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転移巫女と勇者の二大陸物語(仮)  作者: 煌清
2章 2部
50/82

50.魔獣装備


「みんなの意見は分かりました。死なせる気はありません。生存率を上げる努力をしましょう。まず、革加工師の方は来られてますか?」


1人の女性が手を挙げた。青い長い髪を後ろに束ねた30代位の女性だ。


「レイチェルといいます。革の加工や防具の製造を担当してました。」


女性なんだ。と驚いたが、繊細な仕事だし女性なのだろうとも思った。筋肉隆々のドワーフをイメージしていた。


「防具が作れるのですね?魔獣防具もですか?」


「はい。作れます。ですが、材料と、それと・・・道具も必要です。」


それは最もだ。だが、道具はなんとかなるとの事で元気になった女性達が持ち寄りで探すと話しは付いた。ちなみに工房は教会の部屋を使うとの事である。

大工や石工も西下層に存在していてあばら家の修繕や、テントなどを潰し集合住宅に改造するとの事だった。衛生面がこれでグッと向上するだろう。干し肉の欠片様様である。

畑を提案したが、土壌が適さないのと水不足が懸念とされた。湖の水は必要だろう。

あとは食事も受け付けない幼い子供達だった。

干し肉をもっと小さく切り湖の水と混ぜて飲ませる事で回復する子供は確かにいたが少数だった。

高熱で弱り切った子供達は吐いてしまうのだ。

栄養失調で食道が細くなり肺の方に流れてしまうのだ。口に含んでいても回復はしない。

飲み込み胃に落として初めて回復というゲーム理論のようだ。

俺は高熱の子供の頭に手を乗せ僅かに残るHPを見ながら思考を巡らした。

その時だった。俺の子供に乗せた手のひらが光ったのだ。

俺は思わず「キュア」と呟いた。ポワァっと子供の体が発光してHPが回復していく。

減っていた最大HPを超えていき、最大HPが更新されていった。


「おお!やっと覚えたー。」


まあまだ6日目なんだがようやくという気持ちだ。これで干し肉削減が出来る。友紀のリュックはお菓子だらけだろう。ちゃんと伝わったのかなぁ・・・。


「うぅーん。」


子供が目を覚ます。HPとステータスは最大値まで回復しておりMPは最大値にはなっているが残量が0のままだ。おのずと回復していくのだろう。恐るべき栄養失調だ。


「子供が目を覚ましました。」


女性達が駆け寄ってくる。俺は次の子供に歩み寄った。

MP消費は3。あと7人は救える。俺はその7人を回復させて、そのまま教会で眠りについた。




「嘘よ・・ラナの・・街が・・国が・・・滅びてる・・・・。兄さん・・・500年も経過してる?・・。

でも転移陣は完成した。まさと・・設定して・・・私が行く。・・ジータは・・守らないと・・・いけない・・・」

「ダメだ・・そんな身体で・・俺が作ったプログラムはそ・・・もたない・・・・俺を置い・・・・くの・・・・」





「ん?朝か?」


みんなまだ眠っている。俺はステータスを確認する。MPは回復していた。

子供達のステータスも見ていく。うん。大丈夫だ。回復してる。

キュアはMP以外の回復はしてくれる。残りの子供達の回復をしておこう。MPはじきに回復していくだろう。


俺はMPほぼ全て使って子供達の回復を済ませ外に出る。気持ちのいい朝だ。大人達も皆起き出してくる。


「さとしさん。おはようございます。」


すっかり元気になったエリンさんが話しかけてくる。


「はい。おはようございます。エリンさん。」


エリンさん達はやはり襤褸を着て、足は素足のままだった。

とりあえず食料、水、服だ。衣食住の住むは今日から改善していくらしい。

住みやすい街づくりだ。俺は教会の中に入る。

すると革加工師のレイチェルさんが夜のうちに皆が集めた道具を物色していた。


「おはようございます。レイチェルさん。」


「おはようございます。さとしさん。皆さんのお陰で革の加工は再開出来そうです。」


レイチェルさんはにこやかに微笑んだ。


「レイチェルさん、これは何処に運ぼうか?」


「レイチェル、手伝うわ。」


と元気になったみんなが集まり工房を形どっていく。


「レイチェルさん、では早速で申し訳ないのですが、皆さんの魔獣革の服や鎧、籠手、それと靴も作って貰えませんか?」


俺はレイチェルさんに申し訳無さげに確認をとった。


「はい。勿論です。ですが、後は肝心な魔獣の革を手に入れなくてはなりません。」


俺は頷き、魔法の袋に革と一言呟いた。どさどさと洪水のように溢れる魔獣の革。青い狼、通常の狼、ウサギや蛇、青い小鬼の革まで入っている。

レイチェルさん達は山の様に積まれた革に驚き目を大きく開いた。


「凄い量ですね?しかも青い革まで大量にあります。」


青い革だけでも20〜30はある。通常の革はその倍はあるのだ。

俺はその適当な革に手を当てステータスを見る。



――――――――――――

魔獣の革 ランクF

 


狼種


――――――――――――


これは青い狼の革だ。ランクはF。まだ革の状態だから防御性能はわからない。

それ以外も鑑定していく。蛇や狼、ウサギ、小鬼と分け、更に獣の革、魔獣の革G 魔獣の革F、と分けける。

青は全てがFランクになる。が、小鬼の革は加工が難しいそうで靴底などに使うとの事だった。


「靴底を作ったら残りは盾などにはなりませんか?」


俺はいい提案をしたと思った。


「盾?・・・とはなんですか?」


との回答だった。盾がないのか?

装備スロットが一杯になるからなのか?ステテコパンツが鎧になる・・あれなのか?

いや、盾は絶対に必要だ。この世界に無いのであればなおの事、必要となる筈だ。

・・・しかしこの千何百年、戦争もあったろうに・・誰か発明しててもおかしくないんだけどな。

まあ、ある前提で考えてる俺が言うのもおかしいと言えばおかしいのかもしれない。


「そうですか。」


と、この場は流しておく。帰る頃には作ってもらおう。

この街から広がればいいのだ。必要と感じれば広がるだろう。


「では、よろしくお願いします。」


俺はそれだけを伝え、それにレイチェルさんは快く頷いた。そのまま俺は教会を出る。


「さとし君、待っていた。全員揃ってるぞ。」


教会の前でザックさんに声を掛けられた。


「はい。じゃあ城壁の外に行きましょう。」





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