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自分だけの楽園スキルの運命  作者: 安藤昌益


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12/21

勇者も魔王も追放

女勇者も女魔王も、2人とも追放されたのである。全てを取り上げられ、予備にあった鎧と剣などの聖剣とかの聖具、魔剣などという魔道具ではないもの、しかも雑兵のような者が持つ代物を、着て、持って、身に着けて、その状態での着の身着のまま?でそれぞれ聖樹、魔樹の前に立ったのである。

「どうしてよいのか分からなくて、どこか遠くに行きたいと思ったのよ。それでね、きれいごとを言うならそこまでなんだけど、美味しい者食べて、お風呂に入って、酒を呑んでふかぶかとした清潔なベッドで寝たい。愛してくくれる人と一緒にいたい、なんて考えていたのよ。全く、恥ずかしい勇者でしょ?」

「全くは巣急かしいを通り過ぎて、欲望まみれのひどい勇者様ね。本当に勇者なの?あなた?」

「そういう魔王様はどうなの?」

「おはずかしい話だけど、その情けない勇者様と全く同じなんだからな漬けないわよね。自分でも、それでも魔王かって呆れるくらいよ。」

 二人は、ビールを酌み交わして、サーケの寄りかかる様になって、彼の顔を挟んで酒臭い息を吹きかけながら、言い合った。二人の頬は彼の両頬にぴったりくっついていた。

「それで、お二人はどうして追放されたのですか?」

 彼も酔っていたが、左右で美女二人が自分を争うようにも見える格好で密着しているので、酔いはじめているにも関わらず、冷静な感覚のようになっていた。


 魔王と勇者、かつては魔族と人間・亜人の命運を担う存在ではあったが、火器の発達、国家制度による軍事力の質量ともの拡大もあり、その力の比重が相対的に小さくなったこともあるが、人間と魔族が対立・戦うだけの関係でなくなったことで、その持つ意味が大幅に変わったのである。対立・戦いだけでない関係とは何か、というと平和共存・提携又は相互に利用し合う関係となったということである。魔王という存在が常に魔界を統一している、魔界の頂点にいる魔王は一人という時期は必ずしも多くない。何人もの魔王が相対立している、時には乱立している時期の方がずっと多い。その状態からライバルを倒し、又は屈服させて、名実ともに唯一無二の魔王が誕生するのである。こうなる場合に人間・亜人の脅威となったのである。それ以前の段階でも、地域的には脅威になる場合もよくある。ただ、人間界に侵攻している時期に背後から他の魔王、他の魔族の部族なり勢力に侵攻される危険性があるため、より限定的にならざるを得ない。人間達が大帝国なりを作る場合と同様であるが、人間の場合と異なって、完全に魔界が統一されるわけで、魔族が単純、単純な力の優劣で物事を決める傾向があるからである。しかし、人間の影響を受けて国の制度が多少とも整うと、当然事情は似たようになる。

 平和共存で平和条約、同盟ということになるが、そうなると互いの脅威に対して共同行動をとることになってくる。人間と魔族が、他の魔族或いは人間の国に対して、共同で戦う。他の魔王と戦うため、人間の国と同盟する、その逆もある等々である。そして、その相手を時々変えるということもある。互いに傭兵のような形で兵力を提供することも出て来る。勇者と魔王が肩を並べて他の魔王又は他の勇者、やはり肩を並べた魔王・勇者と戦うことも出て来る。さらには、統一魔王になりそうな勢いのある魔王、魔族の部族を共同して事前に潰すということも出て来る。


 ラベンダは、統一魔王の座を狙っている、目論んでいる魔王として問題視されたのである。

「全く、そんなこと言った覚えもないし、実際考えたこともないのよね。誰が言い出したのか全く分からないわ。」

 本当に訳が分からない、失礼しちゃうわ、という顔で彼女は頬を膨らませた。

「ラベンダ様の部族は、人間とはどういう関係だったのですか?人間との提携関係が密接だったのですか?それで人間側が過大に警戒した結果ですか?」

とサーケは質問した。 

「ラベンダでいいわよ。私もサーケというから。」

「じゃあ。ハマナでいいわよ、サーケ。」

と勇者ハマナが乱入してきた。サーケは、彼女に対して頷いて、

「は・・・ハマナは、どうだったのです?」

と質問した。酔いがかなり回っていたため、話の順番がどうでもよくなっていた。

「私は。魔王の護衛をしていたのよね。他国の勇者や魔王が襲撃してきていてね。同盟国の魔王様を守るようにと言われてね。それがねえ・・・、突然私の魔王様がいなくなったのよ。」

「?」

はラベンダー。

「同盟関係が解消した?魔王が・・・クーデターとかで入れ替わった?」

とサーケだった。

「ねえ、ラベンタの方はどうだったの?さっきの続きでさ?」

と突然ハマナがラベンダーに振り戻した。戸惑ったラベンダだが、

「わかったわよ。言いずらいのね?心の準備ができるまで待ってあげる・・・ことはしないわよ。私の事情を説明するから、終わるまでに心の準備を終えなさい。いいわね。」

「ありがとう。大丈夫よ。さほど時間はかからないから。心が痛むことじゃなくて、どこから話したらいいか整理したいだけだから。」


「」


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