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転生したらヤクザになっていた!?  作者: 八雲武
第2章 仕事と学生の間で
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第7話 家庭訪問

 生徒会長の家の前


「結局、来てしまった」


 生徒会長からぶっちゃけた話を聞いてから数日後、俺は生徒会長の家まで1人で来てしまった。

 取って食われたり…なんてことはないだろうけど念のために、ボイスレコーダーなどを準備をしてから家に来た。

 とは言え、俺にとって完全に敵地なので警戒しておくに限る。

 何しろ、警備の女性達が家の前に立っている俺をガン見しているからな。かなりのお金持ちに違いない。

 そのため、俺はやや緊張しながら門番に生徒会長に呼ばれたことを伝える。


「黒峰美夜子さんに呼ばれてきた黒澤恵介ですが・・・」

「美夜子様から話は聞いています。お通り下さい」

「…」


 どうやら、身体検査はしないらしい。

 これは武器の持ち込み放題じゃないか?、と思ったりもしたが怪しい行動をすればすぐに警備員が来るだろうし、サブマシンガンで暴れれば武装警備員がやって来て蜂の巣にされる。

 挙げ句の果てには、武蔵黒澤組が解体されるだろうから武器の類いは持ってこなかった。

 その一方で、能力自体を発動させやすいように動きやすい服装できたので現在の所持品は携帯と財布、ハンカチなどの最低限の物しか持ってきていない。


 何故、ここまでするのかというと生徒会長――黒峰美夜子(くろみねみやこ)の母親が議会の上院である貴族院の議員であるのと同時に、伯爵の称号を国から与えられているからだ。

 所謂、貴族ってやつだがその貴族が裏でヤクザとつながっているという情報が、世の中に知れ渡ったら俺の組織だけではなく、黒峰家にとっても不都合なはずだ。

 そのため、普段から世間一般に知られない方法で癒着しておけば、さほど怪しまれずに済む。

 しかし、男である俺が貴族が住んでいる家に入っていったら普通、この世界では怪しまれるんじゃないかと内心、緊張している。


 そうこうしているうちに、豪邸の門を潜った俺をメイドさんが建物のとある一室へと案内してくれた。


 そしてその部屋に入ると、


「お帰りなさ~い、昼ご飯にします?お風呂にします?それとも私ですか~?」

「祐子さん、そう言うのは良くありませんわ。彼も健全な15歳なんですから」

「え~?こういう時に言うものだってお姉さんに聞いたんです~」

「それ、間違ってますから」

「…なんでいるんですか、祐子さん」


 そこには、夜戦に突入しそうな発言をした尾頭祐子とその母親である尾頭百合、そして意味深な発言をした祐子をたしなめる黒峰美夜子の他に美夜子によく似た女性が席についていた。

 恐らくではあるが、彼女は美夜子の母親なのだろう。

 その顔ぶれを見た俺は、祐子の存在に脱力して緩みそうになった顔を引き締めて、空いている席まで歩いていった。

 すると、それまで喋らなかった女性が自己紹介を始めた。


「私は美夜子の母、佳代子(かよこ)と申します。あなたのことは娘から聞いております」

「俺は八岐大蛇の能力所有者、黒澤恵介。初めまして、黒峰さん」

「ふふ、別に敬語でなくても良いのですよ?」

「そうはいかん、貴族社会において俺の敬語は不完全かもしれないが一定数の敬意が必要だろう?」


 佳代子と名乗った女性が、普段通りの口調にするように求めたが俺はそう言って断った。

 こういう場は、どんなに打ち解けても一定の礼節を保つのが一般的だからだ。

 そして、それを聞いた佳代子さんも嬉しそうに頷いて話を始めた。


「さて、あなたを呼んだ理由はいくつかありますが恵介さん、心当たりはありますか?」

「佳代子さん、あなたの娘さんから聞いた範囲だと婚姻の話が上がっているらしいですが、あれは一種の冗談ですよね?」

「勿論ですとも。立場が違いすぎますから」


(やっぱり、冗談だったじゃねーか)


 俺が美夜子に対して、ジト目を向けると彼女は笑顔で返したため、本当にジョークだったということが確定した。

 理由は単純で、お互いの立場が違いすぎるからだ。

 貴族でありながら、政治家でもある黒峰家と日本を支える大企業の尾頭家、そして尾頭家と遠い親戚ではあるが、能力持ちの俺が所属している裏稼業の黒澤家。

 黒峰家と尾頭家は、日本を代表する政界と経済界の重鎮であり、顔としての役割を担っている。


 これがもし、国際的な犯罪組織と表立って関係を結べば世界中から非難の声が殺到するのは間違いないし、最悪の場合は日本との国交を断絶される可能性が高い国もいくつかある。

 そのため、婚姻なんて話はもってのほかだし、会合をするのだって細心の注意を払って行う。

 そんな紛いなりの日本を操る組織の会合だが、黒峰家と尾頭家だけの会合だったら日本の未来についての話になるし、俺まで呼ばれたとするなら1番の有力候補に心当たりがある。


「・・・そうか、もうそんな時期になるのか」

「心当たりがあるようですね」

「俺の能力チェック、という訳か」

「さすがはわかっているじゃない」


 美夜子がさすがは恵介だ、といった感じで相づちをうったが俺はそれを無視しつつ、能力チェックの記憶を能力から引っ張り出す。


 八岐大蛇の能力は、ただ単に頭や尻尾を8本ずつ出すことや細菌を使ったりするだけではなく、能力を持った人達が経験してきたことを能力に溜めておく場所でもある。

 この能力は、人から人へと渡っていく長い年月の中で数多の思いや技術を蓄えて、能力を使う人の役に立ってきた。

 俺が絶望しながらも、色んな知識を身につけたのはこれが1番大きい理由だし、次の世代に俺が経験してきたことも引き継がれるだろう。

 俺の先代だった、母さんのお兄さんの経験が俺の中にあるのだから。


 そしてそれらの経験の中で1番、印象的な記憶が能力チェックの記憶だった。


 規制云々がなかった中世から近世にかけては、自由に能力を展開することができたらしいが科学技術が発展してきた近代以降は、能力自体を自主規制してきた経緯がある。

 中には、自主規制なんて目でもないといった感じの輩もいたらしいがそう言う奴らこそ、組織から疎まれて早死にしたらしい。

 とは言え、能力を使わないとその効果や限界についてすごい能力を持っているという実感が湧かないため、定期的に能力を解放していざって時に備えている。

 そして、能力の展開を盛大にやるのは15歳になる年であり、その年からおおよそ5年周期で能力チェックが行われている。


 そのため、俺は黒峰家と尾頭家との3者面接で検討した末、8月中にはアメリカに行って能力の展開を行う。

 理由は、この世界においてもアメリカと日本は同盟国であり、敵対する大陸の国からある程度の地理的距離が離れているからだ。

 それに、日本と比べて広大な土地を持っているアメリカだと細かいことを気にしなくて済む、という点でもアメリカ行きは確定した。


 後は、組織同士でのやり取りがメインだからその日は軽い雑談と軽食を取ってから解散になった。

八岐大蛇「なぁ・・・スケベしようや」

生徒会長「何をする!やめ、あーーーー!」


と言う触手プレイも考えついたのですが、今回は保留とさせていただきます

そう言う小説ではないので。

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