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第二十一話 やんちゃな王子様

 



 こんにちは、皆様。

 現在絶賛現実逃避中のフィオーネです。


 私の家に駆け込んできたエレンさんが、驚きの情報をもたらしてくれちゃいました。


 テオ兄様とフェリ兄様、一体どうしてくれよう。

 あれかな、こちらの世界には相手の予定を考えて行動するという常識が無いのか。


 とりあえずエレンさんに了承したと伝えて、急いでご飯を作りにかかる。

 断れなんてしないよ。

 二人とも仮にも王子だしね。


 パンに切れ目を入れて、自家製ベーコンと玉子をフライパンで目玉焼きにして、出来たものをはさんで自家製マヨネーズを上からかけて。

 ほうれん草を茹でてミルク、コンソメスープと一緒に鍋にぶち込んで風魔法で出した空気の刃でペースト状にしながら、火にかけて。

 火にかけてる時間?

 時魔法で短縮です。時魔法は偉大なり。


 とりあえずテオ兄様とフェリ兄様が来るかので、もう一品デザートを増やすことにする。

 ……アイスクリームとかでいいか。


 まず、用意するのはミルク、卵黄、砂糖、好きな味のジャムです。

 ジャムで今手元にあるのはアプル(林檎)のジャムとベリゴ()のジャムだ。

 今回はベリゴで。


 あとは、卵黄と砂糖をボウルに入れて混ぜて、ミルクを火にかける。

 さっきボウルに入れて混ぜたものを2つの容器に分けて入れて、片方はそのまま、もう片方はベリゴジャムをいれて混ぜて、あとは冷却魔法をかけながら30分ずつ時間をすすめて、進める度に混ぜて……を4回ほど繰り返して完成。


 あとはできたものをお皿に盛りつけて、アイスクリームだけ冷蔵庫もどきに放り込んでおく。ついでに30分程はとけないように、念には念をいれて時魔法で時間を止めておく。


 さて、これで準備も終わって一段落、というところで、おそらくだがテオ兄様とフェリ兄様のが来たのであろうことを告げるドアのノック。

 なんとか間に合ったらしい。


 がちゃりとドアが開いて、かってにテオ兄様とフェリ兄様が部屋へ入ってきて席についた。

 私まだ何も言ってないんですケド……。


 「フィー、おはよう」

 「…フィー……、……おはよ…」

 「おはようでしゅ、ておにぃしゃま、ふぇりにぃしゃま。でも、ごはんのまえにすこし『おはなし』があるでしゅ」

 「う゛え゛!?」

 「……え゛?」


 えぇ、すこぉーしだけ『O☆HA☆NA☆SI☆』、しましょうか?

 ニッコリと微笑んでそういえばカチッとテオ兄様もフェリ兄様も固まってしまった。


 ……反省、してくださいね?




 ✳✳✳✳




 5分程テオ兄様とフェリ兄様と『O☆HA☆NA☆SI☆』すれば、二人ともちゃんと理解して、絶対にもうしないと誓ってくれた。


 分かればいいんだ、分かれば。


 しっかりとテオ兄様とフェリ兄様にお灸を据えたあとで皆で席につく。

 さぁ、朝食の時間ですよ!!


 今回も毒見を兼ねて護衛さんふたりにも朝ご飯をだした。

 仕事中なのであまり話しかけたりはしないけれど、美味しいと呟いているのが聞こえたので、お口にあったようでなによりだ。


 「……やっぱり、フィーの作る物はうまいな。でも、こんな料理は見たことも食べたことも聞いたことも無い」

 「フィーの料理って…不思議……」

 「そーなんでしゅか?」


 なんせ異世界の料理だからね。

 この世界で作れるのは私だけだ……と思われる。

 いや、でも地球からこの世界への転生者、転移者が私だけとは限らないしね。

 地球からってのを考慮しなければ、転生者、転移者は結構いたりして。


 「あ、でざーともつくってましゅ」

 「クレープッ!?」

 「ちがいましゅ。きょうはあいすくりーむっていう、おかしをつくってましゅ」

 「アイスクリーム……?」

 「あい! みるくとたまごとさとうをまぜて、ひやしかためたおかしでしゅ!! あまぁくてひんやりしてておいしいんでしゅよ」

 「そうか、デザートが楽しみだな、フェリ!」

 「…そう、だね…たのしみ……!」


 ふたりにデザートがあると伝えると、急いで食べはじめた。

 反応からしてこの前のクレープが相当お気に召したみたいだ。

 アイスクリームも楽しみにしてくれているらしい。


 ……そろそろ、デザートだしても良いかな?

 冷やしていたのを取り出してお皿に盛りつけて、ふたりに出してあげると、食べる前から「おかわりある?」と聞かれた。

 もちろん、と苦笑しながら答えを返せばふたりともそれぞれ反応は違うが喜んでくれていた。

 テオ兄様はおっしゃー!と大声で叫んでいたし、フェリ兄様はあまり表情は変わらないけど、なんかフェリ兄様のまわりの空気だけ花のエフェクトが飛んでる気がする。もちろん比喩だけど。


 たわいもない話をしながらご飯を食べて、そろそろデザートをだそうと立ち上がる。

 キッチンに移動すると、冷蔵庫もどきからアイスクリームを取り出して人数分の取り分ける用のまん丸いスプーンと人数分のお皿とスプーンと一緒に机まで運ぶ。

 持ってきたボールからベリゴ味と似非バニラ味(バニラは入っていない)の二種類をお皿に盛りつけて全員に渡せば、みんな喜んで食べてくれた。

 ただ、五人いたからといって全部食べるのはちょっと体によくないと思う。


 とくにテオ兄様はどちらも2回づつおかわりしていた。

 お腹壊すよ……? 私責任持たないからね……? ちゃんと注意したからね……?


 「そういえば、フィーは午後からなにか予定があるか?」

 「……よていでしゅか? きょうは、としょかんにいってみようとおもってまちた」

 「それじゃあ、ついて行ってもいいか?」

 「いいでしゅよ。ぜんせん、かまいましぇん」

 「それじゃあ決まりだな!」

 「……テオ、午後からは、たしか、剣術の稽古が、あるでしょ?」

 「それまでには帰る!」

 「……それなら、いいけど」


 どうやらテオ兄様とフェリ兄様は午後からは剣術の稽古がある様子。

 どんな感じなんだろ。もうちょっと仲良くなれたら見学させてもらえるように頼んでみようかな?






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