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第三十三話 黒部隊=変人=マッドサイエンティスト?

宣言通り大量に投稿。

結局いきなり三話連続更新となりそうです。区切りが悪いので続きは急ピッチで書き上げます。

種族説明までたどり着きたかった……orz


 


 おはようございます、皆様。

 

 昨日はテオ兄様達とのせっかくの時間をうわのそらで過ごした挙句テオ兄様御一行を見送ってからはお風呂にも入らず大きなベッドにダイブして1人で悶々と考えて終ぞ答えが浮かばぬまま寝落ち致しました。そして見事に寝坊して朝というよりは昼と言った方がいいくらい遅く起床。私ってば間抜けすぎるよ……。

 

 今日は時間も遅いので早く食べられるようにアーツの検証がてら昼食を兼ねてパンケーキを作ってみたが、どうもアーツの方が魔術より格段に魔力の燃費がいいことが分かった。

 

 今度からは積極的にアーツを使っていこうと心のメモに書き留めつつ最後のひときれを飲み込んで急いで片付けをした。そろそろカミルさんが迎えに来る時間なのだ。

 あの後、やはり私をひとりで来させるのは不安だからといってやはり迎えに来ると連絡があったのだ。なんでも、万が一にも黒部隊との接触があっては私の教育上よろしくないとかなんとか……。それで大丈夫なのか黒部隊。

 

 料理スキルのアーツの【乾燥】を食器にかけて乾かし元の場所にしまい終えたところで丁度トントンとノック音がした。今更思うが、スキルのアーツとはなかなか応用が効くので便利だ。

 


 「はぁーい。こんにちは、かみりゅしゃん」


 「こんにちは、フィオーネちゃん。準備は出来ているかい?」


 「あい!」


 「元気がいいね。それじゃあ行こうかフィオーネちゃん、失礼するよ」


 「う? ……のぅあっ」

 


 失礼するよ、と言われた意味が分からずに首をかしげていると、カミルさんに頭をぽすぽすされてそのままもう片方の腕で抱き上げられた。すごい。これぞ研究員って見た目なのに私を片腕で抱き上げられるとか思ったより力持ちだ。

 あ、でも今の私は平均よりも軽めで低めな3歳児だからそこまで重くもないのか……? うーん、わからん。

 


 「フィオーネちゃんは自分のステータス見れるんだっけ?」


 「あい。ぎふとの、かんてーがんのおかげでしゅ」


 「今更だけど、それってだいぶ反則技だよね……。フィオーネちゃん、そのことを黒部隊の人には絶対話したらいけないよ。あいつらにバレたらきっと怖い思いをするからね。わかった?」


 「こわ……!? くろぶたいのたいいんさん、こわいひと……?」


 「あ、いや、人間性は悪くない……いや、悪いのか? 好奇心に素直で良くも悪くも研究員肌、気になることを見つけると突き進むからなぁ……。まぁ、あいつらに子供の世話ができないことだけは断言できる。だから気をつけるんだよ、良いね?」


 「あいっ!!」


 

 良くも悪くも研究員肌……。オブラートを外してズバリ言えばマッドサイエンティストチックなんですねわかります。

 たった今絶対に話さないと誓って元気良くお返事です。だって私まだ死にたくない。

 


 「かみゆしゃん?」


 「……ん? どうしたのフィオーネちゃん」


 「えっと、どこにいくでしゅか?」


  

 うっかり私が聞いた質問が地雷だったのか、視線がどこか遠くへ旅立っていった。このままでは話済まないのでカミルさんの顔を慌てて覗き込んで強制的に現実に呼び戻させてもらう。ほんとに何をしたんだ黒部隊。絶対に黒部隊絡みでしょ。

 


 「黒部隊の執務室へよったら戸籍をつくってその後に身分証明書を発行しに街の冒険者ギルドへ行こう。王家も後ろ盾になるからその書面も身分証明になるといえばなるんだけど、かなり目立つから目立たないように……ね。わかった?」


 「あい!!」


 

 なんてこった、まだ考えが足りなかったか。

 話を聞きながら推測するに冒険者ギルドに行けば身分証明書の代わりになる何かが貰えるらしい。ゲームなんかでいえばギルドカードみたいなやつだけどどんなのだろう。すごい、異世界っぽい。

 


 「ほら、もうすぐ着くから少し静かにしていてね」


 「あい、しずかにしゅる」


 「良い子だね。……【ステルス】」


 

 カミルさんの魔力が私を含め周囲を包み込み、うっすらと透明な膜をはった。感じた魔力がかなり少なかったからおそらく魔法とは別のスキルのアーツだろう。

 ユラリと蜃気楼の様に景色が時々揺れて面白い。思わず手を伸ばして膜に触れようとしたらカミルさんに止められてしまった。

  


 「ダメだよ、破けてしまう。着いたら触らせてあげるからそれまで我慢して、ね?」


 「う、……あい」 


 「良い子」


 

 することもないので歩きはじめたカミルさんをじっと見つめていたら、視線に気づいたのか静かに笑いを零して私の頭を撫で、その手をそのまま口に持っていくと人差し指を立てた。どうやら静かにするんだよ、と言いたいらしい。私何も喋っていないのに。

 どうやら【ステルス】とは認識阻害系のアーツであるらしい。そこまで黒部隊(やつら)に私の存在を知らせたくないのだろうか。でも前のステータス測定のときに注目はかなり集めてしまっているから無駄な悪足掻きだと思わなくもない。なって気休め程度だろうか。 

 

 そんなことをつらつらと考えつつ言われた通りに口を閉じて大人しくカミルさんに抱っこされて運ばれていると、しばらくしてうっすら見覚えのある扉の前を通り過ぎた。前に来た時は気付かなかったけれど扉の横の壁にはちゃんと『黒部隊』と書かれた木の札がかかっていた。どうやらここがカミルさんが執拗に警戒する黒部隊の研究室(変人の巣窟)らしい。

 黒部隊に所属する隊員の全員がこの研究室に来る時には黒いローブを羽織っているそうだから、この周辺で黒いローブの人間を見たら黒部隊の隊員でまず間違いないそうだ。つまりロンドさんとカミルさんを除く黒いローブの人に気をつければいいんだね。

 

 そんな黒部隊の研究室の前をこっそりと通り過ぎてその部屋の2つ隣の部屋の扉の前にカミルさんが立ち止まった。どうやらここが前に来たロンドさんとカミルさんの執務室らしい。

 1つ隣の部屋じゃないのかと不思議に思っていたら1つ隣は資料室だよと口パクで教えられた。資料室は研究室とも執務室とも繋がっている……らしい。口パクなのでかなりフィーリングで聞いている所があるので間違いがあるかもしれないが多分あっているはずだ。そう言えば前に研究室の前にうろついていた時に連れてはいられたのは資料室だった……かも? 前に通った時は号泣していたので周りの景色など見ていなかったからなぁ。

 …………素直に言おう、記憶にございません……。

 


 

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