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転移巫女と勇者の二大陸物語(仮)  作者: 煌清
2章 2部
38/82

38.初めての街


兄妹はすぐに踵を返し慌てて元来た崖を登りだした。

俺は大型のナイフを抜き取り構えた。

まずは弱い普通の種が押し寄せる。ここのセオリーなのか・・こちらの世界では弱い種から攻めてくる。強い種は後ろで待っていてくれるのだ。

スローモーションにすら見える狼の攻撃を躱し喉元にのみナイフを滑らせていく。

青い狼が2体同時に攻めてくるが、まず1体目に素手の左腕を噛ませて地面に叩きつけ、飛びかかてきた2体目の喉笛に深くナイフを差し込む。

相手のHPは25。こちらのナイフを装備した攻撃力は27。

防御力を感がみてもニ撃で倒すことが出来る。

地面に叩きつけた青い狼もかなりのダメージを負っているのが分かる。

俺は出来るだけ苦しまずにスッと首筋にだけナイフを入れた。

ゲームと違って瀕死の敵は瀕死なのだ。HP残り数%で元気よく無双出来ないのだ。

まあ普通はそうだろう。

俺はせっせと狼達の革を剥いでいく。いつか防具を作ってもらうのだ。


「あんちゃん・・・・強いんだな。」


何を言ってるんだ?偶然弱い魔獣に引きあたっただけだ。


「いや。まだまだだよ。黒い奴には歯が立たない。」


俺は革を剥ぎながらエリクを見る。


「町の兵士達より強いんじゃないか?ギルドには腹が立つくらい強い奴もいるけどな・・・。」


「それは本当なの?そんな町滅んでるでしょ?」


これだけの魔獣やモンスターが跋扈してるのだ。俺より弱い兵士ばかりなんか在りえないだろう。


「町は滅んでないぞ!」


「うん。そうだね。確かに。じゃあ案内よろしくね。」


俺のあっさりした態度にエリクは口を尖らせマリンの手を握って先を歩いた。

日が昇り朝方は魔獣も少な目だが、やはり出くわす事もある。周囲に気を付け隠れながら目的地に向かって進む。

荒野を1時間は歩いただろうか?日も少しずつ登り3人の影が短くなっていく。


「あれだよ。あんちゃん。」


荒野の広陵を登りエリクが西に向け一指し指を前に出した。

ここから500mは先だろうか・・・もっと近くに見えるほど大きな街だ。外壁は高さ5m程の壁に囲まれ、更に街の北側にはまだ高い壁が辺りを囲んでいるように見える。

その高い壁のさらに北側の高台に城らしき大きな建物が見える。

まさに西洋の城下町という感じだ。門は南側にあるのだろう。


「凄い街だな・・・。」


俺はその大きな街に圧倒された。


「嫌な街だよ。」


エリクは舌打ちをする。


「帰ろう。兄ちゃん。」


笑顔でマリンがエリクの手を引いた。


「まだ街まで安心できないからマリン。兄ちゃんの手を離すなよ。」


エリクがそう言いマリンは頷いた。

目的地の城壁に向かって魔獣やモンスターに気付かれぬようゆっくりと歩を進めていく。

狼や青い蛇の魔獣が城壁の側をウロウロとしているのが眼前に見えた。が、南の城門や城壁から一定の距離を取っているようにも見えた。

南側の城門付近まで辿り着き、城門の正面50m付近に伏せて隠れる。

狼や青い蛇の魔獣達は少し離れてはいるが、まだ追いつかれる範囲にいる。

狼達はなんてことはないのだが、守りながらでは、青い蛇は少し厄介そうだ。

俺が狼達や青い蛇を見ながら考えていると、突然エリクが顔をヒョイと出し魔獣達が城門から目を離した隙を見てマリンと手を繋ぎ、城門に向かい走り出した。


「お・・ちょ・・ちょっ・・。」


俺も慌てふためき起き上がり兄妹を追う。

全力で走りながら腰からナイフを抜き取り兄妹の後ろに付く。

狼達は走ってる俺たちに気付き踵を返し走り出した。城門も開いてないんだ。これは間に合わない。

俺は兄妹を見てから狼達の方を向く。青い蛇も気付いたようでこちらにスルスルと進みだしてくる。

先に城門前に到着した兄妹は息が上がり膝に手を付き息を整えている。

俺は城門から少し離れた位置で腰を低く構え右手のナイフを強く握った。


「何やってるんだ!?あんちゃん!」


それはこっちのセリフだ。後で説教だ!


「早く。門まで。そいつらはこれない!!」


俺は驚いたが兄妹の元まで走る。

壁や門まである一定の距離に達すると狼達や青い蛇は俺達を見失ったかのようにキョロキョロとし始めた。


「知らなかったのかよ?あんちゃん。」


エリクは俺に笑顔を向け、そのエリクの笑顔を見てマリンもニッコリと俺に笑顔を向けてきた。


・・・・知らねぇよ・・そんなの。


エリクはドンドンと門を叩いた。

「誰だ?」と城門の中から声がする。


「エリクだよ。あとマリン。それと旅人のあんちゃんが1人。」


エリクが答える。


「エリクか?マリンも無事なんだな?今開ける。」


中の男がそう答えた。


俺は城壁に手を置き溜息を付いた。その時、指輪が反応する。


――――――――――――

壁  No.07


レンガ風 


色 赤茶


城の壁など


豪奢な建物などに使用できます☆


――――――――――――



「・・・・・なんじゃあこりゃー・・。」


エリクとマリンがハッと肩を震わせこちらを見た。

マリンはしっかりとエリクの服を掴んで震えている。


「・・・ごめん。何でもないんだ・・・。」


これは・・あれか?神の作りし・・というやつか?だからモンスターは入れないと・・?

アランの祠は、アランが作ったのか?・・石工にでもつくらせたのだろう。

モンスター来てたしな・・・。襲われたしな・・・。

頭を抱えていると門が音を上げ開きだした。勝手口などはなく城門は上へと1m程開き止まった。

そこから兵士が1人顔を出す。


「早く入れ。急げ急げ。」


エリクとマリンは手を繋ぎ先に入り俺に手を伸ばした。俺はその手を掴み街の中に入った。


「エリク、マリン無事だったか・・。ギルドの奴ら・・いい加減な事いいやがって・・・。」


「うん。宝石は見つからなかったよ・・。」


兵士はエリクの頭を優しく撫でた。


「ああ。それよりもお前たちに何かあればエリンさんの病状も悪化するし・・悲しむだろう?」


エリクは下を向いたが俺を見て兵士に伝える。


「このあんちゃんが母ちゃんを治せるかもしれないって!」


兵士が怪訝な目を俺に向けた。


「ちょっと兄さん、すまないが詰所までいいかな?」


エリクが顔を上げる。マリンが兵士に掴みかかる。


「あんちゃんは悪い人じゃないよ。私や兄ちゃんを助けてくれたの!」


エリクは頷く。


「ああ。本当だ。悪い奴じゃない。」


兵士は頷く。


「そうか。エリク、マリン。だがこれは決まりなんだ。初めて街に入る人には色々聞かないといけない決まりになってるんだ。それに俺は知らん奴を勝手にこの街にいれた。分かってるな?エリク。」


エリクは渋々頷いた。


「ああ。勿論誰にも言わないよ。」


俺は取り調べみたいな事をされるのだろうか?


「じゃあ中に入ってくれ。」




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