2話
個人的には納得いかないので後々改編かも
歌の途中にでる()は主人公の行動です
朝の練習時、オルトが言う。
「どうやらきな臭い動きがあるようでな。時間がないかもしれん。今回は試験とする。」
「えー、どのような?」
「ルールはそうじゃな、トラップの対処は自由、卵はスキル使用ありにしようか。我をとっ捕まえれば終わり。これで行くか。」
「あー、師匠?トラップはありがたいんですが、スキルありの意味ありますかね?」
「やり方次第だろ。」
<鬼眼>の幻術は相手の目を見なければならない。だが秋人ではまだオルトの目を見る事が出来ない。オルトは相手を見ずにナイフを投げるなど簡単な事なので見る機会は少ない。有一の救いは相手の気脈が見えるので隠れていたとしても見る事が出来るので気配を読まなくてもいいことだろうか。ちなみに卵とは毎日卵を運ぶ事からついた。正確には”半熟卵”だ。
「お主、隠してる事あるな?」
「へ?」
「それも使えよ?毎晩隠れてシコシコしてるんじゃろ?」
「その擬音語やめてください!」
「隠れてソコソコしてるんじゃな?」
「コソコソです。それじゃあ一人で結構な数やってるみたいじゃないですか…」
「しとらんのか?」
「し・て・ま・せ・ん!」
「まあいい。で、試験始めるぞ。本気出せよ、卵。」
「頑張ります!」
「ふむ。まだまだじゃの。トラップは好きにしてよいと言うたのじゃ。利用せんでどうする。」
「……そこまで…余裕……ありません。」
「これぐらいでへたれてどうする?なんのためのランニングじゃ。」
「いつも……以上に…攻めてきた……くせに。」
「良かったのは新魔法?のようなあれだけじゃな。どうやった?」
「…研究成果をあっさり言うわけにいきますか。」
「これこれ。お主は弟子じゃろうが。ほれさっさか教えてたもれ。ほれほれ。」
「あんた、それで興奮して手加減しなかったな!つーか忘れただろ!」
「はて、なんのことやら。まあ時間が足らんか。飯に行くか。」
「まだ体力戻ってないんですが…」
「おお、卵や卵。せめてあれの名前を教えてくれんかね?」
「……”早九字”ですね。」
「ふむ。まあ精霊魔法が使えないに等しい卵には重要だったか。」
精霊魔法は精霊に頼むだけなので早く済むため、詠唱よりは断然早い。問題は強弱を正確に伝えられない事とコントロールできないことだ。精霊魔法が適正ではない秋人にとってスピードは重要な要素だった。
朝の連絡時、キジンが告げる。
「帝国が動き出してるらしい。そこで、だ。エスタ、バレット、坊主は世界見て来い。」
「…」 「団長!見習いはともかく俺は参戦でいいじゃないっすか!」 「は?」
「正確には情報収集だな。帝国が新兵器でも開発してたらたまらん。」
「そんなん卵とか情報屋で十分でしょう?」
「戦争やってる間に情報屋に行けるか解らん。外側の状態をいつでも確認できるようにしていないと籠城もできん。」
「スカウトのみなさんなら大丈夫でしょう?」
「戦争ってのは数だからね。さらに偵察がいなきゃ私達はろくに進撃出来ないのさ。バレット、解れ。」
「…はい。」
「あのー、戦闘力はともかく生活面でかなり不安なんですが…」
エルがたしなめる中、秋人は聞くバレットはテントなど張る事は出来るのだが不器用でかなりの時間がかかる。ティエスタにおいては論外である。つまり全て秋人がやることになる。が、そこは考えてがあったようだ。料理人エニイが答える。
「さすがに大変だと思ってね。マミルさんに頼んでおいたよ。」
「我が愛しの妹なら大丈夫。」
「マミルさんですか。」
「テメーらの出発は一週間後とする。マミル嬢ちゃんは5日後に到着するってよ。」
キジン傭兵団はイーストからブルグに移動していた。よってマミルは移動に時間がかかる。今出来る事は長期移動の準備。
「帰る基準はなんっすか?世界見るって言ったって規模が滅茶苦茶すぎっすよ。」
「帝国以外の国は全部見て来い。まあ出来れば帝国も、だな。」
「へーい。」
準備1日目はリストアップと手持ち資金の検査、と買い物。2日目も買い物をしていた。秋人は卵を背に紐で縛りおぶりながら、荷物を歌いながら運ぶ。
♫ ある日パパと二人で銀行強盗 右手に弾薬、マシンガン 左にバズーカ
グリーングリーン 青空には札束が舞い グリーングリーン 丘の上にはララ別荘そびえる ♫
替え歌で楽しんでいると少年(8)が聞いてくる。
「なあ兄ちゃん、何歌ってんだ?他に歌あったら教えてくれよ!」
「ん~、今買いも…お?ちょ~っと待ってろ。」
道中で泣いている女の子を見つけた秋人。すぐ近くで経営している肉屋の店員に聞く。
「なあ、あの子って何で泣いてんだ?誰も話しかけないしさ…」
「あん?この道で泣いてんならお仕置きじゃねえか?家に入れてもらえねえとかでここにいるとかよ。」
「じゃあいつからここに?パッと見、迷子なんだけど。」
「仕事してっから正確じゃねえけど……おいおい4時間はいんぞ。」
「ふう…しゃあないか。……鏡貨してくんね?」
「悪いが、手鏡は店においてねえや。」
「坊主、歌教えてやっから鏡貨してくんね?直ぐ返すからよ。」
「母ちゃんに聞いてくるけど、たぶんいいのは貨してくんねえぞ?」
「ああ~、たぶんそっちの方が好都合かも。」
「んじゃ、取って来る!歌忘れんなよ!」
「なあ、どうすんだい卵の坊主?あとなんで運んでんだ?食うのか?」
「食わねえよ!ちょっとしたサプライズかね。あと荷物ちょっと預かっといてくんね?」
「いいぞ。……食っていいか?」
「殺すぞ、中年。」
肩をすくめながらも荷物預かる店主。そして少年が鏡を手に戻ってきた。
「持ってきた!でもやっぱところどころ歪んでんぞ。どうすんの?」
「まあ見とけって。あとちょっと手伝え。歌ってやっから。」
少年に早めの手拍子を指せながら秋人は少女に向かって歌う
♫ 涙で濡れた部屋に ノックの音が転がった
(涙をぬぐいながら頭にノック)
誰にも会えない顔なのに もうなんだよどちら様?
(顔芸付きでセリフ詩に感情こめながら)
「名乗る程たいした 名じゃないが誰かがこう呼ぶ ”ラフ・メイカー”
(ビシッと自分を指さし)
アンタに笑顔を持って来た 寒いから入れてくれ」
(扉を必死に叩くふり)
ラフ・メイカー? 冗談じゃない! そんなモン呼んだ覚えはない
構わず消えてくれ そこに居られたら泣けないだろう イエーイ
(イエ―イは少年と共に 腕を上に伸ばしながら)
ルララ ルラ ルララ ルラ
大洪水の部屋に ノックの音が飛び込んだ
あの野郎まだ居やがったのか 消えてくれって言ったろう
(しっしっと身振り手振り)
「そんな言葉を言われたのは 生まれこの方初めてだ
非常に哀しくなってきた どうしよう泣きそうだ」
(泣きまね)
ラフ・メイカー? 冗談じゃない! アンタが泣いてちゃ仕様がない
泣きたいのは俺の方さ こんなモン呼んだ覚えはない イエ―イ
(イエ―イは少年と共に)
ルララ ルラ ルララ ルラ
二人分の泣き声 遠く・・・
ドアを挟んで背中合わせ しゃっくり混じりの泣き声
(泣きまね継続)
膝を抱えて背中合わせ すっかり疲れた泣き声
今でもしっかり俺を 笑わせるつもりか ラフ・メイカー
「それだけが生き甲斐なんだ 笑わせないと帰れない」
(ドヤァ)
今ではアンタを 部屋に入れてもいいと思えたが
困った事にドアが開かない 溜まった涙の水圧だ
(扉があかないパントマイム)
そっちのドアを押してくれ 鍵なら既に開けたから
ウンとかスンとか言ってくれ
(扉を必死で叩く素振り)
(気配を消し、目の前から消える。歌は継続)
どうした?おい、まさか
ラフ・メイカー? 冗談じゃない!
今更 俺一人置いて 構わず消えやがった
信じた瞬間裏切った
(後ろから肩を叩いて振り向かせる)
ラフ・メイカー? 冗談じゃない!
逆側の窓の割れる音 鉄パイプ持って泣き顔で
「アンタに笑顔を持って来た」
(ドヤァ)
イエ―イ(少年と共に) ルララ ルラ ルララ ルラ
小さな鏡を取り出して 俺に突き付けてこう言った
(ここで歪んだ鏡登場)
「アンタの泣き顔笑えるぞ」
呆れたがなるほど笑えた ♫
ちょっぴり歪んだ笑顔で少女は言う。
「私、こんなにひどくないもん。」
「だな。でも美人は笑ってこその美人だぞ。」
「うん。」
「で、なにがあったんだ?迷子か?」
「うん。ママがいないの…」
「そりゃ大変だな。探すの手伝ってやるよ。だから教えてくれ。何をするために外に出たんだい?」
「お買いもの。」
「何を買うつもりだったの?」
「お洋服。」
「お母さんいなくなっちゃた時、探し回った?」
「うん。一人はいや…」
「そうだな。怖いよな。直ぐ探すから来な。おっちゃん、服買うなら普通どこで買う?」
「二つ隣の道か、中央広場を抜けた先だな。」
「坊主、二つ隣行くぞ。道案内頼む。あと鏡助かった。」
「中央のほうはいいのか?」
「探し回ってこの道に来ちゃったんだろうけど、この子の足じゃ中央にいたとは思えなんだよね。結構時間経ってるからまだ隣にいるか解らないけどさ。嬢ちゃん、名前は?」
「ミウ。」
「ミウちゃんか。一緒に行くぞ。」
途方に暮れていた母親を見つけた一同。
「ありがとうございました。」
「ありがとう。お歌、私にも教えてくれる?」
「いいぞ。お昼にあのお肉屋に行きな。そこで教えるから。」
「ありがとー。お歌のおじちゃん!」(グサッ)
「お、おう。これからは、きをつけるんだぞ。」
立ち去る親子と、凹みながら帰る秋人。肉屋の店主が聞く。
「おいおいどうした?まさか見つからなかったのか?」
「いや、見つかったよ。でもさ、俺そんなに老けてっかな?」
身長は160になった秋人。地球の頃の13よりも背が伸びてはいるが、顔はあまり変わっていない。
「まあ、ガキじゃあ成人くらいが大人で、それより4つ上はもうおっさん認定になる子もいるからな。その子の基準次第だろ。」
「はああ…。おっちゃん、荷物くれ。牛乳いっぱいサービスくれるとうれしい。」
荷物を渡しながら店主がにこやかに一言。
「はっはっは。 俺もまだ20代なんだよ坊主。」
荷物をもらい急いで逃げる秋人だった。ちなみに歌はちゃんとした緑緑、故郷への道、涙をこらえるために上を向いて歩く歌を教えたのだった。
替え歌がなあ 青空に舞うの薬莢で 丘に見えるやつは札束の山のどっちだったか覚えてない まあ小学の時に作ったからなあ。
物語進んでないけど入れたかった。




