温かさのようなものが感じ取れた。


 キマエは軽く会釈をし、玉座の円卓に背を向ける。


 リドンは拘束してあるから、手を上げられることについての心配はしていない。

 ただ、関係者である二人だけでは、どうしても感情的になってしまうだろう。忙しい幹部悪魔の手を煩わせないためにも、キマエは第一尋問室へ向かうことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ