結婚式
結婚式は、サーケの領地で一番大きい、とは言っても、田舎の小さななものに過ぎないが、三位一体派の教会で、それからしばらく後に行った。
二人と左右に腕を組み、祭壇に向かい、神父からそれぞれ近いの言葉を求められ、答えてから祝福を受ける、サーケは同じことを繰り返す羽目となったが、2人が初々しい、そんな玉ではないと思ったのだが、表情で幸福そうに赤くなっているのを見て、ホッとした。
この結婚式には、領内から有力者から一般の農民まで駆けつけて来た。
その彼らに、サーケの屋敷内で収穫された聖樹や魔樹の実から作られた酒やジュース、菓子が振舞われた。それいがいのものも、サーケの所から拠出された。まあ、領主の義務というところである。
他の領主利用手の場合と異なるのは、それが元々は領民の支払う地代とかではないか、ということになるのが、彼の場合はそうは言われないという点が異なる。
彼の財源の一つは、聖樹、魔樹から収穫されるものからなり立つものだった。
彼は、領地の領民から地代などを徴収し、賦役を提供させている。ただし、地代などの収入は国への税金を払った後は、全て領内の経費に再投資している。そこには、村々の、都市の、彼の代理人とかの報酬、義勇兵、とか領民の色々な団体への報酬、領内統治に関する仕事に対する、そして、村々を視察する際に領主が滞在する施設の維持費、その際の経費など統治に関する経費と領内のインフラ整備、災害対策、災害や不作のための備え、野盗対策等の武具、村々の祭りなどの経費などに全額がまわされている。賦役も、領内の公共施設などに対するものとなっている。
領主のための財源は、領主の邸宅、岩山だが、前述の邸宅内敷地にある聖樹、魔樹からの産品、敷地内の家庭菜園からの穀物、豆、芋、野菜。果実から作る酒、ジャム、菓子、香料、香辛料などの産品、チーズ、ハム、ソーセージ、羊毛、羽毛、そして誰が作るのか分からない工作物の販売によって賄われている。ほとんどのものを、敷地内で自給自足している事情もあり、その財源は本当の人間の使用人達、騎士達の報酬、領内の祭りなどへの拠出金、緊急事態などへの備えのため、教会への寄付、孤児院などへの寄付、今回の結婚式等のように外部に役務を依頼する場合の経費、たまは領民に領主のための仕事をさせるがその際の手間賃、武器等特別な品物の購入費などにさらに予備費とにまわされる。
だから、ある意味、税金はない、ということになるのわけであり、かえってそれとは関係ない、領主自身による物品、金が領民に降りて来るのであるが、領民にとっては地代などの負担を強いられているという感覚が残るわけである。それ自体も、他の地域と比べるとかなり低く、そのことには感謝は感じているのであるが。
「勇者様、魔王様に遅れを取るな。」
とサーケの老騎士達が叫び、
「おー!」
と少数ながら現地採用の騎士達と義勇兵、自警団の者達が呼応して続いた。
国境をまたにかける盗賊団が、近隣に侵入したので、こちらに矛先が向くだろうから先手を打って救援に向かったのである。国軍などを待っていられない、そもそも彼らは、国軍が迫る前にいち早く逃げ去ることを常としていたからだ。
「あー。旦那様。私を獲物をとったー!」
「もうー。私が瞬殺してやろうと思っていたのに。」
と勇者と魔王が苦情を言ったのは、サーケの放った銃の一弾がある男に命中して、その男が即しして落馬したからである。
どこかの勇者崩れらしい。少なくとも、そういう噂だった。この盗賊団が最近大胆な行動をとり、勢力も拡大して、被害を広げていたのは、勇者崩れの男が加わったせいだと言われていた。彼は、リシハ伯爵領に女勇者と女魔王が滞在しているという噂を聞いていたが。
「瞬殺して・・・いいや、瞬捕獲して、俺のハーレムにいれてやるさ。」
と言っていたらしい。その言を実行しようと、戦闘を進み盗賊団を切り崩していた2人に向って来たのである。
聖樹と魔樹の枝から作った木炭、そして屋敷の敷地から出て来た硫黄に、屋敷内の工房で作った人工硝石、原料は屋敷内の産品である、を加えて作った火薬で、屋敷内弾薬庫の銃弾既に持って来た数を越えている銃弾を飛ばしたのである。あと、サーケには鉄砲の照準、弾道を調整する能力、魔法を使えた、大層なものではなかったが。身体強化魔法を最大限にしていた、そして銃弾を見切ることができるはずだった、一発程度ならではあるが、その全てを上回る、弾速と威力とで彼は逆に瞬殺されてしまったのである、サーケによって。
「そんなに怒らないで、全員けちらしてくれよ。」
「は~い。」
その少し後に、
「少しは、みんなに残してやってくれよ。」
「もう~。注文民が多いんだからあ。」
「はいはい、この程度にしときますよ。」
ということになった。
結果としては、瞬く間の内に、大盗賊団は壊滅してしまったのである。




