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転移巫女と勇者の二大陸物語(仮)  作者: 煌清
2章 2部
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47.教会への襲撃


俺のレベル1の時の初期性能より若干低めだが魔法力は1つ多い。アランは弱いと笑っていたがレベル1にしては俺は優秀だったのではないだろうか・・・。

子供だからとステータスが低い訳ではない。というのが面白い。

大人と子供の腕力などが同じという事なのだ。

俺はひたすら壁伝いの安全地帯を徘徊し、見つけては狩るを繰り返す。

俺とエリンさんはまず剣スキルを3にする事を目標として狩っていく。

エリクは通常色の魔獣しか止めをさせないのでレベル上げをさせていく。

日が傾きだし空がオレンジ色になっていく頃にはエリンさんとエリクはレベルを1つと剣スキルを1つ上げていた。

スキルに関しては止めを刺さずともレベルが上がる事は最初のダークウルフの松明の棒スキルで実証済みで、俺は漸く剣スキルを3に格闘スキルを2に上げるに至っていた。

ここで誤算が1つ起こる。普通色の狼を弱らせようと殴るのだが一撃で葬ってしまうようになってしまったのだ。神の血統アビリティ込みで攻撃力は2しか上がって無いのにだ。

魔獣側の基本性能はレベルに応じて変化するが、レベルが同じだと性能に個体差が余りないのだ。

HPで1違う程度の差しかない。レベル4以上の狼は辛うじて生きる、というところだろうと思う。

剣に関してだが、剣術が3になった俺は、今まで+2に神の血統で倍の+4だったのが、3になり、その倍の倍となり+12となったのだ。

神の血統無しでは+6。ここで漸くチートアビリティ発揮となる訳だ。

これで敏捷性が同じくらいであれば黒い魔獣も今のレベルで倒せるかもしれない。

防具が揃えば・・・なのだが。

夕方過ぎにエリンさんとエリクに干し肉の欠片を1枚食べてもらい門に戻った。

元々門付近で狩っているだけなのだが。何故か魔獣は南からどんどん現れる。

明日にはまた多くの魔獣がこの付近を跋扈する事だろう。

俺は門を叩く。

「誰だ?」とザックさんと違う声が聞こえてくる。


「さとしです。開けてください。」


「ああ。ちょっと待ってて。」


ガラガラと直ぐに門が持ち上がり若い兵が慌てて俺達を中に入れた。いつも静まりかえっている西下層が騒がしい。


「何かあったのですか?」


俺は親指に鈍く光った指輪と付けた兵士に問いかけた。


「はい。ギルドの連中が数名、教会の方に向かったと・・。先程、連絡を受けたザックさんが教会の方に走って向かいました。」


教会?レナさんや子供たちに何の用なのか。・・・それは置いておこう。

俺は急ぎ早に教会に走った。エリンさんやエリクも付いてくる。


「エリンさん、エリク、あなた達は危ない。家で待ってていてください。」


エリンさんは首を振った。


「マリンが教会にいるんです。それにレナは友人です。」


俺は仕方なしと頷いた。


「後ろにいてくださいね。」


俺達は教会に向かって走った。



「おい。お前ら、レナに何の用だ?」


ザックさんの声があばら家やテントのある細道を走って向かっている俺達に届く。


「・・・ザック。お前は俺達ギルドに逆らうのか?・・・いい度胸じゃねぇか?」


時代劇の悪役な顔つきのモヒカンが唾を飛ばし叫ぶ。人数は5人。モヒカン3人と棘頭が2人。

悪役っぽく顔にしっかり傷がある。・・・何処で付けた傷かは不明だ。

レベルは叫ぶ男が5でそれ以外は3程度。スキルも格闘スキルが2の剣が1だ。

殴り合いの喧嘩専門なのがこのスキルでよく解る。

モブである。彼らは鉄の剣や鉄のナイフを持っていて体には鎖帷子を装備している。

そのうちの1人がレナさんの髪を掴み引き摺って表に現れた。


「ザックさん。」


ザックさんが到着した俺に気付き相槌を打った。


「ああ。さとし君か。俺は大丈夫だ・・・。エリン?エリク何故ここまで来た。」


エリンは震えながら話し出す。


「マリンが中に・・・。」


俺は教会の入口、髪を千切れんばかりに引っ張られるレナさんに目がいった。

レナさんは顔に殴られた跡があり鼻から血を流していた。俺はもう無理だった。

我慢も限界というものがある、初めての経験かもしれない。


「この女暴れやがって後で俺ぎゃ・・・。」


俺は教会の入口に走り、レナさんの髪を掴んでスローモーションで話す最後尾のモヒーのこめかみを殴り倒した。怒りで我を忘れていた・・・とはいえここまで脆いとは思わなかった。

モヒーのこめかみから先、頭蓋骨が破裂して目玉や脳漿をぶちまける結果となってしまったのだ。

俺はそこで我に帰った。初めての人殺し。思ってた以上に冷静だったのに驚く。


それよりも周りの目の方が気になった。


「・・・やりやがったな!こいつ!」


と、レベル5の男が振り返り、後ろの俺に唾を飛ばしたが、背中を向けさま木剣でザックさんに頭を殴られHPを大幅に失い失神した。

槍だったら無理だっただろう。スキルは生かさないといけない。

残り3人のモブーが後ずさる。だが体が向いてるのはザックさんの方で、俺は後ろからその1人の足に蹴りを入れる。体の四肢はHPが恐れく部位に振られているのだろう。

足をオーバーキルしたところで死ぬことはないみたいだ。

だが足の骨は砕けモブーは叫び声を上げる。それを見た2人も果敢に襲ってくると思ったが教会から真っすぐ東の方へ逃げていった。俺は追う事をしなかった。

倒れているレナさんを抱きかかえ、左手で魔法の袋からペットボトルを取り出しキャップを開け、水を飲ませた。


「大丈夫ですか?ゆっくり飲んで下さい。」


俺はレナさんの口にペットボトルを傾けた。残り僅かな水をレナさんは全て飲み干した。

残りは500mlが1本。まあ、これは仕方なしだ。

重い水を大量には持ってこれないし、万能の薬になるとも思ってないからだ。

レナさんは俺の腕からゆっくり起き上がった。顔を赤くしている。恥ずかしいのだろう。・・・俺も恥ずかしくなってくる。


「ありがとうございます。助かりました・・・。」


レナさんは頭を下げて、頭の破壊されたモヒーを見やる。

俺も見るが改めて見ると結構キツイものがある。何も考えず殴り飛ばした結果がこれ・・だった。


「掃除が大変ね?レナ。」


エリンさんが声をかけた。


「エリン無事だったのね・・よかった。だけど・・・これで西下層は戻れなくなりました・・。」


エリンさんは頷く。そこにザックさんも口を開く。


「レナ。仕方ないだろ。もうやるしかねえよ。」


絶望的な空気が流れる。だが俺は結構いけると思っていた。俺のせいなのだが・・・。

ダラダラやっていても現状かわらない。と俺は開き直る。


「エリンさん、鍛冶師と革加工師は見つかりましたか?」


俺は神妙に尋ねた。ここが恐らく肝となる。


「・・はい。元鍛冶師の方はもう・・亡くなってました。革加工師お方は存命で、もう頂いた食べ物で回復してます。」


俺は下を向く。加工師だけで鎧は作れるのだろうか?その辺の知識は俺にはない。


「革加工師がいれば革装備は作れる。道具はまあ・・必要だろうが、そういう事だろ?」


ザックさんが俺を見て頷いた。・・そういう事だ。俺もザックさんに頷く。


「そうですね。それなら大丈夫です。準備を急ぎましょう。」


俺がそう言うとザックさんが済まなそうに俺を見た。


「ところでなんだが、さとし君、兵の分で、あの食べ物が足らなくてな・・・。済まないんだが・・・。」


栄養失調でステータスを下げた兵の戦力のことだろう。


「はい。大丈夫です。まだありますから。」


欠片はまだ一杯ある。本当に欠片にして良かった。


「じゃああと10程貰えねぇか?」


10?


「ここの兵士って何人いるんですか?」


俺は慌ててザックさんに聞き返す。


「あ・・・すまねぇ。10は多かったか?・・。」


違う。そうじゃない。その逆だ。



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