02_07_03
【順位】
1位 ビフ・ハワード・マーティン ;ウルフブラック
2位 ティナ・ブリンクル ;オセロットシルバー
3位 ベル・エルドリッチ ;ウルフブラウン
・カルラ・ポートレイン ;ウルフピンク
・クラン・グランニュー ;ウルフブルー
・エンディ・ストランド ;オセロットイエロー
・マガネ・アルバレス・アラキダ ;オセロットグリーン y
・カイン・ホプキンス :オセロットパール (リタイヤ)
日が傾き、ピットインスペースの建物の影が地面に伸びていく。
「なかなか、見どころのあるライダー達ですね。来春の大会が楽しみです」
ライアンが笑って手を差し出すと、レイチェルもうなずいて、その手を受け取った。
「そうね!次はもっと、そちらの選手を脅かす選手に育て上げて見せますわ」
と笑って握手をする。
「ところで」
と視線をそらしてライアン。
「あの、オセロットグリーンの選手ですが…」
すこしぎょっ!として慌てふためきながらレイチェルが
「ああ、彼はまだ、正式な部員ではないので…その、あの…」
と、取り繕うように答えると、その様子に少し目を丸くして、くすっと笑うと。
「そうですか、ぜひ、次回も彼の走りを見てみたいものだ…、ええ、と、」
思案するライアンに、レイチェルが応えた。
「マガネです。マガネ・アルバレス・キタガワ」
「アルバレス」
ライアンはふと、懐かしいものを見る目でマガネのほうに視線を向けた。
ユニバースの生徒たちが、送迎バスに乗り込んでいくのを見送りるマガネ。振り返ったビフが、マガネを見て、ふふん!と笑うと、手を上げてそのままバスに乗り込んで行った。
「んだ、あのやろう!」
地団駄を踏むマガネ。見送るエステートの部員たちを残して走り出したバスは、ウエストサム湖の波間に反射するオレンジの光を照り返し、木陰のカーブに消えていった。
「次はこうはいかねーからな。首を洗って待ってろよ」
小さくなっていくバスに向かって叫ぶマガネが振り返ると、その様子をじっと見ていたティナと目があった。焦ったように頬をボリボリ掻くマガネが、
「えー、と」
照れたように視線を外す。そして、急にがっくりうなだれるとマガネはティナに手を合わせて頭を下げた。
「わりい…、負けちまって…」
そんなマガネをひややかに見つめるティナ。
「当てにしてなかったから、別にいいよ」フン!と鼻であしらうようにティナ。そんなティナにガーン!っとショックを受けたようなマガネが顔を上げると「相変わらず、ひでえなあ…、少しは感謝してくれてもよくね?」と、すねたようにティナに言った。
「勝手に押しかけてきて、感謝もくそもないでしょ?」
「まあまあ、二人とも」
つれなく応えるティナとマガネの間に思わずテムジが仲介に入るも、ティナは続けて、
「大体、ビフもマガネも、私よりもへたっぴのくせに、いまさら何言ってんの?」
ぐいっ!っとマガネに迫るティナが叱るように言った。
「ポケットライドの私のパートナー争いで勝手にクラッシュして、勝手にひねくれて。急に参加だ!ビーストライダーマガネだ!って、何言ってんの?」
ぐいぐい押されてたじたじのマガネに畳みかけるように
「押しつけがましいったらありゃしない!こっちはいい迷惑よ!」
むすっとしたティナがマガネに言うと腕を組んでプイっと明後日のほうを向いた。
「へたっぴって?」
カインとエンディがお互いに見合って聞いた。
「マガネとあのウルフブラック、ビフが?」
「それって、小さい頃、ペアライダーを取り合ったってことか?」
「え?クラッシュの原因って…マガネとビフがティナを取り合ったってこと?」
ビーストライダーの男女ペアでのチーム戦、エンデューロレースは花形である。それはポケットライドで同じである。
「ティナを巡って、マガネとビフがレースで勝負をしたということか!」
ユアンがあきれたように言うと、マガネの顔が耳まで真っ赤になって、恥ずかしそうにうつむいた。
プッと噴き出して笑いだすテムジ。それにつられるようにどっ!と笑いだす一同。
「そりゃいいや!」
「なんだ!ビフもティナ狙いってか?」
「いやいや、それはそれでうちのエースなんだから、困りますよ」
笑い続ける一同に、観念したような表情を浮かべるマガネは
「もう小さい時の話だから!べつにいいだろ!」
と大きくため息をついた。そんなマガネに、ティナは「ほんと、いい迷惑よ!」と冷たく言い放つと、マガネはうっと言葉を詰まらせて、拗ねたように、しばらくぶつぶつこぼした。
ティナが、「なんだって?」と、乱暴に声をかけると、マガネは、「面目ない…」とぼそりと言った。
ふん!っと鼻息荒く見下して、プイっと背中を向けるティナ。
しばらくすると、肩がふるふる震えた。一同がティナのほうを見ていると、やがて、耐えきれなくなったティナは、プッ!と噴き出し、けらけら笑って振り向いた。
「ほんと!馬鹿なんだから!」ティナは、おかしそうに笑いながら、目から流れる涙を拭いて、マガネに言った。
その様子を遠巻きに見つめ、レイチェルは、
さてさて、これからが本番だ。来春の大会に向けて、チームのコンディションを整えないと。
と心の中でつぶやくのであった。




