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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第一章:中位の町・べリアス
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興味を持つ悪魔ーマールー

「え…?」


 なぜ、あの騒ぎを知っているのか。

 なぜ、自分のせいであると分かるのか。


 相手のぼんやりしたような目つきで、全てを見抜かれている気がしてしまう。

 ?が頭を駆け巡る中で、再び間延びした声が耳に入った。


「…私、マール~。君の名前は~?」

「…ペルセ、だけど…」


 もはやこちらの都合などお構いなしなのか、このマールという女。

 というか、騒ぎの件を聞いたとして、自分をどうするつもりなのか。


 ---相手の意図が、まるで読めない。


「ペルセね~。ふ~ん」


 マールは、こちらをじろじろと観察してくる。視線が顔から肩、腕、足へとゆっくり動いている。そんなに見て、何が分かるのだろうか。


「…やっぱり、さっきのは君がやったんでしょ~」


 再度口を開くも、先程と内容は変わらず、しかし先程よりも納得いったかのような口調だった。

 一体、何の話なのか。ペルセにはさっぱり分からなかった。


「なん、で…?」

「何でって…そりゃあ~…」


 マールはそれだけ言うと、空に目を向けた。空を見て、何かを考えているようにも見える。


 ---少しして、首を横に倒しながら、ペルセの顔に視線を戻した。


「…あれだけの異質な魔力乱れの源、気付かないわけないよ~」

「乱れ…?」


 どういうことだろうか。魔力乱れ?しかも異質?

 目の前の悪魔が言っていることが、まるで分からない。


「…やっぱり、無自覚か~。まぁでも、そりゃあそうだよね~」

「な、なに…?一体、何の話をしているの!?」


 こちらの混乱などお構いなしで、マールは

 ここまで焦らされたら、最期まで聞きたい。

 いや、聞いておかなければならない気さえしている。


 ---例え、この先を聞いたら後悔するものだとしても。


 なぜそう考えていたのかは分からない。しかし、直感的にペルセはそう感じ、足を止め続けていた。

 背筋に寒気を感じる、しかし、それでも動かなかった。


 そんなペルセの内心を知ってか知らずか、マールは比較的間を置かずに、口を再度開いた。


「…一瞬だったけど、周りの魔力を相当にぐちゃぐちゃにしてたよ~」

「…え…?」


 周りをぐちゃぐちゃに?一体どういうことなのか。もしや、部屋を壊したことだろうか。

 呆然としていると、マールは気怠そうに、ペルセに背を向けた。


「立ってんの疲れたから、お家帰る~」

「え、ちょ、ここまで話しておいて!?」


 あまりに突拍子もない発言に、一気に脱力し、バランスを崩してしまう。

 本当に、このマールという相手、分からない。今までダスノムで相手してきた大人たちとは、全く違う部類の悪魔だ。


「でも~、キミのことは気に入ったよ~。行く当てないなら、私のとこに来る~?」


 半身だけこちらを向きながら、マールはわずかに口角を上げていた。

 その笑みに、先程の店で感じたような恐怖感は、全く感じなかった。


「いや…普通に知らない相手の家にあがることなんて、できないんだけど…」

「でも~、この話、こんな井戸端会議で済ますようなことでもないよ~?」


 …そう言われてしまうと、気になってしまう。一体、マールが何を言おうとしていたのか。

 だが、いくら何でも、こんな切っ掛けで他者の家にあがっていいものなのか。


「私は別にどっちでもいいけど~、話聞きたいならついてきて~。軽めの飲み物くらいならあるから~」


 葛藤していると、マールはペルセの返事を待たず、先へ行ってしまった。

 ただ、歩くペースは非常に遅いうえに、フラフラしていて危なっかしい。ちゃんと前を見ているのか、疑問の残る歩き方だ。


「ちょっと、待って!!」


 ペルセは慌てて、マールの後を追いかけた。

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