22.フェニックスの怒り
僕は遠くで街が炎の渦に飲まれる光景を眺めていた。
天災と言うべき程の圧倒的強さでプレイヤー達を殺している。
僕なら近づいただけで為す術なく死んでしまうだろう。なので僕は眺めることしか出来なかった。
そう思っていると次は竜巻が起こり建物の残骸がここまで飛んでくる。足元にはプレイヤーの死体が転がっているし、ゲームじゃなかったら今頃泣きわめいているだろう。プレイヤーの死体は一定時間経つと消える仕組みなので光の粒になり消えた。
そしていよいよ僕も傍観しているだけではいけないようだ。フェニックスがこちらに向かってくる。
今僕の周りには百は超えるプレイヤーがいるが軽いパニック状態になってしまった。もちろん僕もパニックになっていますが。
プレイヤーが四方八方に逃げ始める。
僕も人の流れに沿って走り、ひたすら走った。
すると前を走っていた人が止まり後ろを見た。
それがきっかけになり僕達後方組もいっせいに振り返る。すると僕達の真横をフェニックスが通りすぎて行った。
そして別のプレイヤー達が殺されていく。
「や、やめてく……」
さっきよりも位置が近いので声が聞こえてくる。
あ、今死んだ人さっき一緒に映像見た人だ。
フェニックスはプレイヤーを皆殺しにして回る。
いつの間にか僕達以外のプレイヤーが全て殺されてしまった。
僕達はもう逃げれないと悟って剣を構える。
一人がリーダーシップを取り陣形を固める。
まず遠距離攻撃できる人が一発攻撃しその後水を出すスキルを持っている人が特攻するという作戦とは言えないような作戦でフェニックスを倒すことが決まった。
僕は何一つ持ってないので壁役として先頭に立たされる。100%死ぬやつだとわかってはいてもそれ以外できることがないので黙って先頭に並んだ。
「グゥオーーー」
フェニックスの咆哮がプレイヤーを震わせる。
フェニックスがすごい速さで僕達の方にやって来ることを合図に遠距離攻撃が始まった。
「遠距離部隊撃てーー」
しかしフェニックスはスピードをゆるめることなく突進してくる。
そして次の指示が出る前にフェニックスから炎が吐かれ、間髪入れず暴風が襲う。
そして僕達は全滅したのだった。




