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第十五話 迷子の迷子の子猫ちゃん~♪



さて、リリーさんとお買い物をしておやつを買ってお城に帰ってきました。

お城では色々と説明を受けたんだけど、全部話すと長ったらしくぐだぐだするので割愛する事にして、必要なことだけ報告しておこうかな。


まず、私の部屋には寝室以外にも書斎、ロフト、キッチン、リビング、空き部屋ひとつと物置があるそうで、全て自由に使っていいらしいです。


あと、料理するなら、お城で使う食材を置いてある食材置き場に行ったら材料がもらえるように手配されているとのこと。

なんと無料で使い放題のようです! やったね!!


他にも私も使えるように手配された図書館もあって、リリーさんに渡してもらったカードを見せればなんと貸し出しも自由なんだそう。

期限は3週間で超過すると2週間貸出できなくなるから気をつけるようにとのこと。

……気を付けよう。


そんな調子で案内してもらって、図書館前で解散したあともあちこち見てまわっていたのですが。


…………完全に迷子です。

あっちゃぁ~。

こんな事になるならリリーさんについてきてもらうべきだったよ。

まぁ、歩いていれば知ってるところに出るかもしれないし適当に歩いとこーっと。



 「まいごのまいごのこねこちゃん~あなたのおうちはどこですか~♪」



迷子といえばこの曲だよね。

いぬのおまわりさん。



 「おうちをきいてもわからないーなまえをきいてもわからないーにゃんにゃんにゃにゃーん♪」


 「お前誰だ」


 「にゃんにゃんにゃにゃにゃぁぁーーーー!?」


 「うわぁっ!!」



いきなり後ろから声をかけられて驚いてその場で叫んだ。

びっ、びっくりしたぁ…。話しかけてきた少年も声に驚いたようでさっと2、3歩私から離れた。すまぬ少年……。

後ろから声をかけてきたのは7歳~8歳くらいの少年だ。

金髪碧眼の美少年。カラーリングが魔王様とそっくり。フラグかな?(震え声)



 「だっ、だれかいたぁーーーっ!!」


 「それはこっちのセリフだ馬鹿」


 「ふぁっ!?」


 「……それで、お前は誰なんだ」


 「うぇっ……えっと、きのうからここのおしろでおせわになっているふぃおーねといいましゅ……」


 「オレはここの王子で、テオドールっていうんだ! 偉いんだぞ!! ……それで、フィーはいくつだ?」


 「(いきなり愛称…)えっと、さんさいでしゅ……」


 「そうか、オレは7歳だから、オレの方が年上だ!!」


 「……ておどーりゅ(・・)さま?」


 「…………テオでいい。何ならお兄様でもいいぞ!」



にやっと笑って冗談交じりにそんなことをいう少年。

だが、3歳児に冗談は聞かないのだよ? ふはははは、覚悟するがいい。くらえ、幼女の笑み!!



 「ておにいしゃま!」


 「っ!!」


 「ておにいしゃま……じゃ、め?」


 「……べ、別にそれで、いい」



とどめに涙目で(背が低いので必然的に)上目遣いで聞くとふいっと顔を背けてしまった。

ちぇっ。

 それにしても、自分でお兄様でもいいぞ、とか言っておいて呼ばれると照れるのか。……なるほど、これがツンデレというものか。可愛いね。



 「ところで、ておにいしゃまはふるいりょうのばしょが、わかりましゅか?」


 「?」


 「まいごになって、おうちにかえれなくなりまちた………」


 「あぁ、なるほど。わかるから送っていってやってもいいぞ?」


 「おねがいしましゅ、ておにいしゃま」


 「任せておけ! 俺はお兄様だからな!!」



 なるほど、頼られたり慕われるのが嬉しいお年頃か。扱いやすくて大変嬉しいね。うわ、私ってば腹黒い。目の前に純粋の塊がいるから余計に汚く見える。大人ってば汚いものなのね……。


ここで、頼む時にポイントなのはテオ兄様(・・・・)と呼ぶこと。

これくらいの歳の子にお兄ちゃん呼びでいくと、だいたいの子が小さい子の面倒を見てくれます。

庇護欲ですかね? 大変べんr……げふん、大変可愛らしくてよろしゅうございましてよ。口調がおかしい? 気のせいだ。


案の定テオ兄様も私の手をとって、あっちだ、こっちだ、ここを曲がる、ここはまっすぐ、などと言いながら古い寮まで連れてきてくれた。道順まで説明してくれる仕様です。テオ兄様ってば優しい。

これでひと安心だ。



 「ておにいしゃま、あいがとー」


 「あぁ。フィーはここに住んでいるのか?」


 「あい、きのうからここにすんでしましゅ」


 「そうか、時々遊びにきてもいいか?」


 「あい! でも、いないかもしれないでしゅよ?」


 「その時はおとなしく帰る」


 「じゃあ、ておにいしゃままたね、なの!」


 「じゃあな、フィー。また来るからな!!」


 「ばいばーい!」



ぶんぶん手を振ってお見送りすると、それに返すように手を振ってから、サッと前を向いて駆けていってしまった。

また来るんだって。

やった、初めてのお友達(候補)だよ!

やったね、フィオーネぼっち卒業(予定)だよ!


そう言えば、食堂のご飯あんまり美味しくないんだよなぁ。自分で作ろうかな……。

じゃあ、1回キッチンを下見して、材料をもらいに行こうかな。


ちゃかちゃっかちゃっちゃっちゃっ♪

ちゃかちゃっかちゃっちゃっちゃっ♪

ちゃかちゃっかちゃちゃちゃちゃちゃーん♪


 ……今度は鼻歌を誰にも聞かれないように気をつけねば。この世界にはない曲だから聞かれたら困るもんな。




因みに何故あんなところに王子がいたのかと言うと、お勉強の休憩時間に護衛の隙をついて脱走してきたからでした。

だがしかし、本当にひとりかというとそうではなくて、隠密兼護衛が数人ついています。

そして彼、王子なのでなんとあの魔王様の息子だったりします。

ちょっと俺様入ってますが、そこは主人公が矯正してくれるでしょう。(たぶん)


因みに最後にフィオーネが歌っていたのは3分で終わるお料理のOPです。そうです。あの有名なヤツです。


2017/03/11 加筆修正

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