85.聞きたい事
魔法院へ到着すると、沢山の人たちがあたふたと駆け回っていた。
昨日はアンバーとウォルターさんしか会わなかったから、魔法院って人少ないな、と思っていたけど、本当は沢山人が居るんだね。
「ジェンキンス卿」
そのうちの一人がエリオットに気付き、ウォルターさんに連絡してくれたので、わたしたちはあっという間に地下牢に案内された。
地下牢独特の澱んだ空気が鼻につく。
幾つもの堅固な扉を潜り奥まで案内されると、黒い牢の中にクレア・ギッテンスが居た。
牢内の簡素な寝台に座っているが、目は虚ろだ。
未だ闇魔法で拘束されているのだろう。
アンバーは牢の前の椅子に座って、何やら矢継ぎ早に質問している。
「クレア・ギッテンス、処刑が明日に決まったのでー。アンバーさん、未だ確認したい事があるから処刑を延期しろって騒いだんですけどねー。
流石に強力な闇魔法師の凶悪犯を生かし続けるのは危険という事で明日決行になりましてー」
「それで焦って今聞き出しているのか」
刑が執行されるのなら事件の聴取はもう終わっているはず。
「何を聞き出しているの?」
まさか、永遠の星の下に、の結末?
「強力な闇魔法師ですからね、いろいろ探究したいみたいです」
ああ、そっち。
「アンバー」
わたしがそっと声を掛けると、アンバーが振り向く。
うわー、酷い顔!
隈も酷いし、顔色も!
思わず駆け寄り頬を撫でると、指先から光が溢れアンバーのクマは消え、顔色も良くなった。
「ロージー、これは聖魔法の浄化か?
こんな事も出来るのか!
これはもっと突き詰めなければならないな!」
アンバーが暴走し始めると、慣れた様子でウォルターさんが止めに入る。
「アンバーさん、ロージーさんはクレア・ギッテンスに用があるそうですよー」
よく見ると、ウォルターさんにもクマが。
ウォルターさんの頬にも手を当てて浄化する。
「うわー、スッキリしたー。
ありがとうございます、ロージーさん」
おお〜、見た目美少年の笑顔、眼福。
「やはり、聖魔法は凄いな!
是非わたしに詳しく調べさせて欲しい!」
目をキラキラさせてアンバーが詰め寄って来るので思わず後退り。
「アンバーさん、ロージーさんをクレア・ギッテンスと話させてあげてー」
「あ、ああ」
アンバーもウォルターさんの言う事はちゃんと聞くんだね?
わたしはアンバーに促され牢の前に歩み出る。
「クレア・ギッテンス、貴女に聞きたい事が有る」
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