表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/87

37.承諾?

 

 忠誠を誓われた騎士の話は有耶無耶のまま、わたしは自室で少し休む事に。

 何せ完徹明け。

 若いとはいえ、流石に疲れた。


 寝台に腰掛けバタンと上向きに倒れる。

 いろいろありすぎて頭がぐちゃぐちゃになっている。

 取り敢えず一眠りしよう。


 ………………



 バタバタバタ バーン


 自室の扉がノック無しで開かれる。


「ロージー!ロージー、ごめん。

 仕方なかったんだ。

 許してください。本当にごめん。

 嫌われたら生きていけないーーー!」


 デュラン。

 眠りかけを起こされてちょっとぼんやりしているのか、叱られた仔犬みたいに垂れ下がる耳と尻尾が見える。


「デュラン?

 聞いたんだ。大丈夫だよ。

 大好きなのは変わらないから」


「ロージーーーーーーーーーーーーー」


 デュランが遠吠えの様に叫ぶ。

 やはり犬だ。わんこだ。

 スタンリーが大きなわんこで、デュランは人懐こいわんこ、わたしはうるさい仔犬。

 わんこ三兄弟じゃない(汗)


「ふふふふふ」


 そんなバカな事を考えていたら、ふいに可笑しくなった。


「ろ、ロージー、どうした?」

「ふふふ、わんこ三兄弟」

「わんこ三兄弟?」


 デュランは煙に巻かれるのだった。



 夕餉には目を覚まし、同じく昼寝から起こされた子どもたちと共に席に着く。

 公爵家には幾つかダイニングルームがあるけれど大人用で豪奢な為子どもたちが緊張しそうなので、またまた使用人の休憩室をお借りする。


 料理長が腕を振るったようで、沢山のご馳走が並んでいる。


「さぁ、沢山食べて」


 子どもたちは歓声を上げて食べ始めた。

 ニコニコして子どもたちを眺めていると、アンナが駆け込んで来た。


「ろ、ロージー様、申し訳ないのですが、ちょっと宜しいですか?」


 慌てた様子のアンナに頷き、子どもたちに食べていてね、と伝え席を立つ。


「慌ててどうしたの?

 何かあった?」


「旦那様と奥様がお帰りになって、ロージー様にすぐ謝りたいと仰せで。

 今にもこの休憩室へいらっしゃる勢いでしたので」


 それは流石に拙い。

 子どもたちや使用人の前で公爵様と公爵夫人が平謝りなど、そんな真似はさせられない。


「すぐ伺うわ。

 おふたりはどちらに?」

「いつもの団欒用の居間に御座います」


 アンナに促され小走りで居間へ向かう。


 扉を開けると既にジェンキンスのおばさまは号泣していた。


「おばさま!」


 迷わずおばさまに抱きつく。


「ロージー、ロージー、ごめんなさい。

 黙っていて、ごめんなさい」


 わたしは頭を振る。


「謝らないでください。

 おじさまもおばさまもわたしを思っての事だとわかっています」


 おじさままで目が赤い。


「愛してくださってありがとうございます」


 おばさまの号泣は更に酷くなった。




 おばさまを宥め、休憩室に戻れたのは、かなり時が経ってからだった。

 子どもたちは部屋に戻ったようで、ロイくんだけがちょこんと椅子に座っていた。


「ロージーさま」


 キラキラしたキレイな瞳で見上げてくる。


 うっ!

 何て可愛い。

 もともとキレイな顔立ちだと思っていたけど

 お風呂に入り、公爵家で用意したエリオットの幼い頃の洋服がやたら似合って、さながら貴公子だ。


「ロージーさま」

「は、はい?」

「ロージーさま。

 おれをロージーさまのきしにしてください。

 おねがいします!」

「は、ハイ」


 思わず返事をしてしまった。


「やったー!」


 ロイは飛び上がって喜び、わたしに抱きついてくる。

 そっと頭を撫でるとお腹に顔を埋めた。


 ()()()()


 年下の男の子の知り合いはいないので、新鮮な気分だ。


「あっ。

 ごめんなさい、ロージーさま、ごはんまだだった。たべてください」


 おお、小さいうちから、こんな気遣いが出来るなんてポイント高い。


 ロイくんに促され席に着くと、何故かロイくんがわたしの膝に座る。


「えへっ。

 とくとうせき」


 ニコッと笑うロイくん。


 あざとかわいい!

 抵抗出来ない。


「何をしている!」


 生温かい雰囲気をぶち壊したのは、氷点下を遥かに下回る吹雪の様なエリオットの声だった。





お読みいただきありがとうございます。

ブクマや下記↓⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★評価で応援していただけると、とても頑張れますので

宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ