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55.散策と再開

「フェン、今日は色んな場所に行こうな」

「クーー!!」


一層に戻りフェンを引き連れて僕は一層を探検することにした。

何も目的はなくただブラブラする予定だ。


けどその前にあれをやっておこう。


「フェンちょっとじっとしといてな」

「クー?」


そう言いながらフェンを頭の上から下ろし、目の前で抱える。


「強化」


そういうとフェンの周りに黄色のモヤが一瞬かかる。


「フェンどうだ??強くなった感はあるか??」

「クーーー!!!!!」


大きく鳴きながら飛び回るフェン。

どうやら成功したようだった。


このスキルは最多キル賞の商品だ。

僕達のチームが最多キルだったため好きなスキルをひとつ獲得する権利が貰えた。


と言っても常時獲得可能スキルと限定されていたがそれでもゲームを始めたばかりの僕にとっては嬉しい事だった。


そして僕は『モンスター強化』を取得したのだ。

りゅーさんにあとから聞いたんだがモンスター強化は四層のクエストで手に入るらしい。


ちなみにりゅーさんは見たことのないスキルを探して見つけたらしい。

レイナちゃんは『繰糸』をスーリンは『神速』を、アリサは『エリアヒール』を獲得した。


どれも聞いた話だがこの3つはかなり獲得難易度の高いスキルらしい。

りゅーさんに限っては未発見スキルだし…


もうちょっと考えても良かったかなと後悔はしているけど別にそこまで気を病む必要もないだろう。


だって僕楽しければいいし!!

それにフェンが死んじゃったら復活するにしても悲しいからフェンを強化できるスキルは僕の中ではかなり重要度が高いのでいいスキルを獲得したと思っておこう。


そんなことを適当に考えているうちにいつの間にかメインストリートの一番奥まで来ていた。

店はこの前色々見たし、料理本もまだ全部作れてないしな。


あ、そうだあそこへ行こう!!

そう思い僕は走ってメインストリートを抜けた。



「よし、着いた!!やっぱ前と違ってすごい人だな」

「クーー!!」


今僕達がいるのはソウリン湖だ。

前回来た時はイベントの途中で誰一人いない寂しい場所だったが今はとても賑わっている。


うん、賑わっている…


右を見ても左を見てもカップル、カップル。

ほとんどカップルしかいない。


「フェン前と違っていい景色だろ??」

「クーーー!!!!!クッ?クックー」

「おいフェン。どこ行くんだよ」


フェンに話しかけると楽しそうに飛び回りそしてそのまま遠くの方に飛んでいってしまった。

僕は慌ててフェンを追いかける。


スピードは明らかに僕の方が遅いのに何故か一向に距離が離れない。

そして時よりフェンが後ろを振り返りながら止まっているのが見える。


きっと僕を待っているのだろう。

そしてそのまま数分間ひたすら走り続けた。


その時だった。

目の前に突然家が現れたのだ。

さっきまでひたすら森だったのにそこにポツンと建つ家。

僕はその家に見覚えがある。


クエストの依頼があった家と瓜二つなのだ。

けど不思議なのはこの家は全く別のところにあった気がするのだ。


前はスーリンの案内で来たからはっきりと言えないがなんか場所がおかしい気がする。

そんな違和感があったがフェンは勝手に二階の窓からその家に入り込んでしまった。


仕方が無いので僕は少し入れて貰えるように声をかける。


「すみませーん」

「はいはいー。ちょっと待ってね」


そう言いながら家の中でドタバタ音が響く。

そして静かになりドアが開くとそこには見覚えのある姿の人がいた。


「あ、あなたはこの前依頼を受けてくれた人ですよね??ちょうど良かった、いまから依頼を出そうとしてたんです。良ければお話を聞いていただけませんか??」


そういうと僕を部屋の中へ案内しだす。

ぼくはその案内に大人しく着いていくことしかできなかった。

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