37.青い狼
俺はリュックの中の小さな箱を取り出す。箱を開け風邪薬や痛み止め、腹痛の薬などは一通り持ってきていた。干し肉一つで完結するとは思ってなかったからだ。
「今日はここで休んで明日の朝にそこの街に向かおうか。」
エリクとマリンは頷いたが沈んだ顔をしている。
「どうかしたの?元気ないけど。」
俺が尋ねる。
「うん。お母さんが心配してるかなーって思うの。」
マリンは静かに語りだす。
「でも城壁も閉まってるし今帰ってもどうしようもないんだ。」
エリクは岩壁にもたれかかる。
「そっか。でもこんなところに宝石があったりするんだね?」
俺が尋ねるがエリクは首を振る。
「俺も見たことはないんだ。ギルドの奴らがそう言ったからきたんだけど、その宝石は赤い宝石で火の魔法を宿してるみたいなんだ。」
「魔法を宿す?」
俺は聞き返す。
「そう。火の魔法を貯めて魔法を使えない人でも使えるようにする宝石みたい。」
ああ。そういえばエリアドルさんが言っていた宝玉の欠片みたいな・・・
「そっか・・・。」
マリンは岩に寄りかかりもう眠ってしまったようだ。小さい子供だ。疲れたのだろう。
俺はリュックからタオルを1枚取り出しマリンのお腹に掛けた。
「優しいんだな・・あんちゃんは。」
俺は首をかしげる。
「普通だろ。これくらい。」
エリクも岩に寄りかかり目をつむった。
「そういう人ばかりだったらよかったんだけどな。」
そういう世界なんだな・・・と俺は勝手に納得し星を見上げ溜息をついた。
「おーい。エリク朝だぞ。起きろ。」
うーーんと目を擦りエリクが起き出しマリンを揺さぶり起こそうとする。
「マリン朝だぞ。」
マリンも目を擦りエリクと同じ動作をして背伸びをする。
エリクの髪は暗い紺色で艶はなく短く切られてはいるがボサボサの髪で、マリンの髪は明るめのブルーで首の上あたりで真っすぐおかっぱに切り揃えられている。
ボサボサであるのは変わらない。兄妹でも髪色はこんなにも違うのか?と、どうでもいい疑問が頭に浮かぶ。
エリクが背中に背負った風呂敷から黒く丸いパンを出した。
「あんちゃんも食べるか?」
これが黒パンというやつか?
「ああ。ありがとう。少し貰うよ。」
3等分に分けた小さな硬いパンに齧りつき歯でバリッと引きちぎる。唾液で少しずつ柔らかくなっていくが飲み込むのに時間がかかる。
「これはお礼だよ。」
俺はリュックから干し肉を取り出し1本ずつ兄妹に渡した。兄妹は目を輝かせて齧りついた。
兄妹は手や膝に擦り傷や切り傷があったがたちどころに治っていった。
2人は不思議そうに膝や手にあったであろう傷の場所をなぞっている。
「じゃあ行こうか?」
エリク達はすくっと起き上がる。
「ああ。行こう。おかげで栄養も取れてマリンも元気みたいだ。ありがとな。あんちゃん。」
いや・・・マリンのHPは半分以下だった。
栄養失調でもこうなるのか・・。きっと辛かったはずだ・・。
エリクとマリンは手をつなぎ崖の下を覗き込み降りていこうとする。
「ちょっと待って?狼たちはいないな?」
俺は下と周囲を警戒する。
俺が先頭で崖を降り始め2人は俺の後に続いて降りてくる。
俺は辺りを見回し上の方から降りてくる兄妹にむかって背を向けたまま大きな声で叫んだ。
「お前ら登れー!一旦戻れー!」
ザッザッと足音が砂地の方から聞こえてくる。狼達は待っていたんだ。
だが青い狼は2体。普通の狼が2体。ファングウルフだ。
夜ではないしダークウルフが居ないのは好都合だ。
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ファングウルフ レベル7
HP 25/25
MP 9/ 9
攻撃力 16
防御力 6
敏捷性 14
魔力 7
魔法防御 0
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艶やかで明るい色の青い狼の魔獣が2体。
これははっきり言って・・余裕だ。
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川岡さとし レベル6
見習い剣士
棒使い
HP 28/28
MP 25/25
攻撃力 17 +10
防御力 16 +12
敏捷性 18
魔法力 11
魔法防御 9
装備
大型ナイフ 攻撃力に+4 転移者補正+2 剣技 +4
防刃服 防御力に+8 転移者補正+4
スキル
棒術 レベル1
剣技 レベル2 剣使用時 攻撃力+2 神の血統 ×2
格闘 レベル1 素手 爪使用時 攻撃力+1 神の血統 ×2
神の血統 全ステータス1.5倍
レベルアップ時上昇したステータスに1.5倍成長補正
神の血統 全スキル 2.0倍
スキルレベルアップ時 上昇したスキルに2倍 補正
転移者補正 武器防具 1.5倍
身に着けた武器防具に 1.5倍補正
魔法
キュア 使用不可
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魔獣やモンスターはレベル5までは通常の色をしているが、レベル6を超えてから青色に変わってきている。
青の魔獣達も15までは青いのだがその色も暗い青で少しずつ黒に近づいてくる感じなのだ。
黒い魔獣達の殆どがレベル16以上となる。一部元々黒いのがいるので蝙蝠のモンスターなどは見分けがつかないんだろうと思う。稀に赤もいるが・・・想像すらしたくない・・。
大型のモンスターになるとその限りではなく通常でも圧倒的な奴はいるみたいだ。そいつらの色が違えば特に致命的なので俺はステータスを全て見るようにしていた。
なので朝から昼間に出現する狼種で鮮やかな青は、もう脅威ではなくなっていた。
1体でも黒がいるとヤバかったりする訳だが・・・。




