第二十六話 時間が戻るのならば軽率なあの時の自分を殴りたい
お待たせしました。第二十六話です。
あははは…、と乾いた笑いをする2人に薄ら寒いものを感じて、少し強引だがこの後の魔宝石の所有権についての話題に変えさせてもらった。
このままの空気は寒すぎて私が耐えられないよ。
この2人がこの表情とか、一体黒部隊と青部隊は何をしたんだろうか。
……怖くて聞く勇気なんてないけど。
「魔宝石の所有権をこちらに移したい……? それは願ってもないことですが……。……少々ややこしい事になりそうですね……」
「なんで? あげうよ?」
「あげるって……、ん?もしかしてフィオーネちゃんは無償で魔宝石をこの国に譲渡したいって言ってるの?」
はっとしてカミルさんが私に聞いてくる。
もしかしなくてもそうです。
等価交換なんてしたくないです。
だってトラブルの元になることはわかりきってるんだもの。
「あい」
「んー、そうかぁ…………」
ん? 何でだろう。
カミルさんの返事がすごく思わしくないような……?
……今更気づいたんだけど、無償で譲渡してもトラブルが起きそうだな。
もしかして、どっちにしろトラブルは起きるのか。
……なにそれ面倒。
「フィオーネちゃん、それは…」
うーん、と微妙な顔でカミルさんとロンドさんが唸る。
やはり、無償で譲渡するのはいろいろとまずかったらしい。
「トラブルを避けたくてそう言ったのでしょうが、それはそれでトラブルを招きそうですね……」
……やっぱり、この案も却下だね。
他の案を考えないとダメそうだ。
「それに、国宝級の物をそう簡単に受け取る訳わけにはいきませんしねぇ……」
「しかも無償ときたら、国に忠義を立てるような大義名分もなしに受け取るのはちょっと難しいんじゃないかなぁ……?」
ですよねぇ。
最初からそんなに上手くいくとは思ってなかったよ。
……けどここまで八方塞がりとも正直思わなかったよちくせう。
もうヤダこの世界に転生してからトラブルにあってばっかりな気がする(自業自得)
「……あぁ、でも買い取ることならギリギリできるんじゃないでしょうか。流石に大金なので一括払いではいどうぞとはいきませんが。それに一気に渡されても使いきれないと思いますし」
……分割払いではいどうぞでも正直使いきれないような大金だと思うのですが。
ロンドさん実は金銭感覚麻痺してるんですか?
それに一気に渡されても使いきれないと思いますしって、使い切る以前にどうやって保管するんですかそんな大金。私ただの居候ですよ。そんな大金を守るような厳重な警備なんてどうすればいいんですか?
というか使い切ること前提ですか?貯金するという手段は頭にないんですか? ロンドさんは慎重派だと思ってたんですけど実はいきあたりばったり派だったんですか?
……え?
ツッコミどころが多過ぎて頭がついてこなくなったんだけどどうすればいいのこの状況。
何処かの国の宇宙人に攫われたときの保険みたいな払い方でない限り絶対に使いきれないような大金だと思うよ。
少なくとも、私は絶対に使いきれない。
……ってことで提案させていただきます。
「おかねのかわりに、ほかにょことにゆうずうをきかしぇてもりゃうことって、かにょうでしゅか??」
減額を希望いたします。切実に。




