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「申し訳ありません…校長先生。」
午前の授業が始まる前のエステート・ミドルスクールの校長室。
レイチェルは、伏し目がちに目の前に座るメンフィズ校長先生に言った。
隣には、ティナ、テムジ、エンディ、カインと並んでいる。
「ぼ、僕が、マシンの扱いに慣れてなかったから…あんなことになっちゃって…」
とカインが涙目でうつむいている。
「新入部員がいたのに、目を離してしまった私の監督責任です…」
席について聞いているメンフィズ校長先生は、肩をすくめてため息をつくと、やれやれといった風に頭をかいた。
「起こってしまったものは仕方ありません。スポーツとは本来危険と隣り合わせなもの…。私も理解はしているつもりですから」
校長先生が、困った様にはにかみながらも、静かに言葉を続けた。
「ユアン君が、自分がついていながら…と両親に説明しているようで…、彼のビーストライド部への責任感の高さには頭が下がる思いですが、他の保護者の方の目もあるのでね…」
ユアンは、暴れたビーストマシンの後ろ脚に蹴られて、腕とあばらの骨折を負傷してしまった。当面は安静にと言われたユアン。彼は、部長の自分がきちんと指導できていなかったのが問題なのだ、と、彼は、関係者に説明し、必死にことを大きくしないようにしようとしているようだ。
しかし。ティナたちは悪い予感を抱えながら、その覚悟を決めなければいけないと考えていた。
「ビーストライド部は、この学校でも伝統的に続いて来たクラブですし、私も…出来れば、君たちにがんばってほしいと思っています…」
校長は諭すような言葉に、レイチェルが、ティナ、テムジ、エンディ、カインが悔しそうな顔でうつむく。そんな彼らに向かって、メンフィズ校長は静かに言った。
「部活動自体の自粛を、少し考える必要があるかもしれませんね…」




