第十二話 私のステータス part2
やっほー! ふぃおーねちゃんさんさいです。
現在ジェイドさんとステータスを測りに行った先で、何故か胸までとどく薄い縹色の髪をひとつの三つ編みにして左からたらしたアメジストのような綺麗な紫色の瞳の、実にお顔の整った青年にお説教くらっています☆
いやー、美人が怒ると本当に怖いんだね(遠い目)
……どうしてこうなった。
因みにまだ魔力やら属性やらは測定しておりません。
何も壊していません。つついてすらいません。私は無実だ。
ネタばらしすると、ジェイドさんがどうやら私の魔力量と適正属性を測定をする事を報告せず、いきなり来たからだそうです。
つまりアポを取っていなかったんですね。
報告・連絡・相談は忘れちゃダメだよジェイドさん。
おかげで私まで巻き添えくらってます。動いたら怒られそうな雰囲気です。
それゆえに一緒になって怒られています。
私が何をした……。
さて、そんなこんなで怒られはじめて30分。
ついに私の前に救世主が!
相変わらず怒られている私を助けてくれたのは、長めのショートカットの黒髪に黒眼のメガネをかけた青年でした。女性が十人いれば十人中六人が振り返るくらいの中の上ぐらいのお顔ですな。つまり、フツメンというには顔が整いすぎているがイケメンとまではいかないという感じだ。
うむ、実に中途半端だ。そしてわかりにくい。
そんな彼は私の横にくると、私の手をひいて近くの椅子に抱き上げて座らせると、ホットミルクを渡してくれた。美味しい。
「君が噂の女の子かい?」
「うわさ、でしゅか?」
「いや、何でも魔の森に置き去りにされた女の子が保護されたらしいって皆が噂していたんだ。この城内の古い寮に住むことになったんだって?」
「あい。ふぃおーねっていいましゅ。よろしくおねがいしましゅ」
「うん、僕はカミルだよ。ここで副隊長として働いてるんだ。よろしくね、フィオーネちゃん」
「あい!」
ホットミルクをちょびちょび飲みながら、助けてくれた青年…もといカミルさん――自己紹介してもらった――の質問に答える。っていうか、もう噂になってるんだ。 皆さんお耳がはやくていらっしゃる。
「そう言えばフィオーネちゃんは適性属性と魔力量を測りにきたんだよね?」
「あい。でもね、わたしかんていがんあうからわかうよー?」
「あー、ギフトの? でもね、このこの魔術適性や魔力量はこれくらいでしたよ、ここで測ったよっていう証拠になるから、今回は測定しようね?」
「あーい」
なるほど、自己申告は信用できないものね。
ぴしっと手を挙げてお返事すると、「いい返事だね」とカミルさんに頭をなでられる。
いい加減幼女の演技にも子供扱いもなれてきたよ。
あとカミルさん見た目中途半端とか、わかりにくいとか言ってごめんなさい。
中身がもろイケメンでした。黒眼黒髪メガネで冷たそうだけど優しいイケメンとか私得ですありがとうございます。
嬉しいのでにへらっと顔の筋肉総動員して頑張ってみた。
「ありがとなのー」とお礼つき。どうだろう、これで笑っているように見えるかな?
するとピシッと場の空気が固まった。失敗したのかな?上手くいったと思ったんだけどなぁ。
皆顔をおさえてあらぬ方向を向く。そんなに酷い絵面だった? あるぇー?
『ぶふっ!!』
誰かが吹き出す音が続いて聞こえた。
音の方を見てみるとみんな顔を背けて肩を震わせている。
そうか、そんなに面白かったか。
ほーら、言ってごらん? 私、おこらないから。ね?
じとーっと見ていると、フリーズしていたカミルさんが、ハッとして、何故か私の視界を塞いだ。
何で???
「なんでー? みえないよー?」
「しっ、見ちゃいけません!」
「うー?」
わからずに首をかしげると、またも『ぶふっ!?』と音がした。
やっぱり私は面白いと思われてるんだね!? そうなんだね!?
ムスーっとしていると、カミルさんが私の視界を塞いでいた手をどけて、私を抱っこする。
「ほらほら、そんなに怒らない怒らない」
「むう……」
「ほら、そんなにむくれないの。ほっぺもふくらませない」
「むう? …………ぶふぅ」
怒ってますよーとほっぺたをふくらませて抗議してみるとカミルさんに潰されてぶふぅと間抜けな音がした。
またまわりで『ゴフッ』とむせるような音がしたけど、もう知りません。ふんだ。
「それじゃあ測りに行こうか。あっちだよ」
「う? あーい」
身体年齢に精神年齢が引きずられてるんじゃないかって?
気のせいだよ気のせい。ただの気の迷いだよ。
…ほんとだよ?
ところで、怒られっぱなしのジェイドさんは助けなくてよろしいんですか?




