代表者決定
教室に入ると同時にチャイムは鳴った。
どうやら自分が最後のようだ。
まだ先生が来ていないのが救いといえるであろう。
そそくさと椅子に座る。
隣を目を向けると、ミーナがこちらを見ていた。
「ミーナ?」
「ふぇ!?な、なに?」
「いや。こっち見てたから何か用があるのかと思って」
顔を真っ赤にして手を顔の前で振る。
あたかもごまかそうとしているかのようなしぐさだ。
「な、何でもないよ」
「いや、あるだろ」
「ないって!!」
「ふーん。じゃあ、顔が赤い理由を教えてもらおうか」
ヴェロニカににた笑みを浮かべながら、彼女に迫る。
「いや、その...」
「答えられないのか?」
「うん...」
「どうしても?」
「はい...」
「・・・・・・そうか」
そういって前を向きなおす。
「え!?いいの?」
「いいのって。自分が辞めて欲しいって言ったんだろ?」
「そうだけど...」
「それに...」
「それに?」
アランは視線を前に向ける。
ミーナもつられて向くと、クラス中がこちらに注目していた。
「あ。・・・~~~~~!!」
恥ずかしさのあまり、俯いてしまうミーナ。
「あ、アラン君?その、気をつけてくださいね?」
担任のコーネルアも顔を真っ赤にして言う。
はたから見れば、ちょっと刺激の強いものだったのかもしれない。
「すみません。つい」
「つい。何ですか?」
「ええ」
唖然としてしまうコーネルア。
「お叱りは後で受けますので、お話の方を」
「え、ええ」
促されるままに、コーネルアは話を切り出す。
「今日は、交流戦の代表者を決めます」
途端、先ほどまでの教室の空気がピンッと引き締まった。
「来週の聖の日に行われますが、皆さんどうするか決まりましたか?」
この世界の暦は、七日で一つ週となっている。
この起源は当然勇者から来ており、彼が使っていた七つの
宝剣にちなんでいる。
とはいっても、その剣がどんな名前で、どんな力があるのかはわからない。
あくまで、伝承によって解るものから作っており、
速、絶、聖、巨、解、虚、そして癒の七日である。
因みに今日は巨の日である。
「先生」
一人が手を挙げた。教室中が視線を向ける。
「はい、どうしてのですか?」
コーネルアは驚いてその人物を見る。
レオナだ。
「対戦相手は」
「え、ええーっとですね」
コーネルアは慌てて、手にしていたボードを見ると、
「一番目に、エレオノーラさん。二番手にラグリット君。
最後にギース君です」
「では、一番目に立候補させていただきます」
教室がざわっとした。
「い、いいんですか?」
「何か?」
「いえ、他の皆さんがイイのなら」
教室を見ると、誰も立候補しようとはしなかった。
「では、レオナさんが一番というわけで」
教室中が拍手を送る。
しかし、そこには尊敬といったものは無かった。
まるで、憐れむようなそんな拍手だった。
「ほかにいますか?」
コーネルアが再度聞き始めた。
「先生」
また一人上がった。アランだ。
教室が先程よりも大きくざわついた。
「はい?」
「三番目に立候補します」
今日一番に教室がざわついた。
「やめておけ転入生」
レオナが立ち上がり、言い放った。
「なぜ?」
「君では勝てないからだ」
「ほう?」
「相手は『加虐者』だ。勝てまい」
「なんだそれ?」
「そんなことも知らないのか!?彼の二つ名だよ」
「そんなものがあるのか」
「相手に対して、必要以上の攻撃と、見せしめを行う生徒として有名だぞ?」
「なるほど。ひどい奴だな」
「~~!?君は侮っているのか?それとも普通にバカなのか?」
「さあ。それを言うならお前もそうだろ?」
「私は勝って見せる!今度こそ、あいつに示さなければならないのだ」
「何を?」
「お前には関係ない!!」
「おいおい。言っておいてそれは無いぞ」
「いいから辞退しろ」
「いやだね」
「・・・・・・」
即答されて黙り込む彼女に、アランはにこりと笑うと、
「気にかけてくれるのは嬉しいが、大丈夫だ。こっちはこっちで何とかする」
「べ、別に心配などしていない。あと、まるで勝てそうな言い方だな」
「ご自由にとらえてくれ」
二人が言い争っていると、終わりを告げる鐘がなった。
「え~と。とりあえず二人は決定ということで...」
どう声をかければいいかわからず、コーネルアは一応そのよう
に締めくくった。
文章が短くなっていく気がする。




