9話
途中からシルバーがホワイトになってた。何度もホワイトになってたから言います
シルバーですからー!!違和感あったらごめんなさい
絶句する秋人など見向きもせず、口にあるものを飲み込むシルバーライガ―。残り食べようとした時に、秋人は何も考えず、怒りのままに突撃に出た。が、突如横から手が伸び、口を押さえられ関節技で動きを封じられる。
「んーーー!ん、んーーー!!!」
抑えられつつも、何かを叫びながら進もうとする秋人。だが、抑える人を見て、顔を青くしてまた暴れながら叫び出す。
「ん!んん!んーーーーーーーーー!!」
「馬鹿!静かにしなさい!気づかれるでしょ!私はまだ死んでないわよ!」
そこには二人のマミル。秋人が落ち着くのを見ると、拘束を解く。
「で、何でいるの!応援は!まさか他にモンスターが!?」
「応援は呼んだよ。デップルが傭兵の方にも伝えてるはず…」
「どうやって?」
「筆談で。見たでしょ?出来るとこ。」
「なるほどね。で、みんなはどこよ?なんであんたが早いのよ!」
「……それは…」
「そ・れ・は?」
「来ちゃった♪」
マミルは秋人の口を押さえ、頭に肘鉄を一発。ドゴンッ 。涙目で唸る秋人。
「馬鹿よね。あんた、馬鹿よね?役立たずよね?私を殺したいんでしょ?ね?そうでしょ?」
「うう~、いても経ってもいられなかったんだよ~。二回目のモンスターでそこでも逃げても終わりなんてさ。自分は逃げて、他人任せで終わり!なんて納得いかないいだよ。」
「あのね、あんたは子供なの。危険な事に関しては、あんたに特に責任がない場合は許されるに決まってんでしょ。あれは自然に発生したものなんだから…」 ドン!!バキッ!ズーン…
マミルは呆れていると秋人と一緒に後ろからはね飛ばされた。もう一人いたマミルが押し飛ばしたようだ。シルバーライガ―が動き、3人を捕捉していた。攻撃を受けたもう一人は砂のようにかき消えた。
樹蔭に隠れながら秋人は聞く。
「どういう事なの?複数いるマミルさん。」
「私にスキルよ。<分体>一日に5体作れるの。」
「フィードバックは?」
「ん?何それ?」
「えーと、分体がダメージ受けると本体もとか…」
「ないわ。そんな言葉聞いたことないわね。」
「そう…。で、あれは何体目?」
にっこり笑いながら答えるマミル。
「あれが、最後の、一体よ。足手まといさん。」
「あー、あーー、あいつらは?」
「よっぽど役立ってるわ。臭っさい木の実投げて、鼻を潰してくれたし、耳の中に、水風船いれて破裂させたからまだ水が多少入って聞き取りにくいはずなのよ。」
「うわーお…」
「で、あんたは何が出来るのかしら?」
マミルの中で、秋人の評価がだだ下がりの中、パン!パンパン!!っと破裂した音が響き、同時にシルバーライガ―が悲鳴を上げた。覗いてみると秋人達から反対方向に向き、威嚇している。そこにいるのは3匹衆。木の上で腰を引かせながらファイティングポーズを取っている。ホワイトライガーの尻穴からは煙が立ち込めている。
「あいつら…まだ爆竹持ってたのか…。」
「何回攻撃しても、あの剛毛で防がれてたんだけどね…。あの子たちの攻撃しかダメージが入ってないわ。」
そんなことを言いながら、マミルは精霊魔法で炎の槍を形成していた。飛ばす先は…
シルバーライガーの尻穴
ガアアアアアアアアアアアアアア!!!!
すかさず悲鳴を上げる巨大猫。ついつい憐れみを覚えてしまう。
「あれならダメージが通るのね。」
「ああ…。誰にだって大ダメージだろうね。普通は…」
こちらにシルバーライガーの矛先が向いたがチップルのスキル<グロウ>が発動し、シルバーライガ―の首下から突如大木が生まれる。アッパーという形でこれもダメージが生まれたようだ。すかさず動く3匹。それを追いかけ始めるシルバーライガ―だった。
「離れすぎはやばくないですか?」
「そうね、けど急所が狙いやすいわ。」
今度は氷の杭を練成するマミル。自然と尻穴がキュッっとしまった秋人だった。が、飛ばした杭は尻尾によって弾かれた。デップルが鼻中心に物を投げる。チップル1はアッパー樹を作り出し、よろけたところに何処からかチップル2が近づき、目に何かを振りかけた。ガアアアアと悲鳴を上げるシルバーライガー。すかさずマミルが単発で攻撃するがやはり毛と尻尾で弾かれる。たまに青白い光が飛び、物を焦がす。これはライガーの固有スキルだった。電撃を避けながらもアッパーで時間を稼ぐ3匹だが、1匹のチップルが力の使い過ぎでバテ始めた。秋人は近くにあるものを投げ、精一杯気を指すことしかできない。
「もっと攻撃できないんですか!」
「ペースを考えてやらないと、逃げるだけで時間すら稼げなくなるわ!それじゃあジリ貧よ!」
「くそ!」
そこそこの太い木の枝を見つけ、突っ込む秋人。それを急所にぶっ刺した後に、胴体の下にいる時に彼は見た。とうとうチップル1がこけた。精神力を使うスキルに体力を削る必死の逃亡戦。倒れるのも時間の問題だったのだ。秋人は首の下を通り、チップルの回収に成功したが右から襲い来る腕と爪。今いる場所では爪で3枚卸しのため、とっさにシルバーライガーの首元に飛ぶ。が…
ドン!!
爪は避けたものの地面を踏みならされて出来た硬い肉球で吹っ飛ばされる。電流まで流れるおまけ付き。秋人は何回も地面をバウンドしながら木の洞に突っ込む。シルバーライガーはターゲットを秋人に変えた。徐々に近づくシルバーライガー。そんな中秋人はチップルを左腕に抱えながら立ち上がり、洞から出てきたところだった。
(こいつは無事か。くそ!腕はボキボキの上に脱臼か!左足もやばい。まあ打撲以上のなんかだな。まあ打撲は左足だけじゃないだろうけどな…)
必死で動くがもう目の前にはシルバーライガーの姿が。動く左腕でチップルを必死でターゲットを変えようと攻撃しているマミルの方に放り投げる。チップルがマミルに回収されたのを見届け、そして正面を向けばそこにはきれいに並ぶ強烈な牙。その瞬間…
頭では今までの事。そう、走馬灯が浮かんでいた。
何事も真面目な父親、怒っても恐くない母親、うるさい妹。家族について…
小学校から友達で親友と呼んでも過言ではない友達や高校で出来た友人と先輩。学校で作った思い出…
店長について愚痴を言ったり、面白い人や不思議な人について喋ったバイト仲間や客…
そして正体不明の秋人に親切にしてくれた、ティエスタやエル。傭兵団の人々…
(ああ…修学旅行いってねえや……あいつ、ちゃんとあの子に告白したんかな……店長、最後までうざかったな……
ああ…ゴメン、ゴメンよ母さん、父さん、千秋。俺帰れそうにないわ。せっかくエスタに助けてもらったのになあ…)
彼は気がつかない。胴体に何かが巻き付いた事に。そして、最初は差が縮まらず、徐々に差が出来始めている光景に。勢いよく後ろにぶっ飛ぶ秋人。視界には紫電と共に大剣をシルバーライガーに振りかざしたキジンの姿があった。
「ったく、肝が冷えたよ本当に。着いた瞬間喰われちまうなんて、やめにしてくれないかい?」
上から声が聞こえたため、見上げる秋人。そこには鞭を片手に安堵の息をつく眼帯を付けた美人。エルがいた。
「あー、それならマミルさんにも言ってください。俺来た時、あったの下半身だけでしたから。」
「ふう、その様子なら大丈夫かね。」
「いやいやいや、ぜんぜん大丈夫ではありません。全身痛くて動けません。あとすげーグロいんですからアレは。内臓全部が委縮しましたよ。」
「はいはい、治療班も来るしあと少しの辛抱だよ。」
そう言ってる間、エルは鞭を操り、叩いていく。そして矢が一斉に全方向から放たれるがすべて弾かれる。前衛の人が一斉に襲い掛かるがこれも弾かれた。応援が到着したのだ。エルが嘆きながら指揮を執る。
「硬ったいねえ。打撃の方がよさそうだね。ハンマーに切り替えな!!どうしても防がれるよ!」
「毛が柔軟で衝撃も和らげてしまうんでさあ!」
おっさん顔のハンターが答えるが、
「少しでも通った方がいい!切れないんじゃ意味がない!良くてぶっ刺さってる尻穴さ!」
言ってるそばから魔法で枝に火が引火し、爆発させるエル。
「エゲツネエェ」
「いいから攻撃する。電撃は団長が避雷針になってるから気にすんな!」
やることなくボオっとして戦闘を見る秋人。突如担がれて、町のベースまで運ばれたが呆けたままであった。シルバーライガーはというと、日が傾き始めたころにキジンが口の中に大剣を突き刺し、脳を破壊したため報酬は他のハンターより多く貰うキジン傭兵団であった。
その日の夜、キジン傭兵団では宴会が行われたいた。居酒屋でバイトしていた身である秋人は周りの雰囲気は楽しめるが今夜は色々あって無理だった。一人、夜空を見上げる秋人。雲一つなく、星がらんらんと輝く夜空を見上げ歌う。今はもう聞けないであろう地球の歌。今なら意味が深くできるかも知れない歌だった。そして今日は走馬灯という形で、思い出さない様にしていた、棚上げして棚上げして心の片隅に押しやっていたものが、地球の事を見た。
(あーあ、絶対ホームシックになるか気を付けてたんだがなあ。ははは、みんな元気かなあ。漫画どうなったかなあ。俺の立場どうなってかなあ。帰れるんかなあ…。)
色々と考え、頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。なおも歌い続けていると、後ろから抱き締められた。頭には一匹助けたチップル、他は地面に並び、上を見上げている。それでも歌い続け夜を過ごしたのであった。
その次の朝。彼は希う。
「俺に稽古してほしい。生き残れるように。迷惑かけないように。誰かを守れるように。」
―――――1章END――――
誤字脱字等見かけたら報告お願いします 一応気にしてるんですがね。




