表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移巫女と勇者の二大陸物語(仮)  作者: 煌清
2章 2部
51/82

51.パーティション


エリクとマリンは手を繋ぎエリンさんはその後ろに控えている。

兵もザックさん含め18人勢ぞろいだ。全員で門の方へ歩いてい行く。

西下層のテントが大工によって剥がされ集合住宅地の広さを確保していきながら工事が進められている。その風景をみんな複雑な顔で眺めていく。

門の手前で2人の兵士が街の中に残り、交代で門衛を務めるのだそうだ。

中で何かあれば門を叩くように伝え、門の外にも1人配置するようにする。

俺は先日にエリンさんとエリクを連れて狩りをした。

それと同じように狼を瀕死にさせようと軽く殴る。力加減が難しい。

力いっぱい殴ると死ぬし、手加減をすると少ししかダメージが入らない。

見かねたエリンさんが狼を鉄の剣で斬りつけた。

その狼は即座に瀕死になる。ザックさんは無理だった。鉄の剣で一撃で殺してしまうのだ。

あきらめて俺は青いのを狩っていく。

瀕死になった狼を兵士達が寄ってたかって木剣で殴る蹴る。

・・・それはちょっと・・・。そして蹴るな・・。

エリクとマリンは瀕死の狼に止めを刺し着実にレベルを上げていき、石を投げ投擲スキルも上げていく。

ザックさんとエリンさんは更にレベルを上げ青い狼を倒すに至っている。

俺も漸くレベルを1つ上げ、怪我人は光魔法で治していく。

俺は青い蛇も狩りつくし、兵士たちもレベルとスキルを上げ、通常の狼を難なく倒せる程になっていく。殆どの兵士が剣スキルを3にしたところで、まだ剣のスキルが2の兵士に止めを譲らせる。

日も落ち始め、そろそろと、狩りもお開きとなったのだが1日でかなりの進歩だ。

今まで何故してこなかったのかと不思議に思う。

これを繰り返すだけで東下層側に勝てるようになるからだ。

たった1日でここまで成長するステータス。

だが、一定以上になるとレベルが低い相手に時間を掛けるか、強い魔獣やモンスターの生息地域に行かないといけない。

俺はもう、この街の周辺でレベルを上げるのはかなり時間がかかるだろう。

・・それもいいと俺は思った。そもそも魔獣装備と盾を作って貰わないといけないし、ここの西下層の人もレベル上げと装備を整えないと安心した暮らしなど出来る筈もない。

西下層は向こうの戦闘員に比べると兵士の数も少ない。ホークのように強い個もいない。

とりあえず1歩づつ進んでいくしかないのだ。今日は、獣の肉と革、それとレベル上げに勤しんだ。

俺達が街の中に入ると東側からビンビンと視線を感じた。

革や肉を持ち込んでいるからだろう。

何故か東の栄養たっぷりの奴らに見られているだけでもイライラするのだが、俺はその感情を隠し全員で西に身を忍ばせていく。今日の夜も襲撃の可能性を考えねばならない。


これは東下層が勝手に定めた西下層民に対する制裁であり差別だ。

従う理由はない。今までは従わざるを得ない理由があったのだろう。これからは違うのだ。


ザックさんたちは教会を拠点とし、奪った鉄製の武器を兵士に持たせ西側の北と南に2人づつ配置させる。俺はというと東下層の北に向かっていた。

ボスから呼ばれているという話なのだ。行かない訳にもいくまい。

東下層の夕方は、もう喧騒の只中にあった。酒を飲み、暴れ、薄着の女に抱きつき、その喧騒は店の中にまで及んでいる。高い壁の向こうは更に違う世界が広がっているのだろう。

俺は先に西下層の現状を知れて良かったと思った。正にスモールワールドだ。

前に居た世界の縮図を見せられている気分だ。その東下層の中心と言えば解りやすいか一際大きく店を構えているバー。パーティション。

俺は2度目の来店を果たした。


「そろそろ来ると思っていたわ。まあ掛けなさいな。」


俺は妙齢の女性にボックス席に促された。4方にソファで囲まれた奥のボックス席。左右にはホークと、もう一人はガタイの大きい禿げた頭の光る男だ。正面の壁際のソファにその妙齢の女性が座った。


「ああ・・自己紹介がまだだったわね。私はリンダ。貴方の名は?」


俺は深く沈むソファに尻を預けながら答えた。


「俺の名前はさとし。西下層で世話になっている。」


よし。・・言えた。間違ってはいけない。俺は普通の大学生だ。こんなギャングのような方達と会話するのは初めてなのだ。

リンダは俺の顔をちらりと見てテーブルに載った飲み物を一口飲んで話し出した。


「そう。なぜ西下層なのかしら?あそこは何も無いでしょうに。」


本当に東側の奴らは・・。普通の大学生の俺の口を軽くしてくれる。

・・・イライラさせられるのだ。


「何もない?・・・人がいるじゃないですか?」


そこに禿頭が口を挟む。


「ははははは・・あの豚どものことか?」


俺は禿と女をちらりと見た。ステータスもだ。



――――――――――― 

チャフ  レベル 9


剣士


HP  34/34

MP  18/18


攻撃力   11 +16

防御力   10 +13

敏捷性   12 

魔法力   18

魔法防御   7


装備

鉄のグローブ   攻撃力に+ 4 ×2 素手時+8

鉄の鎧      防御力に+ 7

鉄の籠手     防御力に+ 3 

鉄の脛当て    防御力に+ 3


スキル

剣術 レベル2

格闘 レベル4


魔法 


―――――――――――



――――――――――― 

リンダ  レベル14


剣士見習い

拳闘士


HP  45/45

MP  30/30


攻撃力   14 + 8

防御力   14 + 2

敏捷性   17 

魔法力   28

魔法防御  11


装備

素手               素手時+8

服       防御力に+ 2


スキル

剣術 レベル2

格闘 レベル4


魔法 

火の魔法 レベル3

ファイアボール 


―――――――――――




火の魔法って・・・俺はリンダだけの警戒を上げてからチャフを睨みつけ言い返した。


「豚はあんた等だろう?街の通路で食い散らかし、女の尻を追い・・・ブヒブヒ、ブヒブヒ、ここまで来るのに見てられなかったよ。」


この近辺に豚が生息しているのにも驚いたが、俺は相当イライラしていたのだろう。

ここで性格の悪さが・・いや、いつも押し留めていた感情が出てしまう。


「フフッ・・・面白いわねぇアンタ。1つ聞きたいんだけれど?・・・アンタは私等が言いたい放題言われて黙って笑っていると思っているのかしら?」


リンダが煙草を右手に指に挟み、その煙草に自分の指から火を出し煙を肺に吸い込んだ。


「いや・・思ってはいないよ。それに俺はそんなに強くないし。リンダさん・・アンタには勝てないかも・・な。だけど、もう覚悟も決めてる・・かな。」


ホークとチャフが左右から睨みつける。


「本当に面白いわ・・。ところで、私が誘ったとはいえ、わざわざ出向いてくれたのだから言いたいこともあるのでしょう?」


リンダはフゥと一息つき、煙草の煙を吐き出しながら俺に聞いてきた。


「そうですね。聞いた話だけですが、殺された兵士の家族の件、その他、色々を解決させておきたいですね。ですが氷山の一角な気もしますし・・・。根本を絶つのがいいのかもしれませんね。」


リンダが少しだけ目を細めた。


「兵士の家族の件・・?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ