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転移巫女と勇者の二大陸物語(仮)  作者: 煌清
2章 2部
45/82

45.東下層


ザックさんと兵舎の前で別れ、俺はそのまま真っ直ぐ右手に門を過ぎ東の商店街へ歩みを進めた。

すると西下層とは明らかに違う喧騒が聞こえだす。

外壁を右手に真っ直ぐ進むと北の方へ向かう街路が現れ、俺はその街路へと左に歩みを進める。

左右には食べ物や水を販売する店が立ち並ぶ。

その殆どがパンやドーナツみたいだが、右手奥の1件が店の前でジュージューと肉を焼いて販売していた。獣の肉に塩をふりかけ、串に刺し出しているようだ。その肉の値段は金貨1枚。1万円程だ。

どんな和牛もそこまではしないだろう。それもその辺の魔獣の肉なのだ。


「おう。買っていくか?兄ちゃん。」


俺は突然肉を焼いてるチンピラに絡まれた。いや違う。店員に勧められたのだ。


「いや、俺は肉を食えないんだ。」


その店員は暫く俺を見ていたが、また肉を焼きだした。


「ああ。そうかい。じゃあ消えな。」


俺はその場を離れた。このアウトローな雰囲気に馴染んでる気がしてくるのが不思議だが目的は別で、もっと北の方だった。俺が探してるのは酒場でパーティションって店だ。

更に北に歩いていくとまた道が3つに別れた。まあ簡単な交差点だ。

北、正面は飲み屋街になり朝なので閑散としていた。西は大通りが見え、大通りの向こうは西下層の寂れた光景が目に入る。

東は外壁が奥に見えるがもう一つ路地が南北に別れている。

要するに、北に6ブロック、南に6ブロック、東奥の南北2ブロックは恐らく居住区だろう。

ということは北はこの正面の通りと隣の通りしかない訳だ。

俺は商店街を抜け北に真っ直ぐ閑散とした道を歩く。

通路は2m程開かれていてグラスや酔いつぶれたモヒカンが転がっている。

俺は酔いつぶれたモヒカンも含め、ほぼ全てのステータス確認をしながら歩いている。

驚くほどにレベルが低い。

レベルは3〜5が平均的で魔力が高く攻撃力は低い。剣スキルも兵士の方が上だ。

だが素手スキルが3を超えている者が多く、こいつら剣・・要らないだろう。とも思う位だった。

当然と言えばおかしいが魔法は誰も覚えていない。・・・だが、まだ楽観視は出来ない。

この酔いつぶれている奴らこそが戦闘員だろうと勝手に高を括り、人探しの振りをして点在している酒場を覗き込んではまだ飲んでいる奴や伸びてる奴のステータスを徹底的に洗った。

俺は店の名も確認せずに頭を突っ込んではステータスの確認を繰り返した。とある大きなラウンジに入った。


「いらっしゃい。でも今、店はやってないわよ。夜に来て頂戴。」


と女性の声。他の覗いた店とは一線を画す広い店内に豪華なラウンジ。しまった。と思ったがもう遅い。


「おい。お前・・・見ない顔だな?」


――――――――――― 

ホーク  レベル10


剣士


HP  37/37

MP  18/18


攻撃力   14 + 2

防御力   13 +13

敏捷性   12 

魔法力   21

魔法防御   8


装備

素手       攻撃力に+ 2 

鉄の鎧      防御力に+ 7

鉄の籠手     防御力に+ 3 

鉄の脛当て    防御力に+ 3


スキル

剣術 レベル4

格闘 レベル2


魔法 


―――――――――――


ヤバい。えらいのに見つかった。


「すみません。間違えました。」


鎧を着込んだ青い髪、ロン毛の男がカウンターに足を乗せながら、こちらに怪訝な顔を向ける。

腰に剣を下げ鎧を着込んで酒を飲むのか・・。

とりあえず目的は果たしたし俺は逃げようと踵を返した。


「おい。何処に行く?ちょっと待て。」


ロン毛の男が立ち上がりこちらに歩いてくる。身長は優くらいはあるだろうか、細身の剣士と言う感じだ。


「はい?何か御用でしょうか?」


俺はつい答えてしまう。一目散に走れば良かったのだが追いかけられても厄介だ。

やはりこの男も魔力が高いが魔法は使えない。レベル10にしては俺と同じくらいの性能。

・・いや、若干劣る。

だが、この男はここいら魔獣達との戦闘を潜り抜けたのだろう。

他のモヒカンとは一線を画す。ホークはこちらに向かい歩いてきていて俺は壁に追い詰められた。

ドンとホークの右手が俺の顔の横壁を叩く。

・・・まさかの壁ドン。

これは逆・・いや違う俺も男だ。では更に逆・・。

俺は訳の解らない事を考え出す。明かに混乱しているようだ。


「何の用でこの街に来た?」


ホークは顔を近づける。・・近い近い。と俺は上を向き目を逸らした。


「・・これは俺からの挨拶代わりだ。」


と、ホークは突然俺のみぞおちに拳を繰り出した。せっかちな奴だ。

ドンっと派手な音がするが、ホークの素手の攻撃力はスキル足しても16。

俺は基本防御力だけで16ある。

その上、ボディに関してだけいえば防刃服、転移者補正含めれば+12の28だ。

余裕ではあるが、思い切り殴りやがって。俺は少しイラついてしまった。

栄養失調時のエリンさんやレナさんであればこの一撃で死んでいたからだ。

俺は思わず、ほくそ笑むホークの、俺のみぞおちに入った腕を掴み捻り上げた。


「あづっ・・。」


と苦悶の表情を見せたホーク。何が起こったかわからないような表情に顔色を変える。


「挨拶頂きました。それでは俺は失礼します。」


俺は一目散に逃げ出す。しまった。やってしまった。これはヤバい。



「ホーク。外から来た人間なんて今までいなかったでしょ?1人で歩いて来たのだったらヤバい奴だって考えるわよ。普通。」


ホークは下を向き痛む腕を押さえて少し笑った。


「・・・ああ。ヤバい奴なのは雰囲気で分かった。つい本気で殴ってしまって・・このザマだ。」


カウンターの奥からホークを見ながら笑う女性は煙草を1本取り、一指し指の先から火を灯し少し考えるように天井を見上げた。




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