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ビーストライダー・マガネ【鋼】  作者: 時波彷徨
2章06~ウェストサム・ロードエリア~
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02_06_05

「くそう!くそう!なんてこと!」


 グランドループロードを走るウルフブラウン、ベルが、ちらちらとモニタに目を走らせる。

 カイザーファウンテンエリアから抜けてきたオセロットシルバーとグリーンが針葉樹林帯から出てきた時、そのラップ差が一気に縮まったことに戦慄した。目の前のモニタの光点、オセロットシルバー、そしてグリーンのピンスピードは、ウルフブラウン、ベルである自分のポジションを先回りして、今、まさに追い越そうとしている。


 ていうか、なんてスピード!


 樹林帯を進む光点を見つめながら、その予想ルートと、ウルフブラウンが進むループロードの交わる場所を見つめるウルフブラウン。


 抜かせない!抜かせるもんか!


 がりがりがり!っとコーナーをドリフトして抜けていくと登りのクランクを越えて、最後のコーナーを抜ける。ストレートコースに出たところで、ウルフピンク、シルバーの予想ルートとループロードが合流する地点だ。ウルフブラック、オセロットイエロー、ウルフブルーの姿をこの目で確認できるはず。


 今、ベルは、先行する集団に、確実に追いつくペースで走っている。それなのに、ウルフピンクとオセロットシルバー、そしてグリーンに、こんなかたちで出し抜かれるなんて。そんなことはあってはならない!ベルは、最後のクランクを曲がる瞬間に、ギアをいっきに上げた。後輪タイヤがうなるように回転すると、カウルが浮くように加速をつけて、ブラウンがコーナーを抜けていった。


緑の枝葉を羽振り良くつけた針葉樹林の木々が、後方に飛ぶように流れていく中、視界が開けたベルの前方、まっすぐ伸びるアスファルトの揺らめく向こうに、三機のビーストマシンの姿を捕らえることが出来た


 追いついた。


 ベルが身を乗り出して、前方のビーストライダーに向かってさらに加速しようとしたとき、針葉樹林の枝葉の間から飛び出してきたピンクとシルバーの機体が飛び出してきた。ヒューマノイドモードのまま回転して、ワイヤーを回収する彼女たちのマシンは、くるりと回転すると、バイクモードに変形して、ベルの目の前のロードコースに、ドウン!と跳ねて着地した。


 着地をしたウルフピンク、カルラが肩越しにベルを見る。その時、バイザー越しに彼女の目が薄く笑ったかのように感じた。くっ!と、思わず歯を食いしばると、ベルは、鋭い視線をウルフピンクに向けた。



 オセロットシルバー、ティナは、ウルフピンクの後ろにぴったりとつけてスピードを維持していた。


 抜けなかった。


 あそこまでウルフブラウンのポジションに迫っていたのに!と臍を噛むティナは、ウルフピンクに対して、少し複雑であいまいな感情が生まれ始めている自分も感じていた。


「くそっ!」と思わず舌打ちをするベルがその機体、ウルフブラウンを、オセロットシルバーの後ろに付けたとき、ベルは、もう一機、後方の針葉樹林帯から、ガサガサっ!と飛び出す機体の姿をバックモニタで確認した。


「ちくしょー!ぬけなかったあああ!」


 オセロットグリーン、マガネの機体がヒューマノイドモードで飛び出すと、斜面の草地に向かって滑って着地し、そのままバイクモードで突き進む。


「でも!おいついたぜええーーー!」


 ロードコースの前方を走る一団が、マガネの視界に飛び込んできた。思わずにんまりと構えなおすマガネは、アクセルを全開にして、一列にならんだ、ビーストマシンの最後尾、オセロットブラウンの後方に向かって、オセロットグリーンを加速させて行った。


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