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ドラマのタイトル。

皆さんはいくつ判りますか?

水戸黄門を思い出したことで、他のドラマのことも思い出してきた。子供向けのドラマもあの当時はいくつかあった。なので、夫に聞いてみることにした。


「ねえ、あなた。ケンちゃんシリーズって、覚えています」

「ケンちゃんシリーズ? 確かおもちゃ屋ケンちゃんがなかったかい」

「それが・・・ケンちゃんシリーズがあったのは覚えているのですが、タイトルは覚えていなくて」

「私もそれしか出てこないですねえ」

「ねえ、そのケンちゃんシリーズってなに?」


陽菜が興味を惹かれたようで、そう聞いてきた。


「子供向けのドラマよ」

「子供向け? 仮面ライダーとかと違うの?」

「そうだよ、陽菜。仮面ライダーやスーパー戦隊は特撮もので、ケンちゃんシリーズはホームドラマだったんだよ」

「じゃあ、他にもあったの?」


夫と顔を見合わせてから答えた。


「そうねえ、レッドビッキーズ、がんばれ!!ロボコン、コメットさんかしら?」

「コメットさん? それってアニメもなかったっけ。おばあちゃん」

「ええ。いつ頃かしらねぇ。アニメが作られたの知っているのだけどね。でも、陽菜はよく知っていたわね。アニメがあることを」

「レンタル屋さんのアニメコーナーでみたの。ステッキを持っていたから、魔法使いの話だと思ったのね」

「そうよ。コメットさんは魔法を使えたのよ」


にこりと笑いかけたら、陽菜はまた目をキラキラさせて聞いてきた。


「他には? もっとあったのでしょう」

「そうだな~、あばれはっちゃくや少年探偵団とかかな」

「少年探偵団? コナン君みた~い」

「ああ、そうだよ。どちらも江戸川乱歩の少年探偵団シリーズがもとになっているからね」


夫の言葉に裕翔も目を輝かせて聞いている。


「他には? まだあったんでしょ」


私は夫のほうを見た。夫ももう思い出せないようだ。


「ごめんなさいね。これ以上は出てこないわ」

「え~、つまらない」

「それじゃあ、おばあちゃんが子供の頃のバラエティー番組の話をしましょうか」

「バラエティー番組? どんなのがあったの?」

「8時だョ!全員集合、ぎんざNOW、コント55号のなんでそうなるの?、パンチDEデート、辺りかな」


夫が先に答えた。


「そうねえ、他にはTVジョッキー、カックラキン大放送。カックラキンは好きで必ず見ていたわ」

「それならベンジャミン伊東が話題になった「見ごろ、食べごろ、笑い頃」はどうだい。「電線音頭」や「しらけどりブルース」を、クラスで歌っていたやつがいただろう」

「ええ、確かに。私はその番組は見ていなかったのですけど、みんなが楽しそうに歌うから覚えてしまいましたわ」


当時を思い出して、口元に笑みが浮かんできた。お調子者の男の子が真似をしていたのだ。夫はそれを見て笑っている方だったけど。


「それって今のナインティナインや、ダウンタウンや、とんねるず、みたいなものなの」

「ええっと・・・」

「そんなものだったかな」


夫と顔を見交わし合う。いろいろなキャラクターに扮するのは、今も昔も変わらないようだ。


「ところでお義母さん。ドラマは何がありましたか」

「ドラマ? そうねえ、時間ですよ、太陽にほえろ!、寺内貫太郎一家、Gメン‘75、岸辺のアルバムとかかしら?」

「そうだな~、あとはパパと呼ばないで、傷だらけの天使、われら青春!、はぐれ刑事、特捜最前線かな」

「え~、もっとあったんじゃないの~。ねえ、おばあちゃん、おじいちゃん」


陽菜が少ないと不満をあらわにした。


「でも、陽菜。おじいちゃんが子供の頃はテレビ局はもっと少なくて、こちらでは放送してないものもあったんだよ」

「えっ? テレビ局って増えるものなの」

「地方局はね、最初からそんなになかったのよ。NHKは各県にあるだろうけど、今も他の県ではNHK以外に2局しかない所もあるんだよ」

「本当に?」


夫がそう言ったら、息子がスマフォを取り出して調べだした。結果を見て息子が言った。


「陽菜、1局しかない県もあるぞ」

「ええ~、うそ~」


息子が皆に見えるようにスマフォをこちらに向けてくれた。確かにNHK以外に1局しかない県が2つあった。


「えーと、ところかわれば、かな?」

「まあ、そうだな」


話が脱線しまくっていることに気がついたから、アルバムに集中することにした。ページをめくって、私はまた動きを止めた。そして自然に見えるように次のページをめくろうとした。


「あー、待って、おばあちゃん。まだそのページを見てないよ」


陽菜がページを押さえて戻してしまった。


「あれ~」

「まあぁ~」


陽菜と朱美さんは語尾にハートマークがついていそうな声を出した。私はさり気なく視線をそらしたけど、陽菜が私の顔を覗き込むように見てきた。


「ねえ~、おばあちゃん。説明してくれないかな~。なんでおばあちゃんがおじいちゃんに、おんぶして貰っているの」


その写真は陽菜が言うように私が夫におんぶしてもらったもの。

遠足で足を挫いた私を背負って、夫は家まで送ってくれたの。この時の担任は女の先生で、小学校まで自転車で通っていた。だから私を荷台に乗せて送ってくれようとしたけど、友達が私を送るからと言って、先生に送ってもらうことはしなかったの。

でも、家に帰るにつれ一人二人といなくなり、最後は夫と二人になった。それまでみんなの肩を借りて何とか歩いていたのだけど、最後の友達と別れてそんなに行かないうちに、石につまづいてしまい歩けなくなってしまったの。

夫は自分のリュックを胸側にして私を背負ってくれたのよ。私は10分も歩けば家につくから、誰か(たぶん母)を呼んできてと言ったけど、夫は聞いてくれなくて、結局背負ってもらって家まで帰った。

この写真は学校から家に連絡が来て、母が父に連絡をして早く帰って来てもらい、父が迎えに出ようとしたところに家に帰りついたの。

私が降りようとするのをそのままにさせてカメラを取ってきたのよね。


私は視線を逸らし続けたの。そうしたら陽菜は夫のほうに顔を向けた。


「陽菜、これはね、遠足でおばあちゃんが足を挫いたから、背負っただけなんだよ」

「ふう~ん」


そう意味ありげな声を出して、陽菜は他の写真を見たあとページをめくった。そのページにあったのは、卒業式の写真だった。友達と写っている写真の中に、もちろん夫と並んでいる写真もあった。


そして最後のページには家族写真が2枚。うちの家族祖父母と両親、私と妹二人の写真。

もう1枚は夫の両親、夫と弟二人も一緒に写ったものだった。


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