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今日の部活も終了し、学校のロータリーに向かうマガネ。
帰りのスクールバスはすでにバス停に止まっていた。
「レギュラーは取れそうかい?クォーターバック?」
運転手がいつものように声をかけてくる。マガネは「もちろん!順調さ!」と親指を立てて返す。そのまま奥に向かって席に着くと、発車の合図が鳴り、スクールバスがゆっくりと走り出した。
流れていく風景を見つめているマガネ。今週末の選抜試合、うまくいく自信が自分の中で高まっているのが分かる。でも、高揚感があまり上がらないのは、やっぱり、ティナとビフの件があるからだろう。
もう、乗らないって決めたのに…
心が揺らぐマガネ、ビーストライドをしなくなって、もう何年になるだろう…、
手助けに入る、つったって、乗らなくなって何年もたつ自分が、簡単に戦力として参加できるような甘いレースじゃないことは、かつてポケットライドをしていた自分もよくわかっている。
それよりも、今やっている部活だって、ほんとにレギュラーが取れるかもわからないのに…
そもそも、ハイスクールにはいってからは?アメリカン・フットボールはあくまで学生の間のただの部活でしかない、これから自分は何の分野で、どんなことをやればいいんだろうか?
得意な学科があるわけじゃないし、なにかやりたいことや、将来の姿も、今は何も見つからない…。
ルートが見えない…。
走るバスの窓の外は、秋口に差し掛かった緑がその装いを変えつつある。
マガネはぼんやり流れる景色を見つめていると、後ろの席の会話が聞くともなしにマガネの耳に入ってきた。
「まじまじ?ビーストライドの活動自粛って?」
「部長のユアンがケガしたのが、ちょっと大ごとになっているらしいぜ、部長がいなくなると、部員数がな、確か活動規定が5人だろ?」
「でも、復帰したらもとに戻るんだろ?」
「次決まっている試合自体を行うことが無理だとなあ…今期はもしかしたら、部活動自体自粛するかもってさ」
昨日、テムジが言っていたことだ。
活動自粛って、部活自体ができなくなるってことか?
マガネはじっと聞き耳を立ててまんじりと考える。
コースで見たティナの姿が蘇る。
「別に、気にしないで…」
マシンにまたがって走っていくティナの後ろ姿を思い出しながら、ぐっとこぶしを握った。
「だからって…どうしろってんだよ…」




