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最底辺の悪魔は世界を見る~ペルセの旅路~  作者: ルゥナ
第一章:中位の町・べリアス
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町はずれの見破り

「おいおい、何が起きたんだ…」

「部屋が丸ごと吹き飛ばされてる…!!」


 ペルセが群衆に紛れて外に出ると、大騒ぎだった。店の前には、人だかりができている。

 外から見ても、土埃がもうもうとあがっており、店にポッカリ穴が開いたかのような状態になっている。その有様を見て、群衆たちは様々な反応をしているようだった。


「うわ、っと…」


 群衆の中の足に引っかかる。思わず、転びそうになった。しかし、誰かの腕に支えられ、転ぶことはなかった。


「あ、ごめんなさい…」


 見上げてみると、少し年がいってそうな女性と目が合った。女性は眉を顰めつつ、転びそうになっているペルセの体を、優しく起こしてやった。


「…こっちこそ、ごめんなさい」

「いいえ、全然大丈夫よ。気をつけなさいね」


 ---あまり、この場にはいたくない。

 そう感じたペルセは、その場で女性に軽く謝り、その場を足早に去っていった。





「…はぁ、はぁ…」


 さすがに、もう走れない。

 息を切らしながら、ペルセは近くの大木に寄りかかった。


 ---一体、どのくらい走ったか---。そう思いながら、辺りを見回した。

 先程いた場所と比べると、地面は土のまま整っていないし、建物もボロボロで汚くなっている。

 ダスノムよりは小綺麗だが…何だか、同じような雰囲気を感じる。


「…逃げてきて、良かったのかな…」


 別に、自分が悪いことをした、とは思っていない。しかし、自分が何かしでかしたことは、周りの状況からしても間違いなさそうだ。

 だが、いくら何でも、心当たりのないことでは謝れない。


「す~き~、きら~い~…」

「ん…?」


 ペルセが息を整えていると、自分のものではない声が聞こえてきた。気怠そうな、のんびりとした女の声が…。

 同時に、ひらひらと、自分の足元に何か白く、柔らかそうな欠片が落ちてきている。


 思わず、自分の頭上に目を向けた。太い枝の上、そこに間違いなく誰かがいた。


 ---紫色の髪を側面で束ねており、風に吹かれている。

 より気になるのは、ダスノムの悪魔達にはなかった、大きく曲がった黒い角と、漆黒の小さい羽。それが体から生えていた。

 そんな女が、枝の上に寝転びながら、白い欠片を自分の方に落としてきている。


「…ん~…?」


 しばらくペルセが様子をうかがっていると、女が動き出した。

 気づかれた。隠れる場所もない。---いやそもそも隠れる必要があるのか?


 自分の中で押し問答をしているうちに、相手はゆっくりとペルセの方に顔を向けた。

 非常に眠そうな表情をしている。


「…あれ~?こんな町はずれにお客さん~?」


 相手は枝の上から降りることもせず、眼下にいるペルセを見つめてきた。

 町での対応とはまるで違う。あまりに変わり過ぎて、逆にペルセは動くことができなかった。


「キミ、この辺では見ない顔だね~」


 女はそういうと、寝返りをうつような動作をし、枝の上からするりと落ちてきた。

 落下の衝撃で土ぼこりが舞い、思わずペルセも顔をしかめた。


「何で落ちてくるのよ!?普通に飛び降りるとかしないの…!?」

「ん~…動きたくなくてね~…」


 文句を言うペルセに対し、女は特に気にも留めない様子で、立ち上がりながら自身の服についた土ぼこりを雑にはらった。


「もう、何なのよ…」


 このままでは、また面倒ごとに巻き込まれそうだ。

 ペルセは、この場から離れようと、再び歩き出した。


 ---しかし、次の一言で、ペルセの歩みが止まることになる。


「さっきの爆発騒ぎ、ひょっとしてあなたの仕業~?」


 その瞬間、ペルセの空気が止まった---。

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