61.闇魔法師
「闇魔法の気配?」
ヴィー嬢の負のオーラは浄化したし、それが闇魔法から派生したものかはわからない。
ヴィー嬢のなかの怨みつらみから派生したものと言う可能性もある。
マーフィー伯爵や人型魔物から派生した黒い靄は確かに闇魔法由来だった。
「ヴィー嬢の負のオーラとは別に闇魔法の気配があるか、と言う事?」
「そうだ。
アンバーと俺もかなり魔力は強いが、闇魔法については隠蔽魔法が有るから、実際に遣われなければ誰が闇魔法使いかは分からない。
だが、聖魔法師のロージーなら体内に潜む闇魔法の魔力も突き止められると考えている」
「体内に潜む闇魔法の魔力」
「そうだ、但し闇魔法だから悪いわけではない。
探して欲しいのは悪しき闇魔法だ。
人を害し己の利を得ようとする闇魔法を探して欲しい」
「体内に潜む悪しき闇魔法の魔力」
わたしは目を閉じて精神を集中させ、悪しきものを感じようとする。
すると、先程までは感じられなかった悪しき闇魔法の魔力の存在に気付く。
そっと目を開き、扉を指差す。
「あの扉の向こうに立っている人が悪しき闇魔法師です」
エリオットは頷き、アンバーを手招きする。
「開けるぞ」
ガタンと扉を開けると、其処には立ち去って居なかったクレア・ギッテンス公爵令嬢がいた。
「な、何ですの!
もう面会は終わったのですか」
あからさまに立ち聞き態勢でバツが悪いのか、顔を歪めるクレア・ギッテンス公爵令嬢の体内には黒い靄が確かに隠されていた。
「闇魔法が隠蔽されています。
悪しきものですので浄化します」
わたしの言葉でクレア・ギッテンス公爵令嬢はカッと瞳を見開き睨み付けた。
瞳は血走っていて尋常で無い黒い靄が辺りを覆い始める。
このままではエリオットとアンバーが危ない。
「浄化!」
わたしの右手から溢れ出た光は黒い靄を一瞬で消し去るが、クレア・ギッテンス公爵令嬢の体内の黒い靄は消え去らず残ったままだった。
「消えない、どうして?」
戸惑うわたしにアンバーが囁いた。
「聖魔法は悪しき闇魔法を浄化出来るけど、闇魔法師自体を殲滅する事は出来ないわよ」
「えっ!」
「闇魔法が遣われ魔物化した人体やヴィー・パターソンのように体内を侵された場合には聖魔法で浄化するしか無いけど、闇魔法師自体は浄化出来ないの」
囁きを聞いているうちに、また黒い靄が充満し始めた。
「浄化」
アンバーはニコリと微笑み、また囁いた。
「黒い靄は聖魔法師にしか浄化出来ないから、貴女に頑張って貰うしかないの」
「でも、そうなるとわたしかクレア・ギッテンス公爵令嬢、何方かの魔力が枯渇するまでこのままと言う事ですか?」
クレア・ギッテンス公爵令嬢が闇魔法で黒い靄を発する限り、わたしは聖魔法で浄化をする、の繰り返しになる。
「あら、大丈夫よ。
貴女が黒い靄を浄化してくれたら、私とジェンキンス卿がけりをつけるから」
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