第8話 準備
射撃部 部室
「体育祭か…」
5月が終わって、6月になると徐々に気温が上がってくるがそれと同時に、体育祭の準備で忙しくなってくる。
忙しくなると言っても、陸上部などの身体を動かすような部活動のメンバーであり、射撃部のようなマイナーな部活は普段通りの生活をしている。
それに、クラス単位での対抗試合になるから部活動のメンバーもある程度、別々のクラスに別れてしまう。
射撃部のメンバーも、それぞれのクラスに別れてしまうので体育祭では敵同士になる。
そして今、射撃訓練が終わって放課後のティータイムを楽しんでいる最中だ。
「恵介はよぉ、体育祭をどう思っているんだ?」
「どう、てのは?」
「恵介の場合、頭が良いのに加えて喧嘩にも強いからこんな形式張ったものなんて、必要ないんじゃないかと思ったんだけど」
「あぁ、それはな――――」
俺が体育祭に参加するのは、社会一般の高校生がどの程度の体力なのかを知りたいからだ。
八岐大蛇の能力を所有していると、圧倒的な体力と記憶力を持ってしまうため、一般常識とやらが欠落しやすい。
そのことを響子達に伝えると、響子達は納得したかのように頷いた。
「やっぱ、恵介っていかれてるな」
「はん、うちのボスはいかれて当然の能力を持っているからな」
「それでもやっぱり、強いのは良いことよ」
「すごい人がうちの部活に入ってきちゃった」
「力強い殿方は良いと思いますよ」
そんなやり取りをした後、響子達とは他愛もない話をして解散となった。
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翌日 教室
「え?アプリゲームのキャラの服装でやってほしい?」
「頼む!そのためにクラスの委員長が生徒会を説得しているんだ!」
学校に登校すると、雄一郎からそう頼まれた。
理由を聞くと、先日の喧嘩が学校内で話題になっていて、今回の体育祭で目立つ格好をすれば良い写真が撮れるそうだ。
「別に構わんが・・・それで?どんなキャラに変装すれば良いの?」
「これだ」
雄一郎がそう言って、スマホの写真を見せてくれた。
それを見ると、色や紋章は違うけど某調査兵団の格好だった。一時期、かなり有名になった巨人を駆逐する漫画のコスプレだ。
「これで・・・出ろと・・・?」
「どうだろうか」
正直に言って、物凄い恥ずかしいがこう言ったノリの良さも必要だから着るとしよう。
「オケオケ、試着するにはどうすれば良い?」
「あぁ、それはな――――」
放課後 教室
今日の授業が終わり、試しに着てみたコスプレはクラスから好評だった。
「はぁぁ、コスプレをした恵介君もかっこいいわ~」
「ホント、うまく着こなせているわ~」
「写メ撮っちゃえ~」
用意された衣装を写真を見ながら着て、クラスメイトの前に姿を現したら皆は大興奮。
代わる代わる一緒に撮ったり、ポーズを求められたりして物凄い恥ずかしかったが、皆の役に立てるならそれはそれで良しとしよう。
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夜 最寄りの駅から自宅に戻る道中
「はぁ、連れ回されて大変だった」
「そりゃそうよ~」
「それでも一緒に歩けるから良かったのです~」
コスプレをした後、クラスメイトの多くと共に学校の近くにある駅の周辺で遊びまくったため、家の最寄りの駅に着いた時には、日が沈んで空が真っ暗になってしまった。
そのため、前もって家に連絡して最寄りの駅まで迎えを頼んだら何故か、彩葉と琴音が一緒になって迎えに来てくれた。
「それにしても、何で2人して迎えに来てくれたんですかね」
「夜道に男が1人で歩いているとか、危険なことこの上ないでしょ~?」
「それに怪我でもしちゃったら大変です~」
「だからってくっつきすぎじゃないですかね」
彩葉達が来てくれたのは別に良いとして、俺の右腕に彩葉がいて左腕に琴音が来てそれぞれの身体にくっつけるように近寄ってきた。
美女が2人、それぞれの胸を当てるように身体をくっつけてくれるのは眼福ものなのだが、前世は彼女がいない人生だったから妙に恥ずかしい。
そのことで、俺がちょっと緊張しながら歩いていると、
「ふふっ、えい!(かぷ」
「わひょ!?」
「あっ、ずるーい!(かぷ」
「うぇあ!?」
と、彩葉が急に俺の耳にかみついてきてそれに乗り遅れないように、琴音も俺の耳にかみついた。
そのため、俺は二回も変な声を出してしまった。
そのせいで俺達は一旦、足を止めて彩葉達にかみつかれて耳を舐められる、という役得なのかはわからない感じを体感した。
5分後
「さ、散々、舐められた・・・」
「あ~、なめ回されて動けなかった恵介君もかわいかったわ~」
「声を上げてよがっていたのも高得点です~」
数分間、耳を中心に耳の穴まで舐められたから変な感覚に襲われて疲れた。
俺は完全に青息吐息だったのだが、逆に彩葉達は満足したかのように満面の笑みを浮かべていた。
「満足そうで何よりだけど、どうしてこんなことをした?」
「えぇ~、そりゃあ、ねぇ?」
「最近、構ってくれなかったのです~」
「あぁ…」
確かに、彩葉達とは恋人になったが俺は学業があって彼女達には仕事がある。
結果的に、お互いが関わり合える時間が少なくなってしまう。
その上。ここ数日の彼女達の仕事も多かったたために遊べる時間もめっきり減ってしまった。
それでも、休日は家でゆっくりと過ごしているし、たまに買い物も付き合っているが物足りなかったのだろう。
「あっ…」
「きゃ…」
そのため、俺は2人の腰に手を回しながらこう言った。
「んじゃまぁ、一緒に帰りますか」
「「うん!」」
2人は顔を赤らめながら、嬉しそうな返事が返ってきたため、3人で色んなことを喋って帰宅したら珠緒に腹パンされたのは内緒だ。
久しぶりに彩葉と琴音の絡みを書いてみました。
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