交流戦に向けて
今日は短めです
「それでー。なんでアラン君は代表になろうと思ったんだ?」
あれから授業が幾つか過ぎ、昼休みになった。
アランに話しかけてきたのは、男子だった。
「アランでいい。それで、えっと」
「エドワードだ。エドでいいぜ」
茶髪の青年はにこやかに笑うと、アランの机に両手をつくと、
「それでアラン。説明してもらっていいか?」
「しなきゃいけないのか?」
「そりゃ知りたいさ。来て二日で強敵に挑むとか不思議に思うだろ」
「そこまで不思議なことではないだろ?」
「いあいや。そりゃ不思議がるだろ。なあみんな!?」
それに合わせるように、クラスの生徒たちが頷く。
どうやらエドワードはこのクラスのムードメーカーのような役らしい。
「ふう。別に他意はないよ。理由は...」
クラス中が静まり返る。息をのむ音が聞こえる。
「・・・・・・やっぱりやめた」
「「「「「「え!?」」」」」」」
「理由言うの」
「な、なんでだよ。アラン」
「隠したいことくらい一つや二つあるってことだ」
「乙女かよ」
エドワードが突っ込むと、クラス中が笑いだした。
「好きに笑ってくれ、勝つから大丈夫だ」
この一言に、クラスが再び静まり返った。
「おい。アラン。今何て言った?」
「?だから勝つって」
「いやいやいやいや。無理だろ」
「なぜ決めつける」
「お前はあいつを知らないんだよ」
「ギースっていうやつのことか?」
エドワードはうなずくと、ディスプレイを取り出し、ある
動画を見せてきた。
「これは...」
その光景に、アランは声を失った。
ボロボロになったバトルフィールド。
地面から突き出している、無数の岩。
そしてその一つに、一人の生徒が張り付けられていた。
腕章からして、第五クラスだろう。
彼は気絶こそしていないが、もはや虫の息だった。
そんな彼の前に一人の男子が立っていた。
「こいつがギースだよ」
赤い髪と、切れ長の目、口元は孤を描くように曲がっている。
次の瞬間。ギースが魔術を放った。
それは生徒に直撃、しかし、
「なんだこいつは、急所をわざと外しているのか」
「すごいな。アラン。それに気づくのかよ」
「いや。どう見てもこれは...」
「ああ。その通りこれは一種のショーらしい」
「見世物ということか?」
「ああ、相手をいたぶっていたぶり倒す。それがあいつの戦い方だ」
「・・・・・・・・」
「おまけにこいつの魔術の威力は飛びきり強い」
「・・・・・・・・」
「いままで見てきたが、こんなにチートな奴は...ってアラン?」
エドワードが見ると、アランはディスプレイを見ながら何かぶつぶつ言っていた。
「おいどうしたんだ?」
「ん?ああ、ちょっと考え事を」
「大丈夫か?」
「うん。そうだな。ちょっと考えてみるわ」
「そうか。無理すんなよ」
ちょうどお昼終了のチャイムが鳴った。
それと同時に、エドワードたちは自分の席に戻っていく。
ここで、相互に誤解が生まれていた。
アランからすれば、こいつをどう倒すか考える、という意味で言ったのだが、
エドワード達は、この代表を降りるか考える、と受け取ってしまったのだった。
それぞれがとらえた意味が違うのに気付くのは、当日になってからなのだが、
それはまた先の話。
こうして、アランの交流戦までの残りは5日となったのだった。
ありがとうございました




