42.叔母さま
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殿下から陛下からも謝罪をとの話があったけれど、丁寧に辞退させていただき帰途に就いた。
明るく振る舞うわたしを三銃士は心配そうに見ていたけれど知らない振りをする。
何にも失くしていないのに。
何にも失くしたわけじゃないのに。
心に隙間風が吹いている。
わたし、すっかり勘違いしていたみたい。
エリオットもわたしの事を女性として想ってくれているかも、なんて。
バカだな。
あんなステキな想い人がいたら、わたしなんて野山を駆け回る野犬みたいなものだ。
自分を否定するつもりはないけれど、エリオットにはギッテンス公爵令嬢が似合う。
哀しいけれど。
知りたくない自分の心の奥底を覗いてしまった気がした。
眠れぬ夜を過ごし、回らない頭で家族の食堂に向かう。
食欲は無いけれど、わたしが朝食を抜いたら三銃士が不審がるだろうから、無理をしても食べなきゃ。
食堂へ入ると、そこには会いたかったひとが居た。
「お、叔母さま、」
涙で前が見えないけれど、駆け出してシモンズの叔母さまの胸に飛び込む。
「ロージー、隠していてごめんなさい」
わたしはブンブンと頭を振る。
そんな事はどうでも良くなってしまった。
港に帰った船の様に、叔母さまの胸に安らぎを感じた。
少しして気持ちが落ち着くと、叔母さまとわたしは小さな居間に移った。
「封印を解除するの?」
叔母さまはいいえ、と呟きわたしの髪を撫でる。
「ねぇ、ロージー。
何があったの?」
「えっ、な、何もないよ」
「………」
「本当だよ?」
「そんな嘘吐いてもすぐわかるわよ。
……。もしかしてエリオット?」
真っ青になったわたしを見て、叔母さまはため息を吐く。
「やっぱりね。
どうしたの?言ってご覧なさい。
喧嘩でもした?ううん、エリオットは喧嘩なんてしないわね。
誰か気になる令嬢でも現れた?」
叔母さまの千里眼。
いつもわたしの事は見抜かれてしまう。
「う、うん。
エリオットが好きだった人に会った。
ううん、今もす、好きかも…」
涙で言葉が途切れる。
叔母さまは更にぎゅっと抱きしめてくれる。
「ふふ」
急に叔母さまが笑い出したので驚いて見上げると
慈愛に満ちた瞳が見つめていた。
「?」
「ロージーもそんなお年頃なのね。
まだまだ子どもだと思っていたのに」
「叔母さまったら」
恥ずかしくて顔が赤くなる。
「でもね、ロージー。
エリオットにきちんと聞いてみたの?」
「ううん」
「エリオットならきちんと向き合ってくれるわよ。どーんとぶつかってみなさいな。
それにね、そんなに悪い事にはならないと思うわよ?」
そうかな。
それってエリオットに告白するのと同義だよね。
結構難事案だけど、当たって砕けても妹ポジは変わらない、よね。
「うん、エリオットに聞いてみる」
「ふふ、そうしなさい。
じゃないと、精神的に不安定で封印解除できないから」
そうか。
「ね、叔母さま。
封印解除したら、わたしを取り巻く環境って激変しちゃうかな」
叔母さまはにっこり笑う。
「あなたの大切な人たちは何も変わらないわ。
それでも何か心配?」
わたしは頭を振る。
わたしの大切な人たちに変わりがないなら、何を恐れる事があるだろうか。
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